積み重ねてシステムアップ!
スタック構造でカスタマイズ自由自在 − ADKのオーディオ/シアターラック「Stack Series」
AV機器を収めるラックの選択は実に悩ましい問題だ。
ラックはAV機器の設置に必要不可欠だが、市場にある製品の数は膨大。そして必要なラックの条件は自身のシステム構成や機器のサイズなどによって異なるため、これが正解だという一般例は挙げにくい。
しかし今回紹介する朝日木材加工(ADK)の「Stack Series」は、多くのホームシアターファン、オーディオファンにおすすめしやすいラックだ。ポイントはシリーズ名にある通り、このラックがスタック構造を採用しているところにある。
いくつかの寸法バリエーションが用意されているユニットをスタック、つまり積み重ねることで、本シリーズのラックは、様々な機器を組み合わせたあらゆるシステム構成に対して、ベターと言える環境(寸法)を提供する。それがこのシリーズの特徴だ。
土台となるベースユニットは2モデル用意されている。幅574mmで収納スペースが1つの「STC-B125FWN」と、幅1109mmで収納スペースが左右に2つの「STC-B225FWN」だ。どちらもフルサイズのAVアンプやプリメインアンプを十分収めることができ、なおかつ放熱のための空間も残せるだけの内寸を確保している。
そしてベースユニットに積み重ねるスタックユニットは、ベースユニットに合わせて横幅が2種類、そして高さが2種類、合わせて4種類が用意されている。
BDレコーダーやネットワークプレーヤーを入れる場合には、薄い方のスタックユニットで十分以上。厚い方のスタックユニットは、例えばプリアンプとパワーアンプが別筐体のシステムで、それらを縦に重ねて設置したい場合などに活躍しそうである。
■積み重ねるだけのかんたん設置で安定感も確保
さて実際のスタックの方法だが、基本的には積み重ねるだけ。金属製のダボは用意されているが、それは固定というよりは位置決めのためのものだ。
ダボだけだと、ラック同士の固定が不安。そう感じる方もいるかもしれない。たしかに金具などを使ってがっちり固定するタイプの方が安心は安心だろう。
しかし本シリーズは全面35mm厚の無垢材で、ユニットの重量は最低でも11kg。その重みだけで十分な安定感がある。2段スタックでは何の不安も感じられない。
またシステムプランとしては6段スタックの例も案内されているので、その場合の安全性もむろん考慮されているはずだ。重量級の機器は下段に置いてラック全体の重心を下げるなどの工夫を行えば、なお安心だろう。
なお同社ウェブサイトの「システムプラン」のページはこのラックの魅力を良く伝える参考例となっている。興味を持った方は目を通してみてほしい。
■35mm厚の全面天然木無垢材を採用
本シリーズは全ての面が35mm厚の天然木無垢材。それも大きな魅力だ。
誤解のないように言っておくと、ハンバーグとステーキにそれぞれのおいしさがあるように、合板にも無垢材にもそれぞれの良さがある。無垢材が全面的に優れているなどということはない。例えば楽器でも、あえて合板を採用する例がある。
だがそれでもなお、無垢材ならではの感触は人を惹きつけるものがある。ラックはインテリアの一部、家具でもあるので、素材の持つ雰囲気も重要だ。本シリーズは無垢材を丁寧に面取り加工し、ウォールナット調の色合いに仕上げることで、落ち着きが感じられる。
またその頑強さも大きな強みだ。スタックの安定感に加えて、がっしりとした土台を機器に提供することで、再生クオリティの向上も期待できる。
■ラックの組み替えで様々な使い方に対応できる
スタック型の強みは、初期設置時にベターなラックを構築できることだけではない。将来的なシステム構成変更時に、ラックを組み替えて対応できるのも大きな魅力だ。
しかし実際にそれを行うには、そのラックシリーズが将来においても存続し、ユニットの販売が継続されることが条件となる。
その点でも本シリーズは安心だ。このシリーズは同社の定番で、90年代から販売されている製品。これまで長年にわたって作り続けられてきた実績が、将来への安心感を高めてくれる。朝日木材加工という会社自体も、創業40年を超え、OEM事業も多く請け負う優良企業。重ねて安心感がある。
◇ ◇ ◇
最初に述べたように、AVラックという分野には膨大な選択肢がある。その中においてこの「Stack Series」は、特殊な素材や構造を採用しているわけでもなく、地味な製品かもしれない。
しかしスタックタイプという発想を、シンプルかつ確かな造りで実現していることは、地味ではあっても大きな強みだ。
一般的な既製品で納得できる寸法のラックを見つけられない方、将来の拡張性も考慮してラックを選んでおきたい方は、候補のひとつとして検討する価値がある。
(高橋敦)
ラックはAV機器の設置に必要不可欠だが、市場にある製品の数は膨大。そして必要なラックの条件は自身のシステム構成や機器のサイズなどによって異なるため、これが正解だという一般例は挙げにくい。
しかし今回紹介する朝日木材加工(ADK)の「Stack Series」は、多くのホームシアターファン、オーディオファンにおすすめしやすいラックだ。ポイントはシリーズ名にある通り、このラックがスタック構造を採用しているところにある。
いくつかの寸法バリエーションが用意されているユニットをスタック、つまり積み重ねることで、本シリーズのラックは、様々な機器を組み合わせたあらゆるシステム構成に対して、ベターと言える環境(寸法)を提供する。それがこのシリーズの特徴だ。
土台となるベースユニットは2モデル用意されている。幅574mmで収納スペースが1つの「STC-B125FWN」と、幅1109mmで収納スペースが左右に2つの「STC-B225FWN」だ。どちらもフルサイズのAVアンプやプリメインアンプを十分収めることができ、なおかつ放熱のための空間も残せるだけの内寸を確保している。
そしてベースユニットに積み重ねるスタックユニットは、ベースユニットに合わせて横幅が2種類、そして高さが2種類、合わせて4種類が用意されている。
BDレコーダーやネットワークプレーヤーを入れる場合には、薄い方のスタックユニットで十分以上。厚い方のスタックユニットは、例えばプリアンプとパワーアンプが別筐体のシステムで、それらを縦に重ねて設置したい場合などに活躍しそうである。
■積み重ねるだけのかんたん設置で安定感も確保
さて実際のスタックの方法だが、基本的には積み重ねるだけ。金属製のダボは用意されているが、それは固定というよりは位置決めのためのものだ。
ダボだけだと、ラック同士の固定が不安。そう感じる方もいるかもしれない。たしかに金具などを使ってがっちり固定するタイプの方が安心は安心だろう。
しかし本シリーズは全面35mm厚の無垢材で、ユニットの重量は最低でも11kg。その重みだけで十分な安定感がある。2段スタックでは何の不安も感じられない。
またシステムプランとしては6段スタックの例も案内されているので、その場合の安全性もむろん考慮されているはずだ。重量級の機器は下段に置いてラック全体の重心を下げるなどの工夫を行えば、なお安心だろう。
なお同社ウェブサイトの「システムプラン」のページはこのラックの魅力を良く伝える参考例となっている。興味を持った方は目を通してみてほしい。
■35mm厚の全面天然木無垢材を採用
本シリーズは全ての面が35mm厚の天然木無垢材。それも大きな魅力だ。
誤解のないように言っておくと、ハンバーグとステーキにそれぞれのおいしさがあるように、合板にも無垢材にもそれぞれの良さがある。無垢材が全面的に優れているなどということはない。例えば楽器でも、あえて合板を採用する例がある。
だがそれでもなお、無垢材ならではの感触は人を惹きつけるものがある。ラックはインテリアの一部、家具でもあるので、素材の持つ雰囲気も重要だ。本シリーズは無垢材を丁寧に面取り加工し、ウォールナット調の色合いに仕上げることで、落ち着きが感じられる。
またその頑強さも大きな強みだ。スタックの安定感に加えて、がっしりとした土台を機器に提供することで、再生クオリティの向上も期待できる。
■ラックの組み替えで様々な使い方に対応できる
スタック型の強みは、初期設置時にベターなラックを構築できることだけではない。将来的なシステム構成変更時に、ラックを組み替えて対応できるのも大きな魅力だ。
しかし実際にそれを行うには、そのラックシリーズが将来においても存続し、ユニットの販売が継続されることが条件となる。
その点でも本シリーズは安心だ。このシリーズは同社の定番で、90年代から販売されている製品。これまで長年にわたって作り続けられてきた実績が、将来への安心感を高めてくれる。朝日木材加工という会社自体も、創業40年を超え、OEM事業も多く請け負う優良企業。重ねて安心感がある。
最初に述べたように、AVラックという分野には膨大な選択肢がある。その中においてこの「Stack Series」は、特殊な素材や構造を採用しているわけでもなく、地味な製品かもしれない。
しかしスタックタイプという発想を、シンプルかつ確かな造りで実現していることは、地味ではあっても大きな強みだ。
一般的な既製品で納得できる寸法のラックを見つけられない方、将来の拡張性も考慮してラックを選んでおきたい方は、候補のひとつとして検討する価値がある。
(高橋敦)