フロアスタンド「RF-7 II」とブックシェルフ「RB-81 II」をレビュー
【連載レビュー第2回】上位ラインナップ「Referenceシリーズ」を聴く
■ロックやアニソンとの相性は!? |
ここからはもう少し踏み込み、新たに用意したロック音源やアニソン音源を用いて「RF-7 II」のサウンドについて掘り下げていこうと思う。まずロックではデイブ・メニケッティやパンゲアと同じく、ベテランのバンド“ストライパー”の『MURDER BY PRIDE』(キング:KICP1423)から、ボストンのカバー曲「ピース・オブ・マインド」(トム・ショルツのギターもフィーチャーされている)を聴いてみる。
ボブ・ラドウィックによるヌケの良いマスタリングの効果もあり、クリアなヴォーカルの質感は滑らかに描かれる。ブライトに際立つエレキも粒立ち良く厚みがあり、ファットなドラムやベースも力強い押し出しを見せ、落ち着いた安定感が得られていた。
続いてはイタリアの若手実力派ハードロックバンド、“ライオンヴィル”(ルビコンミュージック:RBNCD-1053)のデビューアルバムから「ヒア・バイ・マイ・サイド」を聴く。
こちらでは落ち着きあるヴォーカルの伸び良く滑らかな質感と、透明感引き立つシンセの際立ちが好対照で、分離良いコーラスワークや穏やかに張り出すベースの太さが耳当たり良いピラミッドバランスを紡ぐ。ギターソロの明瞭感もホーンユニットならではのきめ細やかさが下支えしているようだ。
最後にアニソン音源を聴いてみよう。まずはTVアニメ『Angel Beats!』に登場するロックバンド“ガールズ・デッド・モンスター”の『Keep The Beats!』(ヴィジュアルアーツ:KSLA-0058)から「Little Braver」である。
こちらの楽曲もどちらかといえばこれまでのロック音源と同一ジャンルに属すのだが、アニソンならではのスカッと抜けの良いヴォーカルの鮮やかな浮き立ち感の高さは独特なものがある。ベースやドラムは穏やかなアタックの当たりながらリリースは引き締まり、すっきりと分離するクリーンギターの切れ込みよいフレーズも鮮明だ。
そして社会現象となる大ヒットを経て劇場版となった『けいおん!』の劇中歌シングル「Unmei♪wa♪Endless!」(ポニーキャニオン:PCCG-70082)では、切り取ったように浮き上がるヴォーカルの爽快感あふれる明瞭さ、ギターのフラッシーな切れ込み、キーボードのころころとした小気味よい際立ちが各々バランス良い。
またドラムの定位も良くすっきりと分離しているので、全体の音数は多いながらも団子状にならず、解像感の良い軽快なロック感を的確に表現してくれた。当初は音が破たんするのではないかと思ったが、そうした心配は杞憂に終わり、むしろ相性が良いとさえ感じる。
ホーン型ならではのスピード感とタッチの繊細さを感じさせるが、比較的抑えた設定のアンプ&プレーヤーとの組み合わせということもあり、まだまだその持てるポテンシャルは出し切っていないように思えた。システムのグレードを上げることでさらなるレスポンスや質感の向上が期待できるだろう。
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