クリプシュ「G-42」と「G-12」を試す
【連載レビュー第2回】「Galleryシリーズ」でテレビの音を“手軽に”強化する
■「G-12」2本で手軽にテレビの音を強化 |
最後のセクションとなる連載レビュー第3回目は、「Gallery」シリーズを薄型TVと組み合わせた、AV環境での活用を探ってみたい。用意したのはシリーズエントリー機「G-12」とフロントL&R、センターchをひとつのボディにまとめたサウンドバー「G-42」である。
「Gallery」シリーズは垂直、水平方向ともに90度の指向性を持つ“Tractrix”ホーンとリニアトラベル・サスペンション採用2.5cmチタンドーム型コンプレッション・ドライバーを装備した壁掛け対応のスタイリッシュな薄型設計モデルで、スモークガラスベースによって卓上設置も可能である。
グロスブラックのキャビネットは長辺側がラウンド加工されており、不要な共振を防ぐとともに内部定在波も低減。ユニークなのはマグネットキャッチを採用したグリルネットで、それぞれの長辺側にシャフトに巻かれたネットを取りつける構造としているため、バッフル面に突起や取り付け穴のない美しい外観を実現している。加えて奥行きがわずか6cmほどであるため、壁掛け時も邪魔にならないだろう。
まず視聴を行ったのはシンプルな2ウェイ構成の「G-12」を用いたステレオ環境のパターンである。薄型TVの難点として各メーカー努力はしているものの、内蔵スピーカーを取りつけるキャビネットやベゼルのスペースが十分確保できず、そのサウンドは高域寄りの頼りないものであることが多い。こうしたサウンドの問題点を解決するため、「G-12」のような薄型コンパクトなスピーカーをTVサイドにおいてサウンド増強することで、より作品への没入度が高まるのだ。
この「G-12」は前述の“Tractrix”ホーン・トゥイーターと、分割振動を抑え優れた最大入力特性とトランジェント性を実現する大口径ボイスコイルを用いた8cmロングスローIMGウーファーによる構成である。ベースもスリムなものなので、TVラックに設置しても邪魔にならず、見た目もTVとマッチしている。今回の視聴ではAVアンプにマランツ「NR1602」、BD再生機としてパナソニック「DMR-BZT9000」を組み合わせ、TVは東芝「42ZP3」を用意した。