“音のDAIKEN”製品はどう活用された!?
部分的な防音でもここまで楽しめる! DAIKEN製品を活用したシアタールーム作りを徹底レポート
■部分的な防音対策でも快適シアターライフは実現できる |
実際の施工にあたっては、まずはシアタールーム全体の工事から実施。前述の通り天井にリビングトーンを入れ、2部屋で計4ヶ所あった窓を1ヶ所のみ残して壁へと変更。残した窓も二重窓にして開口部からの音漏れを低減させるなど、予算内で出来る限りの遮音対策を施した。本格的な防音工事が行えなかったとしても、出来ることはまだまだ残されているのである。
そして、最後の調整として「オトピタ01」を使用。田中店長は「オトピタ01がない状態で試聴してみると、前方の左右の壁面にフラッターエコーがかなり発生していました。そこでオトピタ01を使って対策を施そうとしました」とし、「どこに貼れば最も効果的なのか、音を確認しながら最適な場所を探しながら作業を行った結果、適度に残響が聴こえるようになりました」とコメント。後付でオトピタ01を使用した経緯を詳しく説明する。
また、「防音や調音を考えたときに、天井への対策だけでやりすぎになることはありません。今回のケースで言えば、リビングトーンを最初に入れてベースとなる対策を行っていたから、後からオトピタ01を使って色々と調整することが可能になったのです」とコメント。天井にリビングトーンを使用し、そこへオトピタ01を加えるという手法のメリットについても語った。
一方で「オトピタ01の設置については、『吸音材を貼っています』というのが前面に出るのでなく、デザイン的にも見栄えがするよう配慮しました」ともコメント。製品のデザインを活かしつつ、防音/調音に効果を発揮しながらも部屋全体のデザインと調和する設置方法を模索したのだという。
なお、DAIKEN製品以外では100インチのサウンドスクリーンやB&Wのスピーカーなどを使用。以前から使用していた50インチテレビも壁掛けに変更して残し、スペースを最大限に利用しながらスクリーンとテレビ両方を使えるシアタールームが完成したのだった。
こうした点については「予算的な面で言えば、防音にかかる費用を抑えたことで100インチスクリーンを入れられたなど、ハードウェアを充実させることができたも言えます」と田中店長がコメント。Mさんも「最初は7.1chでプランニングしていたのですが、どうせならということで9.1chに変更しました」と言葉を添える。
こうして完成したシアタールームにはMさんも「大画面スクリーンというのがずっと夢だったので、壁一面がスクリーンになるという点にまず感動しました。もちろん懸案だったサラウンド感もキチンと味わえるようになりました」と大満足の様子。
「BDソフトを購入しても『シアタールームが完成するまで我慢しよう』と思って視聴しないようにしていた」というMさん。「完成後は暇さえあればこの部屋で映画を観ていました」といい、「すでに見終わった作品でも、もう一度この部屋で見直すと印象が変わってきます」とコメント。新たなホームシアターライフを満喫している様子を見せてくれた。
これらのことから改めて分かるのは、ホームシアターを楽しむ上では、必ずしも完璧な防音工事にこだわりすぎる必要はないということ。過去の連載記事でも見てきたように、音を良くするためのソリューションはとても充実しているのだ。
また、これも過去のユーザー訪問レポートにも共通して言えることだが、オーディオビジュアル機器の実力をフルに引き出すためには、部屋の環境作りについても大きな注意を払うべきであることにも改めて触れておきたい。
「せっかく高価な機器を買ったのに思うように鳴ってくれない」などという不満を感じるような場合にはルームチューニングも大きく影響しているのである。場合によっては、部屋の環境を整えることで手持ちの機器の音が大きく生まれ変わる可能性だってある。音質への不満は何も機器だけのせいでなく、それを使用している空間そのものが悪影響を与えている場合も往々にしてあるのだ。
その上で、今回見てきたように部屋の響きを整えるソリューションは様々だということも念頭に置いておきたい。「防音工事は金額的に高そう。予算がない自分には無理だろう」と最初から諦めるのではなく、部分的な防音対策でもホームシアターを楽しむ道は充分にあるということに改めて気付かされる取材班であった。
■「リビングトーン」「オトピタ01」などの製品に関する問い合わせ先
大建工業(公式サイト)
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