【速攻レビュー】パイオニア新AVアンプ「SC-2022」の実力を岩井喬がチェック
本日発表されたパイオニアの新AVアンプ「SC-2022」(ニュースはこちら)。評論家の岩井喬氏がいちはやくそのクオリティをチェックした。
『ダイレクトエナジーHDアンプ』搭載のミドルクラスAVアンプ登場
上位LXシリーズと同じくDirect Power FETをパワー素子に用いた全ch同一クオリティのデジタルアンプ構成とした7.2ch対応AVアンプだ。『ダイレクトエナジーHDアンプ』を搭載したことから、“VSA”ではなく、デジタルアンプ方式を継承する“SC(スサノオ・コンセプト)”を冠したモデルナンバーを与えられたのだという。
音声信号の解像度を24bitまで拡張処理できる『Hi-bit24 Audio Processing』(最高48kHzまでの音源に対応)やAirPlay、DLNAネットワーク経由での192kHz/24bitファイル再生機能に加え、このSC-2022ではさらなる高音質&高機能を追求している。
LEFの遅延を修正して位相を揃え、キレのある低音と音像感が得られる“フェイズコントロールプラス”は誰でも手軽にその効果を実感できるよう自動化。ソフト由来のLEF遅延をリアルタイムで自動分析/調整する『オートフェイズコントロールプラス』として進化を果たした。
さらにフロントとサラウンドスピーカー間の横方向における広がりを補間し、繋がり良い音場空間を作り出せるサラウンドモード『ヴァーチャルワイド』機能も新たに追加搭載した。これまでの『ヴァーチャルサラウンドバック』や『ヴァーチャルハイト』を組み合わせ、5.2ch接続環境でも仮想11.2chとすることが可能で、これに加え、3Dコンテンツ再生に最適な奥行き方向への広がりを持たせる『ヴァーチャルデプス』も用意されている。
そしてiPhone/iPod touch/iPad対応のアプリケーションとの融合をいち早く実践してきた同社ならではの先進性が光る操作系アプリ“iControlAV”もリニューアル。直観性の高い操作感を持たせつつ、ユニークさも加えた新たな『iControl AV2012』では「Sound Explorer」という新機能を追加し、設定項目(及びその機能性解説ヘルプ)を集約させている。またこの項目アイコンが画面上から落ちてくる楽しげな表示モードもあり、遊び心溢れた仕様となっている。
高い空間描写力と鮮度の良いストレートな音色
視聴ではエラック240ラインで5.1chを構築。まずはBD『スカイ・クロラ』の大編隊空中戦シーンで飛び交う戦闘機を主体とした空間表現力を確認した。
“ダイレクトストリーム”では芯のある音像をドライかつスマートに描き、ナチュラルで色付けのない空間描写である。物体の移動はキレがあり、BGMの解像感も十分に保たれ、透明感のある奥行きを感じられる。続いて同じシーンをヴァーチャルスピーカー『ヴァーチャルハイト』『ヴァーチャルサラウンドバック』『ヴァーチャルデプス』の3パターンを活かして聴いてみると、左右が短辺側となるような奥行き軸の長い直方体の中でサウンドが響いているイメージとなる。滑走路を走る戦闘機の動きは良く表現できているが、空中のシーンでは横方向の情報量が乏しくなる。ここで『ヴァーチャルワイド』を入れると一気に前方から両サイドにかけての空間密度が向上し、戦闘機の動きもスムースで滑らかなものとなった。
音楽BDでは『オートフェイズコントロールプラス』が効果的に働き、キックドラムとベースのアタック成分が分離良く感じられるようになり、低域のタイトさが増す。ボーカルやギターの旋律は輪郭を鮮やかにトレースし解像感高い空間を作り出してくれる。S/Nやキレの良さも際立ち、全体的にシャープな定位感を持つ。
最後にDLNAネットワーク環境でのサウンドを確認してみよう。クラシックでは鮮度の良いストレートな音色と奥行きの深い空間表現が印象的で、ジャズでも一つ一つの楽器をきめ細やかに描写し、アタックのキレの良い制動感高いサウンドが楽しめる。192kHz/24bit音源においては帯域バランスも整い、中域成分の厚みもしっかりとして音像の存在感もナチュラルに感じられる。音場の涼やかさ、解像感の高さも際立ち、リアルな空間性を実感。ボーカルや弦楽器の質感はウェットなハリに満ちており、低域の弾力良い描写に支えられ、すっきりと澄んだ繊細なタッチを感じることができた。
(レビュー:岩井 喬)
『ダイレクトエナジーHDアンプ』搭載のミドルクラスAVアンプ登場
上位LXシリーズと同じくDirect Power FETをパワー素子に用いた全ch同一クオリティのデジタルアンプ構成とした7.2ch対応AVアンプだ。『ダイレクトエナジーHDアンプ』を搭載したことから、“VSA”ではなく、デジタルアンプ方式を継承する“SC(スサノオ・コンセプト)”を冠したモデルナンバーを与えられたのだという。
音声信号の解像度を24bitまで拡張処理できる『Hi-bit24 Audio Processing』(最高48kHzまでの音源に対応)やAirPlay、DLNAネットワーク経由での192kHz/24bitファイル再生機能に加え、このSC-2022ではさらなる高音質&高機能を追求している。
LEFの遅延を修正して位相を揃え、キレのある低音と音像感が得られる“フェイズコントロールプラス”は誰でも手軽にその効果を実感できるよう自動化。ソフト由来のLEF遅延をリアルタイムで自動分析/調整する『オートフェイズコントロールプラス』として進化を果たした。
さらにフロントとサラウンドスピーカー間の横方向における広がりを補間し、繋がり良い音場空間を作り出せるサラウンドモード『ヴァーチャルワイド』機能も新たに追加搭載した。これまでの『ヴァーチャルサラウンドバック』や『ヴァーチャルハイト』を組み合わせ、5.2ch接続環境でも仮想11.2chとすることが可能で、これに加え、3Dコンテンツ再生に最適な奥行き方向への広がりを持たせる『ヴァーチャルデプス』も用意されている。
そしてiPhone/iPod touch/iPad対応のアプリケーションとの融合をいち早く実践してきた同社ならではの先進性が光る操作系アプリ“iControlAV”もリニューアル。直観性の高い操作感を持たせつつ、ユニークさも加えた新たな『iControl AV2012』では「Sound Explorer」という新機能を追加し、設定項目(及びその機能性解説ヘルプ)を集約させている。またこの項目アイコンが画面上から落ちてくる楽しげな表示モードもあり、遊び心溢れた仕様となっている。
高い空間描写力と鮮度の良いストレートな音色
視聴ではエラック240ラインで5.1chを構築。まずはBD『スカイ・クロラ』の大編隊空中戦シーンで飛び交う戦闘機を主体とした空間表現力を確認した。
“ダイレクトストリーム”では芯のある音像をドライかつスマートに描き、ナチュラルで色付けのない空間描写である。物体の移動はキレがあり、BGMの解像感も十分に保たれ、透明感のある奥行きを感じられる。続いて同じシーンをヴァーチャルスピーカー『ヴァーチャルハイト』『ヴァーチャルサラウンドバック』『ヴァーチャルデプス』の3パターンを活かして聴いてみると、左右が短辺側となるような奥行き軸の長い直方体の中でサウンドが響いているイメージとなる。滑走路を走る戦闘機の動きは良く表現できているが、空中のシーンでは横方向の情報量が乏しくなる。ここで『ヴァーチャルワイド』を入れると一気に前方から両サイドにかけての空間密度が向上し、戦闘機の動きもスムースで滑らかなものとなった。
音楽BDでは『オートフェイズコントロールプラス』が効果的に働き、キックドラムとベースのアタック成分が分離良く感じられるようになり、低域のタイトさが増す。ボーカルやギターの旋律は輪郭を鮮やかにトレースし解像感高い空間を作り出してくれる。S/Nやキレの良さも際立ち、全体的にシャープな定位感を持つ。
最後にDLNAネットワーク環境でのサウンドを確認してみよう。クラシックでは鮮度の良いストレートな音色と奥行きの深い空間表現が印象的で、ジャズでも一つ一つの楽器をきめ細やかに描写し、アタックのキレの良い制動感高いサウンドが楽しめる。192kHz/24bit音源においては帯域バランスも整い、中域成分の厚みもしっかりとして音像の存在感もナチュラルに感じられる。音場の涼やかさ、解像感の高さも際立ち、リアルな空間性を実感。ボーカルや弦楽器の質感はウェットなハリに満ちており、低域の弾力良い描写に支えられ、すっきりと澄んだ繊細なタッチを感じることができた。
(レビュー:岩井 喬)