4.8インチ有機ELの迫力画面
【レビュー】サムスン新スマホ“GALAXY S III”のクオリティ・使い勝手をチェック!
音質は「ソコソコ」だが、標準アプリの操作性には疑問
GALAXY S IIIの音楽再生は、プレーヤーアプリ「音楽」をウィジェットとしてホームメニューに一体化しているので、すぐに呼び出すことができる。ただし、この「音楽」アプリの操作性はひとクセあり、「アルバム」「アーティスト」といった一般的な選曲画面に辿り付くためには「戻る」ボタンではなく画面右下あたりにある「*」マークのボタンから進むしかなく、スキップ選曲がアルバム単位ではなかったりと、操作していて何かと迷うことが多かった。もっとも、これはあくまでも標準アプリの問題なので、操作性が気に入らなければ他のプレーヤーを導入すれば解決する。
音質は「Xperia SX」のレビュー(関連記事)と同じ、TDKのBAイヤホン「CLEF-BA」とSHUREのオーバーヘッドホン「SRH-940」で試聴したが、率直に言って”そこそこ”といったところ。音バランスの傾向として癖はないが、iPhone 4Sと比較しても音の解像力不足で、細部は再現しきれていない。女性ボーカル(YUI)の曲でもボーカルの声が音楽に埋もれてしまう傾向があったほか、Lady GAGAの楽曲でも今ひとつ迫力不足。きゃりーぱみゅぱみゅの曲では音の聞き分けでも一歩劣る。もっとも、明らかに音質が悪いという訳でもなく、あくまで“そこそこ”だと言っておきたい。一方で、背面に大きく取られたスピーカー音声はサイズ比で健闘しており、最大ボリューム(15)まで上げてもまともに音楽を聴けるのはiPhone 4Sにはないアドバンテージだ。
期待以上に使いやすい動画子窓表示の「Pop up play」
GALAXY S III SC-06Dの映像再生は「動画」アプリを利用でき、こちらもホームメニューに標準でウィジェットとして登録してある。1080pのMPEG-4、MPEG-2 TSの19Mbpsのファイルともにコマ落ちなく再生に成功。GALAXY S III SC-06Dのオリジナル機能「Pop up play」は再生画面右下にあるボタンを押すことで、子窓として動画を再生したまま他のアプリの操作を行える。
この「Pop up play」はとても便利で、まるでPCのウィンドウのように完全に他のアプリと独立して動作するため、起動中もホームメニューやブラウザ画面などを自由に操作できる。「Pop up play」ウィンドウは画面上でタッチすればどこでも動かすことができ、タップすれば動画の再生画面に戻るという完全なマルチタスク動作。動画の”ながら見”をしたいという人にとって、実用性の高いユニークな機能と言えるだろう。
Twonky Beamで地デジを録画したAVC番組の再生に成功
DLNAクライアントは標準の「メディアプレイヤー」なども搭載されているが、今回はGALAXY S III SC-06Dも対応機種となっているDTCP-IP対応のクライアントアプリ「Twonky Beam」をGoogle Playからインストールして検証を行った。
筆者宅にあったパナソニック、東芝、日立のDLNAサーバー搭載のBDレコーダー、録画テレビとの接続検証では、地デジを長時間録画のAVC(MPEG-4)で録画した番組の再生はすべて成功。TS(MPES-2)の録画番組は、再生はスタートするが映像が全く表示されない上に、音はブツ切れで再生された。多くの他社製DTCP-IP対応クライアントアプリと同様、AVC録画のみの対応と考えた方が良さそうだ。
以上、GALAXY S III SC-06Dの機能を一通り使ってみると、オールマイティなハイエンド端末というより、むしろ、ユニークな独自アプリを多数搭載した一長一短のある機種と考えた方が良さそうだ。もっとも、基本性能の高さゆえのサクサク感とハードウェア性能が一流なのは間違いなく、高性能なグローバルスタンダード機を購入したい人にオススメしたい。
(折原一也)