最新のタイムシフトマシン機能を使ってみた
進化した「タイムシフトマシン」でレグザの魅力が加速する ー 最新「Z7シリーズ」を速攻チェック
東芝の液晶テレビ“REGZA”のフラグシップモデルとして、進化した「タイムシフトマシン」録画機能を搭載した「Z7シリーズ」が発表された。今回は「タイムシフトマシン」の最新機能を中心に、折原一也氏が評価機による徹底チェックを行った。
タイムシフトマシンの使い心地をさらに高める「ざんまいプレイ」
薄型テレビに録画機能や「おまかせドンピシャ」による自動画質調整、超解像技術など革新を続けてきた東芝が、“REGZA”シリーズの正統派トップエンドモデルである「Z」を冠した新世代の「Z7シリーズ」を発表した。新モデルは日本のユーザー志向にマッチした、録画機能の”スマートTV”化を図った戦略的なモデルだ。「タイムシフトマシン」も、昨年発表した“レグザサーバー”に搭載された機能からさらに進化している。
REGZA Z7シリーズの全体像についてはニュース記事を参照して欲しい。今回筆者は発売前の新製品の評価機をハンドリングしながら、タイムシフトマシン録画の機能を中心にテストすることができた。タイムシフトマシンの機能を外付USB-HDDで実現し、そして「ざんまいプレイ」という、過去番組を快適に視聴するための新機能を提案してきた「Z7シリーズ」は、タイムシフトマシンの魅力をより顕在化させ、ユーザーと番組との出会いを促進してくれる挑戦的なテレビだった。
「タイムシフトマシン」は、ユーザー指定の6チャンネルを24時間連続してキャッシュ録画できる機能だが、新しいREGZA Z7の「タイムシフトマシン」は「ざんまいプレイ」によって実現される便利な録画番組の視聴機能がとにかく面白い。
リモコンの「ざんまいプレイ」ボタンを押してアクセス可能な専用のGUIには、トップに「ざんまいプレイ」を構成する各機能のアイコンがずらりと並ぶ。「ほかにもこんな番組」機能は、現在視聴している番組に関連するジャンルや出演者など、キーワードをEPG情報からピックアップして、ユーザーにリコメンドしてくれる機能だ。一例を挙げるなら、録画したあるニュース番組を視聴したあと、「ほかにもこんな番組」機能を呼び出して、他のニュース番組を手軽にチェックすることもできる。ドラマでは、例えばNHKの朝の連族ドラマ「梅ちゃん先生」ならば、過去の放送回をピックアップしてリストに並べてくれるので、数日前の放送回を逃さずチェックできる。
「ほかにもこんな番組」機能は、思わずテレビを見ることにのめり込んでしまうほど面白い。視聴した番組を起点に、リストに表示される関連番組を確認しながら、Web動画のブラウジングを楽しむ感覚で、関心を持ったテレビ番組を次から次へと視聴してしまう。思いがけない番組との出会いが自然に得られる魅力的な機能だ。
「ざんまいプレイ」には他にも、「いつもの番組」「みんなのおすすめ番組」「急上昇ワード」や、ジャンル/キーワードによる便利な検索機能がある。「タイムシフトマシン」で録画した過去番組の中には、非常に多くの魅力的なコンテンツや情報が隠れているということを改めて思い知らされた次第だ。
従来のレコーダーは、録画したコンテンツが貯まれば貯まるほど、後から意中の番組やシーンを探し出す手間が大きくなりがちだった。そのため、テレビ録画は自ら目的意識を高く持ってレコーダーの機能を使いこなせる人でなければ、楽しめなくなりつつあった。これが「ざんまいプレイ」という便利な視聴再生機能が登場したことによって、魅力的なテレビ番組を、テレビがユーザーに提案するというスタイルが現実のものになった。これはREGZAの「タイムシフトマシン」機能とセットになることで真価を発揮する。東芝はレコーダー製品で、ユーザーに魅力的な番組との出会いを提供するために「自動録画」の機能も洗練させてきたが、テレビから発展してきた「タイムシフトマシン」のコンセプトと融合したことで、テレビ視聴のライフスタイルにまた革新が訪れたと筆者は実感している。
クラウドサービス「TimeOn」との融合でREGZAの魅力が加速する
筆者が新しいREGZA Z7に期待している機能は「ざんまいプレイ」だけではない。もうひとつのハイライトである、「みどころシーン再生」をはじめとしたクラウドサービス「TimeOn」に関連する機能こそ、「タイムシフトマシン」の真価をさらに高めるものであると確信している。今回のテスト段階では「TimeOn」のサービスが始動していなかったため、ハンドリングによる機能チェックを行うことはできなかったが、製品発表の内容から見えてくる、クラウド連携サービスの魅力についてここで考察を加えておきたいと思う。
「みどころシーン再生」は、クラウドサービス「TimeOn」のサーバーから、録画したテレビ番組のシーン情報をダウンロードして活用できる機能だ。EPGの番組情報だけでは取得できないバラエティ番組の「コーナータイトル」や「CM」といった、放送内容をより細分化した“シーン一覧”をみながら、録画された番組内の気になるシーンを手軽に見つけて視聴することができる。
「タイムシフトマシン」と「TimeOn」のクラウド情報のサービスが融合すれば、キャッシュ録画した過去数日間の全番組を対象に、「みどころシーン」が検索できるので、これまでは出会うことのなかった放送番組のコンテンツを逃さずチェックできる機会が飛躍的に多くなるはずだ。
キーワードによるシーン検索にももちろん対応している。例えば、「AKB48」とキーワードを設定すると、「AKB48」がメインで出演する番組だけではなく、音楽番組、バラエティ、情報ニュース等番組への短い出演であっても、出演番組がわかるだけでなく、目当ての「AKB48」が登場しているシーンへダイレクトにアクセスして視聴が楽しめる。
スポーツ番組なら「ダルビッシュ」「香川真司」など注目選手の名前をキーワードに設定すれば、試合の中継だけでなく、活躍を伝えるニュースの1コーナーも含めてすべてを探し出せる。ネット上で話題になっているキーワードも「検索急上昇ワード powered by Yahoo!検索」の機能により、これもまたシーン単位で探し出せる。
ほかにも「今週の瞬間最高視聴シーンTOP30」や、フレンド登録したユーザーとおすすめシーンを共有できる「フレンドからのおすすめ」、視聴中に気になるシーンをブックマークしておき、後でそのシーンを一覧できる「気になる!チェック」などの機能も利用できる。これまで「番組(=プログラム)」単位でチェックしてきたテレビのコンテンツを、これからは「シーン」単位でチェックするように、私たちのテレビの見方そのものが変わるだろうと筆者は感じている。
昨今、録画機がシーン情報と連動したサービスを搭載するようになってきたが、筆者は“未知のシーン”を探したいのに、予約録画などユーザーが意識して録画した番組でしか活用できないのでは魅力が半減してしまうと思っていた。タイムシフトマシンをはじめとした“全録”機能との融合こそ、シーン情報が最も活かされる理想のパターンだ。この機能を初めてひとつの製品で実現した東芝「REGZA Z7シリーズ」は、日本のユーザーが求めてきた機能と使い心地を叶える“スマートTV”として、AV機器の歴史にその名を刻む製品になるだろう。
(折原一也)
タイムシフトマシンの使い心地をさらに高める「ざんまいプレイ」
薄型テレビに録画機能や「おまかせドンピシャ」による自動画質調整、超解像技術など革新を続けてきた東芝が、“REGZA”シリーズの正統派トップエンドモデルである「Z」を冠した新世代の「Z7シリーズ」を発表した。新モデルは日本のユーザー志向にマッチした、録画機能の”スマートTV”化を図った戦略的なモデルだ。「タイムシフトマシン」も、昨年発表した“レグザサーバー”に搭載された機能からさらに進化している。
REGZA Z7シリーズの全体像についてはニュース記事を参照して欲しい。今回筆者は発売前の新製品の評価機をハンドリングしながら、タイムシフトマシン録画の機能を中心にテストすることができた。タイムシフトマシンの機能を外付USB-HDDで実現し、そして「ざんまいプレイ」という、過去番組を快適に視聴するための新機能を提案してきた「Z7シリーズ」は、タイムシフトマシンの魅力をより顕在化させ、ユーザーと番組との出会いを促進してくれる挑戦的なテレビだった。
「タイムシフトマシン」は、ユーザー指定の6チャンネルを24時間連続してキャッシュ録画できる機能だが、新しいREGZA Z7の「タイムシフトマシン」は「ざんまいプレイ」によって実現される便利な録画番組の視聴機能がとにかく面白い。
リモコンの「ざんまいプレイ」ボタンを押してアクセス可能な専用のGUIには、トップに「ざんまいプレイ」を構成する各機能のアイコンがずらりと並ぶ。「ほかにもこんな番組」機能は、現在視聴している番組に関連するジャンルや出演者など、キーワードをEPG情報からピックアップして、ユーザーにリコメンドしてくれる機能だ。一例を挙げるなら、録画したあるニュース番組を視聴したあと、「ほかにもこんな番組」機能を呼び出して、他のニュース番組を手軽にチェックすることもできる。ドラマでは、例えばNHKの朝の連族ドラマ「梅ちゃん先生」ならば、過去の放送回をピックアップしてリストに並べてくれるので、数日前の放送回を逃さずチェックできる。
「ほかにもこんな番組」機能は、思わずテレビを見ることにのめり込んでしまうほど面白い。視聴した番組を起点に、リストに表示される関連番組を確認しながら、Web動画のブラウジングを楽しむ感覚で、関心を持ったテレビ番組を次から次へと視聴してしまう。思いがけない番組との出会いが自然に得られる魅力的な機能だ。
「ざんまいプレイ」には他にも、「いつもの番組」「みんなのおすすめ番組」「急上昇ワード」や、ジャンル/キーワードによる便利な検索機能がある。「タイムシフトマシン」で録画した過去番組の中には、非常に多くの魅力的なコンテンツや情報が隠れているということを改めて思い知らされた次第だ。
従来のレコーダーは、録画したコンテンツが貯まれば貯まるほど、後から意中の番組やシーンを探し出す手間が大きくなりがちだった。そのため、テレビ録画は自ら目的意識を高く持ってレコーダーの機能を使いこなせる人でなければ、楽しめなくなりつつあった。これが「ざんまいプレイ」という便利な視聴再生機能が登場したことによって、魅力的なテレビ番組を、テレビがユーザーに提案するというスタイルが現実のものになった。これはREGZAの「タイムシフトマシン」機能とセットになることで真価を発揮する。東芝はレコーダー製品で、ユーザーに魅力的な番組との出会いを提供するために「自動録画」の機能も洗練させてきたが、テレビから発展してきた「タイムシフトマシン」のコンセプトと融合したことで、テレビ視聴のライフスタイルにまた革新が訪れたと筆者は実感している。
クラウドサービス「TimeOn」との融合でREGZAの魅力が加速する
筆者が新しいREGZA Z7に期待している機能は「ざんまいプレイ」だけではない。もうひとつのハイライトである、「みどころシーン再生」をはじめとしたクラウドサービス「TimeOn」に関連する機能こそ、「タイムシフトマシン」の真価をさらに高めるものであると確信している。今回のテスト段階では「TimeOn」のサービスが始動していなかったため、ハンドリングによる機能チェックを行うことはできなかったが、製品発表の内容から見えてくる、クラウド連携サービスの魅力についてここで考察を加えておきたいと思う。
「みどころシーン再生」は、クラウドサービス「TimeOn」のサーバーから、録画したテレビ番組のシーン情報をダウンロードして活用できる機能だ。EPGの番組情報だけでは取得できないバラエティ番組の「コーナータイトル」や「CM」といった、放送内容をより細分化した“シーン一覧”をみながら、録画された番組内の気になるシーンを手軽に見つけて視聴することができる。
「タイムシフトマシン」と「TimeOn」のクラウド情報のサービスが融合すれば、キャッシュ録画した過去数日間の全番組を対象に、「みどころシーン」が検索できるので、これまでは出会うことのなかった放送番組のコンテンツを逃さずチェックできる機会が飛躍的に多くなるはずだ。
キーワードによるシーン検索にももちろん対応している。例えば、「AKB48」とキーワードを設定すると、「AKB48」がメインで出演する番組だけではなく、音楽番組、バラエティ、情報ニュース等番組への短い出演であっても、出演番組がわかるだけでなく、目当ての「AKB48」が登場しているシーンへダイレクトにアクセスして視聴が楽しめる。
スポーツ番組なら「ダルビッシュ」「香川真司」など注目選手の名前をキーワードに設定すれば、試合の中継だけでなく、活躍を伝えるニュースの1コーナーも含めてすべてを探し出せる。ネット上で話題になっているキーワードも「検索急上昇ワード powered by Yahoo!検索」の機能により、これもまたシーン単位で探し出せる。
ほかにも「今週の瞬間最高視聴シーンTOP30」や、フレンド登録したユーザーとおすすめシーンを共有できる「フレンドからのおすすめ」、視聴中に気になるシーンをブックマークしておき、後でそのシーンを一覧できる「気になる!チェック」などの機能も利用できる。これまで「番組(=プログラム)」単位でチェックしてきたテレビのコンテンツを、これからは「シーン」単位でチェックするように、私たちのテレビの見方そのものが変わるだろうと筆者は感じている。
昨今、録画機がシーン情報と連動したサービスを搭載するようになってきたが、筆者は“未知のシーン”を探したいのに、予約録画などユーザーが意識して録画した番組でしか活用できないのでは魅力が半減してしまうと思っていた。タイムシフトマシンをはじめとした“全録”機能との融合こそ、シーン情報が最も活かされる理想のパターンだ。この機能を初めてひとつの製品で実現した東芝「REGZA Z7シリーズ」は、日本のユーザーが求めてきた機能と使い心地を叶える“スマートTV”として、AV機器の歴史にその名を刻む製品になるだろう。
(折原一也)