[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第54回】穴がない! 新感覚イヤーチップ「サイレントピース」を使ってみた
■サイレントピースには、2つの音質対策がある
このサイレントピースには、音質に対する2つの対策が用意されている。
1つはスマホ向け高音質再生アプリ「UBiO」とのコラボレーションで用意されている「SILENT MODE」機能だ。こちらはソフトウェアでのデジタル処理で、後述のマジックコネクタと同じく、帯域バランスを補正するものだろう。
もう1つは、上述のアプリ「UBiO」が使えないときのために用意されたオプション、音質補正コネクター「マジックコネクタ」だ。こちらは別売で価格は210円。プレーヤーとイヤホンの間に挟んで利用するこれは高音域増幅ケーブルとされている。その小ささから想像するにおそらくは単純なハイパスローカットの電子回路で、高音をそのまま通し低音を減衰させることでバランスを適正化させるものではないかと思う。
…何かまあすごそうではある。しかし実際試してみないことには何とも言えない。なのでまずは遮音性を実際試してきた。場所は地下鉄新宿線だ。
■地下鉄新宿線で実践! 穴があいていないイヤーチップの実力検証
単独で試しても効果のほどがわかりにくいかもしれないので比較テストにしてみた。今回は僕の手元にあったイヤホンからこのサイレントピースに適合するノズルサイズなものを選んだので、必然的に他のイヤーチップもそれ用のものになった。
なおサイレントピースが対応するイヤホン(の取り付けノズルの太さ)については「多くのカナル型イヤホンに装着可能です。SHURE・クリプシュ製品など軸が極端に細い場合は装着できない場合があります」となっている。
実際、SHURE製品に付けようとしてもガバガバすぎて全く固定できなかった。そういう場合に活躍するMonster製イヤーチップ付属のサイズ変換アダプターも入手して試してみたが、それでもなおガバガバでどうにもならない。
というわけで、今回のテスト参加アイテムは以下の通り。
【イヤホン】Sony「MDR-XBA-1」
【イヤーチップA】上記付属のノイズアイソレーションイヤーチップ
【イヤーチップB】上記対応のコンプライ「T-200」
【イヤーチップC】今回の本題のサイレントピース
ソニー純正のノイズアイソレーションイヤーチップは、シリコンピースのかさの内側にウレタンフォームを仕込んでフィット=遮音性を高めた製品。コンプライは各社対応の低反発ポリウレタン製高性能フォームタイプイヤーチップを幅広く提供するサードパーティの製品だ。
さて、いよいよ地下鉄発車である。果たして試聴結果は…??