【特別企画】VGP受賞製品を折原一也がレビュー
JBLの“光る”Bluetoothスピーカー「Pulse」はサウンドも“ピカイチ”
■オーディオの名門JBLの名にふさわしいサウンド・クオリティ
さて、Pulseの購入を検討する方にとっては、LEDライト・イルミネーションの見た目だけでなく、スピーカーとしての実力、つまり音質も当然気になるところだろう。
iPhoneとBluetoothで接続して音楽を聴いてみると、本機のクオリティはJBLという名門ブランドの名前にふさわしい、よくチューニングされた音質であることを確認できた。
筆者が普段から聴いているDaft Punk「Random Access Memories」を聴くと、低音までリズミカルに再生できるパワフルな特性を持つ。ブースト気味の重低音タイプではなく、情報量を持つ中域にも振っているのは、音楽的にはむしろ好印象だ。
また、サウンドで特に感心したのは、縦置き・横置きが可能で360度志向のサウンドであるにもかかわらず、ボーカルにも厚みを持たせていること。宇多田ヒカルのアルバム「First Love」でも声にしっかりと実体を持たせつつも、ピアノの丁寧な響きとバンド演奏にも奥行きを与える。スキマスイッチの「POPMAN’S WORLD〜All Time Best 2003-2013〜」の楽曲でも、アコースティックギターの歯切れ良いサウンドで心地良く、音質チューニングは想像以上に真面目だ。
ボディ全面をLEDライトのイルミネーションで彩るJBL「Pulse」は、やはり興味の入り口は外見であることは誰しも同じだ。オーディオ製品を扱う立場として”外見だけ”ではとても評価はできないのだが、JBL「Pulse」には音質面でも太鼓判を押せるほどしっかりと作り込まれている。
VGP 2014 SUMMERで「ライフスタイル分科会 コンセプト賞」と「金賞」のダブル受賞という評価を得た本機。Bluetoothスピーカーに光の演出を取り入れたというコンセプトのユニークさと同時に、確かな音質を実現するという、JBLらしい真摯な開発姿勢が評価されたことが、その高い評価の理由なのだ。
(折原一也)