【特別企画】兄弟機「W1070+」との違いは?
「省スペースで大画面」を手軽に実現 − 超短焦点プロジェクター BenQ「W1080ST+」実力検証
そして、今回の新モデルで注目すべき新機能が、横方向の台形補正機能だ。スペックとして「プラスマイナス20度」と記されていて、同時期に発売される「W1070+」の「プラスマイナス30度」に比べると、少し範囲が狭いが、違いを体感すべく、実際に設置して確認してみた。
端的には、丁度スクリーンの端くらいから投写できるイメージ。確認に使用した視聴室は、スクリーンの端と壁が近かったこともあるが、十分に効果的な性能と感じた。
何より、プロジェクターを視聴位置の正面に据える必然性が無くなり、横から投写できるようになったのは有りがたい。この価格帯のDLPプロジェクターで横方向の台形補正機能が加わったのは画期的でしかも超短焦点。投写距離に応じて、「W1070+」か超短焦点の本機「W1080ST+」のどちらかが選べば良く、もう、DLPプロジェクターを買わない理由は無くなった。
■使いやすそうな「かんたんメニュー」とバックリット型リモコン
UIや操作性は原則、「W1070+」と同じである。画面にメニューを表示するOSD(オン・スクリーン・ディスプレイ)が一新され、工場出荷状態では「かんたんメニュー」が表示される。「かんたんメニュー」は、主要な機能をアイコン風に画面前面に表示するスタイルで、「使いやすそう」に感じるのが美点。
また、設定変更で従来モデルと同じテイストの詳細表示に切り替えることもでき、長年のBenQユーザーや、詳細な調整を頻繁に行うユーザーに配慮しているのも嬉しい。
リモコンはボタンが光るバックリットタイプで、暗室でも別途ライトを灯すことなく操作ができる。表記も英語から日本語にしてくれるとパーフェクトだが、このあたりもコストダウンに効いていると思われるので、ポジティブに捉えたい。ボタンのクリック感は良好で、本体の反応も素早く、サクサク操作できて気持ち良い。
こうしさ細部の作り込みの良さは、流石、世界で支持される大手メーカーならではのクオリティーである。個人的にはバックリットの色が派手な赤色でなく、穏やかなアンバー系だと良いと思う。
■画質チェック − 「超広角レンズでも隅々までナチュラルな投写映像」
ここまで何度か述べているように、本機最大の特徴は何と言っても超短焦点だということ。その点が同時発売された兄弟機「1070+」との大きな違いでもある。そしてそれは、言い換えると超ワイドな投写である。デジカメなどで超広角レンズを用いると画像に歪みを生じるが、本機の投写映像は隅々までナチュラル。四隅に像の歪みやケラレのような輝度落ちも感じられない。「W1070+」と横並びで比較しても、気が付くユーザーは少ないだろう。