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【特別企画】e-onkyo music自動DLやCDレコ連携も検証

圧倒的な完成度と高コスパ。アイ・オーのオーディオ用NAS「RockDisk for Audio」を使い倒す

公開日 2015/06/30 11:07 土方久明
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アイ・オー・データのオーディオ向けNAS「RockDisk for Audio」(直販サイト)は、コンパクトかつ価格もリーズナブル。しかし一方で、Twonky Server搭載によるDSD再生や高い互換性を実現し、e-onkyo musicからのハイレゾ自動ダウンロードにも対応するなど、野心的なモデルに仕上がっている。本機の実力、そして使いこなしを土方久明が徹底レポートする。

手前が「RockDisk for Audio」。ネットワークプレーヤーと並べるとそのコンパクトさは際立つが、スペック面やオーディオ機能は特筆すべきものを持っている

アイ・オー・データから、オーディオ用NASの新製品「RockDisk for Audio」が登場した。最初からいきなり書いてしまうが、本機は圧倒的な完成度と素晴らしいコストパフォーマンスを持つオーディオ用NASだ。特にエントリーラインのネットワークプレイヤーを購入するユーザーやNASの買い替えを検討しているユーザーにとっては、新定番となる製品になるだろう。なぜそこまで言い切れるのか? それはずばり、以下の理由からだ。

・HDD/SSDの取り付けや初期設定がほぼ不要で、すぐに使える
・メディアサーバーにTwonky Serverを採用。DSDにも対応
・パソコンを使わないでe-onkyo musicから購入したハイレゾを自動ダウンロードできる
・「CDレコ」と組み合わせればPCレスでのリッピングができる


そして驚くべきは、この数々の機能を実売2万円弱(1TB HDDモデル)で実現してしまったこと。DSD対応モデルのNASとしても現時点で最もリーズナブルな価格だ。

今回は発売前のレビューということで、このRockDisk for Audioをファイル・ウェブ試聴室で実際に使用してみて、接続や設定などの手順を解説していく。加えて、本機が備えるハイレゾ自動ダウンロード機能やCDリッピング機能も試してみることにする。なお今回はRockDisk for Audioを使って初めてネットオーディオにチャレンジする読者の方も想定して、各種設定や使い方の手順まで詳細にレポートした。初級者向けの設定解説は読み飛ばしたいという方は、以下のインデックスから各項目のページをリンクを貼っているので参照してほしい。

<INDEX>
RockDisk for Audioのスペック
Twonky Serverを搭載したことによるメリット
音質を確認
【使い方1】管理ソフト「Magical Finder」をインストールする
【使い方2】パソコンとRockDisk for Audioを接続する
【使い方3】e-onkyo musicの自動ダウンロード機能を試す
【使い方4】CDレコを利用したPCレスでのリッピングを試す
まとめ

オーディオ用NASとしての最新スペックをそろえた
RockDisk for Audio


「RockDisk for Audio」(本製品の公式ページ)は、音質とコストパフォーマンスに優れた人気モデル「RockDiskNext」の実質的な後継機と言える。HDDまたはSSDを搭載する合計3種類のモデルが用意されている。

■HDDモデル
・「HLS-C2.0HF(2TB)」¥OPEN(予想実売価格28,864円前後)
・「HLS-C1.0HF(1TB)」¥OPEN(予想実売価格22,384円前後)
■SSDモデル
・「HLS-C500SHF(500GB)」¥OPEN(予想実売価格49,800円前後)

「RockDisk for Audio」(写真はHLS-C2.0HF)

ボディはABS樹脂製。2.5インチドライブを採用しており、筐体はコンパクトだ。三角形デザインを採用しているが、これは筐体の鳴きの特性を考慮したものと伺える。三点支持とすることで設置時の安定性も確保している。内部基板にはヒートシンクを備え、静音性にも配慮したファンレス設計を採用。動作音も小さく、SSDモデルはほぼ無音になるとアナウンスされている。

上からみたところ。天板がやや凹んだ構造となっている

手に持ってみると、改めてそのコンパクトさが実感できる

消費電力はわずか平均8Wに抑えられている。ネットワークオーディオを使っているユーザーはNASを常時稼働させている場合が多いが、本機の少ない消費電力は嬉しいところであろう。また、ネットワークプレイヤーの快適な操作性に影響のするメディアサーバーには、定評のある「Twonky Server」を採用。多彩なナビゲーションツリーと幅広いファイル形式(WAV/MP3/WMA/M4A/M4B/OGG/FLAC/AAC/MP2/AC3/MPA/AIF/AIFF/ASF/DFF/DSF)に対応した。RockDisk for Audioのスペックは強力だ。

背面端子部。LAN端子、電源端子、電源スイッチとシンプルな構成

Twonky Serverを搭載したことによるメリット

RockDisk for Audioの進化した点に、メディアサーバー「Twonky Server」を搭載したことがある。このメリットはいくつかあるが、事実上、オーディオで標準的に利用されているサーバーソフトのため様々なオーディオ機器(特にネットワークプレーヤー)との互換性や安定性が期待できることだ。また「ナビゲーションツリー」と呼ばれるアルバムや楽曲のソート機能が、前モデルであるRockDiskNextのメディアサーバーと比べても大幅に強力になった点も挙げられる。NAS内に保存されるアルバム数が増えていくほどに、ナビゲーションツリーの表示項目や性能が操作性に影響してくるので、この部分は重要だ。

本機独自の機能として、フォルダから楽曲を表示する場合に、トラックナンバーを優先して表示できることが挙げられる(ただし楽曲ファイルのタグにトラックナンバーが記述されている場合に限る)。下の<画像1>はRockDisk for Audioのフォルダ内を参照した画面、<画像2>は別のTwonky Serverを搭載したNASでフォルダ内を参照した画面だ。RockDisk for Audioでは、ちゃんとアルバムの曲順通りに曲が並んでいる。ちなみに現在この機能を持つNASは本機だけと言える。

<画像1>RockDisk For Audioをコントロールソフトから見たところ

<画像2>他のTwonky Server搭載NASをコントロールソフトから見たところ

ネットワークプレーヤーを組み合わせて音質を確認

それでは、気になるRockDisk for Audioの音質を確認してみよう。まずはJ-POPのハイレゾ音源から、浜崎あゆみ『Zutto... / Last minute / Walk』(FLAC 44.1KHz/24Bit)を試聴する。小室哲哉、多胡邦夫、湯汲哲也が各一曲ずつ作曲を行ったミニアルバム的な楽曲だがウェルバランスな音調を基本としながらも、高域に多少アクセントをもたせた音調だ。バスドラムも弾力感があり、RockDisk for AudioとJ-Popやアニソンとの音質的な相性は良さそうだ。

RockDisk for Audioとマランツ「NA6005」を組み合わせて試聴を行った

次にクラシック『ベルリオーズ:幻想交響曲』(FLAC 96KHz/24Bit)を聴く。ロサンジェルス・フィルハーモニックをグスターボ・ドゥダメルが操るこの音源は、近年発売されたD.G.グラモフォンのアルバムの中でも、特に優秀なワイドレンジとダイナミックレンジ、そして優秀ステレオイメージを持ち合わせており人気のアルバムだ。しかもSACDやCDなどのディスクメディアでの発売予定はなく、ハイレゾ時代を象徴するような音源。RockDisk for Audioは、このようなダイナミックな楽曲の表現もしっかりとできていた。その他にも色々なジャンルの音源を聴いてみたのだが、本機の音質は価格を考えてもかなり優秀な印象だ。また、使っていて気がついたのだが、本機は起動と終了の時間も他のNASよりも短い。NAS内に入っている楽曲の数が少ないとはいえ、起動時にかかる時間は30秒弱、シャットダウンは17秒前後であったことも合わせて記載しておきたい。

マランツの専用アプリ「Hi-Fi Remote」でRockDisk for Audio内の音源を表示したところ。各種タグ情報やアートワークが正確に表示されていることがわかる

RockDisk For Audioは、設定不要で手軽にネットワークオーディオを楽しめることができる。これからネットワークオーディオを始める方には特にぜひ使っていただきたいモデルだ。だからこそ、今回の記事ではちょっとした設定方法についてもしっかりとレポートしたいと考えた。次のページでは、本機の設定を行うアプリ「Magical Finder」の使い方などを紹介していこう。

次ページ手軽にNASの設定変更ができるアプリ「Magical Finder」

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