新しい音、新しい再生スタイル
「音」も「機能」も“新しいボーズ”。新Wi-Fi/Bluetoothスピーカー「SoundTouch 10」を聴く
■小ぶりな筐体から響く“豊かな”低音
ボーズのワイヤレススピーカーといえば、近年のヒット作「SoundLink Mini Bluetooth speaker」のような低域を強調した音を連想してしまうが、SoundTouch 10のキャラクターは明らかに異なる。どの音量で聴いても低域の存在を感じる音作りを指向しているようで、いわゆるドンシャリではない。
再生をはじめると、小ぶりな筐体から響く豊かな低域に驚く。音量を絞っても音が痩せてしまうことはなく、全帯域を過不足なく聴かせてくれる。仕様は未公表のため推測でしかないが、ボーズが得意とするDSPを利用した補正処理が効いているのだろう。予想どおりステレオ感は特にないものの、低域がしっかりしていることによる音の存在感は心地よく、長時間再生を続けても聴き疲れない。卓上で、ベッドサイドで楽しむスピーカーとしては、ほどよいバランスだ。
音楽との付き合いかたは、自由なほうがいい。聴きたいときに聴きたい音楽を気軽に聴ける、それが自然な形で実現されていることが、SoundTouch 10というワイヤレススピーカーの真骨頂なのだ。
(海上 忍)