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第1世代機の登場から振り返る

第3世代に進化したボーズ「SoundTouch 30 III」レビュー。最新モデルの実力とは?

公開日 2015/11/16 16:04 大橋 伸太郎
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■SoundTouchの進化を見てきた筆者が最新機の音質をチェック

注目の音質は、ボーズの名に恥じず、逞しく力強い。これはWi-Fi再生/Bluetooth再生に共通の特徴だ。そして特筆すべきは、音場の水平方向への豊かな広がりだ。

このジャンルの他の製品、ことに日本製に比べた場合、SoundTouchの音圧はケタ違いなので、背後のエアボリュームを豊かに取り、やや高めにセットして鳴らすと、遥かに大きなシステムで聴いている錯覚にとらわれる。

音楽配信時代に、広々したリビングでも音楽再生の主役を任せられる一体型ミュージックシステム。それがSoundTouchのコンセプトと筆者は理解しているが、このSoundTouch 30 IIIは、Wi-Fiだけではなく圧縮率の高いBluetooth再生でも、堂々とした音楽を聴かせてくれる。家庭用のワンピースオーディオシステムとして、SoundTouch 30 wireless music systemは機能/音質両面とも、第3世代になって魅力を高めたといって良いだろう。

使用イメージ

ただボーズの流儀として、本機のデジタル部の情報、例えば搭載DACのスペックなどは非公開だ。また、ALAC以外のハイレゾ音楽ファイル(FLAC/WAV/DSD)の再生には対応しない。これは、原音再生と解像度についてボーズ独自の基準とポリシーがあり、ハイレゾを採用しなくても忠実で高品位な音楽再生ができるという自信の裏返しだろう。

また、本機には取説というほどのものが付属しない。ツイスターゲーム並の巨大な判型のセットアップガイドが付属するホームシアターシステムのように、「ボーズイコールかんたん、ユーザーフレンドリー」な姿を本製品に対しても望みたいがどうだろう。

もちろんこうしたリクエストも、自信を持って送り出した製品を根気よく高めていくボーズだからこそ生まれるのだ。その背景に、SoundTouch 30 IIIのワンアンドオンリーな製品の魅力があることは言うまでもない。

(大橋 伸太郎)

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