[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域
【第145回】小型モデル好きにお薦めのハイレゾDAP!コウォン「PLENUE D」レビュー
■外観やボタン配置、そしてバッテリーライフ
ではサイズ感や外観、ボタン配置等から見ていこう。まずサイズ感を他のプレーヤーとの比較で…
PLENUE DとAK100MKIIはほぼ同じサイズ、いやむしろPLENUE Dの方が少し小さいのだが、でありながらバッテリー駆動時間はFLACの96kHz/24bitという同条件で、
●AK100MKII|約15時間
●PRENUE D|51時間
と、PRENUE Dが大きくリードすることは注目に値するポイントだ。
駆動時間を延ばすには主には
・バッテリー容量を増やす
・消費電力を減らす
のどちらかだが、筐体がほぼ同サイズであるなら他の回路をよほど極端に小型小規模化しない限りは、バッテリー容量を極端に増やすことはできない。
では消費電力を減らすにはとなると、半導体技術の世代が進んでのチップの省電力化等を考慮しても、同じような構成や方式で15時間と51時間というほど絶対的な差が出ることは想像しにくい。また特にAK100MKIIとは画面の大きさや解像度も似たようなものなので、そこでの差もあまりないだろう。
参考までに、PLENUE Dに対抗できるバッテリーライフな薄型小型機としてはSony「NW-A10」(同条件で40時間)があるが、そちらはフルデジタルアンプ「S-Master HX」を採用。そのアンプの省電力性はバッテリーライフに大きく貢献していると思われる。いぜれにせよこのバッテリー駆動時間は、他の多くのプレーヤーに対してPLENUE Dの大きなアドバンテージだ。
造形や仕上げは、見事とか綺麗とかいうほどではないが、しかし安っぽくはない。この価格帯の製品への期待値は軽くクリアしてくれている。
■ソフトウェアインターフェース
操作インターフェースは右側面の再生基本ボタンと正面のタッチパネルディスプレイ。正面のほぼ全体がディスプレイなので小型の割には大きめの画面だ。解像度(ピクセル数)は控えめだが、それこそ価格や消費電力との兼ね合いもあるだろう。
インターフェースの構成としては…普通。「アーティスト」「アルバム」「フォルダ」などをブラウズして曲を選んで再生する、タッチパネル式で普通のインターフェースの文脈がだいたいそのまま通用するので、特に迷うことはないだろう。プレイリスト(フェイバリット)編集の自由度は低い気もするが、プレイリスト機能が本当に使いやすいポータブルプレーヤーなんて他にも滅多にない。
タッチ操作への反応は鈍くはないが、タッチするポイントには少しシビアなようには感じた。とはいえ過敏というほどではないので、使い慣れればこちら(ユーザー側)が慣れてくるだろう。なおこの取材後にアップデートが発表され、『ユーザーインターフェースの反応速度を改善したのが主な改善点』とのことだ(関連ニュース)。