【特別企画】ファイル・ウェブ読者が自宅で製品をレポート
BenQの新プロジェクター「HT3050」を読者が体験!使って分かった“生の声” 第1回:神奈川/A-T-Gさん
「プロジェクターの醍醐味を身を持って体験」
神奈川県 A-T-Gさん
モニター企画に応募し、見事に当選をしたのですが、映像に関して素人の筆者が投影された映像の細部やスペックに準ずる特徴を語ってもあまり説得力が無いだろう…という事で、このHT3050プロジェクターを使って、自身の環境下でどういう楽しみ方が出来たのかというところを中心に書き連ねたいと思います。
まずは筆者の簡単なプロフィールと、今回のモニター企画への応募動機を。
IT企業に勤めるしがない40代サラリーマンで、昨年意を決して新築建売戸建を購入。「家を買うならホームシアターを!防音地下室100インチ電動スクリーン9.1chオーディオだ!」と30代から抱いていた夢も、お財布事情が何一つそれを許さず、ことAV関連に限定すると何の創意工夫もない一般的な建売住宅を購入する事に。
プロジェクター自体は昨年引っ越す以前から物色をしていて、昔住んでいた3LDKのマンションの間取りの関係から短焦点プロジェクターを中心に狙いを定めるも、なかなか購入に踏み切ることが出来ませんでした。
そうこうしている間に住環境が変わり、特に短焦点プロジェクターにこだわる必要が無くなったこともあり、引っ越しに伴う出費が落ち着いたらプロジェクター資金を貯金しようとしていたタイミングでPhile-webのモニター企画に遭遇し、熱意をふんだんに書き連ねた結果(かどうかは分かりませんが…)、晴れて当選と相成りました。
■HT3050を投影する環境
専用のシアタールーム構築は既に諦めてしまっているので、そうであればという事から重視したのが「モビリティ」。色んな部屋やロケーションでHT3050を使って大画面で見られるようにしようと決意。
家の間取りは必要のないところは端折っていますが、上記の通り。左側が1F、右側が2Fという状況。水色の部分は窓。赤はスクリーンを設置できる場所。
第一候補であるリビングは、家の間取りが古い設計なのか、薄型テレビを壁にベタ付けするには少し不向きな造りになっており、所有している42インチ液晶テレビは角度をつけてリビングの角に配置しています。窓や家具の配置を考えると、ほぼ唯一と言って良い置き場所です。
このテレビ&テレビ台の配置の関係で、スクリーンを垂らすことが難しいので、リビングは一旦候補から外すことに。
結果、HT3050が使えそうな部屋は合計4部屋。
1F-1 (6畳)
2F-1 (6畳)
2F-2 (6畳)
2F-3 (7畳)
2F-2はスクリーンを設置することが難しいので、壁面への投影をすることに。それ以外はスクリーンを使った投影を計画しました。一般的な6畳の作りの部屋であれば、いずれかの壁を使えば100インチスクリーンが設置出来そうです。
■スクリーンはオーエスプラスeのSMH-100HN
スクリーンは色々と迷った結果、オーエスプラスeの掛軸式スクリーン、SHM-100HNに決定しました。いくつかある選定理由は以下のとおりです。
- 100インチ以上(ただし横の長さは250cm以下)
- 価格(実売5万円以下)←これでかなり絞られる
- 複数の部屋やロケーションで使用するため掛軸式か床置式
- 使用しない時の収納性の高さ
引っ越しに伴いいろんな出費がリアルタイムで嵩んでいるので、リーズナブルなスクリーンにせざるを得ない状況で予算は5万円以内に設定。
設営方式は掛軸式よりは設置が手軽な床置式も候補に入れつつも、持ち運びの容易さ(床置式は土台が大きく、重くなってしまう)、使用しない時の収納性を比べて掛軸式にすることに。
最終的に幾つか候補を絞った中で、ネットでの評価の高さ、価格のお手頃感でSHM-100HNに決定。ビックカメラのオンラインショップでの購入時の金額は12,420円(ビックカメラのポイントが1242ポイント付与)。
さて、これで投影する準備が整いました。
■10数年前のプロジェクターとの比較
会社の了承を得て業務で使用している2004年製のデータプロジェクター(今なお現役)を自宅まで持ち帰り、同じ環境下で投影比較をしてみました。
[2004年製データプロジェクター] 映像ソースはPC。HDMI -> D-Sub変換ケーブルを使いウェブブラウザを投影してみた結果が以下。
2004年製データプロジェクターとスクリーンの距離は310cm。最大投影設定にしても80インチ程度。輝度もやや足りない印象。(解像度は1,024×768)。もちろん時代的にHDCP対応ではないのでBlu-rayやnasne/torneの映像は映せません。データプロジェクターとしてはまだ十分でも、シアター的な要素で使うには難しい印象です。あと、やはりこの時代のプロジェクターだからなのか、動作音がすごく大きいという印象です。
[HT3050] 映像ソースはPC。HDMIケーブルでHT3050と接続し、ウェブブラウザを投影してみた結果。
HT3050とスクリーンの距離は同じく310cm。スクリーンいっぱいの100インチ投影。輝度も十分。
プロジェクターの動作音も、使う前はどうなんだろう…と少し気になっていましたが、1m以内で作動させても、そもそも映像の音声が聞こえていたり、ヘッドホン/イヤホンを使う事も多いのでほとんど気になりません。音声が伴わないウェブブラウジングやプレゼンテーションの表示だと、もちろん動作音は聞こえますが、生活や会議の中で使用する事を考えると全くと言っていいほど気にならないレベルです。
■接続する機器やサービスの概要
冒頭にも述べたように、自分が今使っている機器やサービスを中心にHT3050との組み合わせでどういう体験が出来たかというところをいくつか書いてみたいと思います。
HT3050と接続を試した機器とサービスの概要は以下の通り。
- PlayStation 3(Blu-ray、ゲーム、torne/nasneとの連携)
- Amazon Fire TV Stick (映像、ゲームの投影)
- Chromecast (スマホから映像や画面のキャスティング)
■PlayStation3との接続
まずは月並みではありますがBlu-rayディスクの再生から。筆者自身の環境下で一番良質な映像を投影できるソースはPS3でのBlu-rayディスク。HT3050と100インチスクリーンで見てみることに。
選んだのは『カリフォルニア・ダウン』。出張の際、飛行機の中で上映されていたのを小さなスクリーンで見たのもあり、「これが100インチで見たらどういう印象だろうか…」という事で決定。
開始から1時間20分経過したあたりで訪れる自然の驚異がCGで表現されるのですが、ここの迫力がすごい。ネタバレになるので詳細は控えざるを得ませんが、同じシーンを小さな画面で見たときと100インチで見たときの印象がここまで変わるとは思っていませんでした。
今まで見てきた別の映画(特にアクションやSF系)も、もう一度プロジェクターの大画面環境で再度見てみようという気持ちになります。
次はゲーム。プロジェクターを手に入れたらやりたいと思っていた「The Last Guy」というゲームです。42インチの液晶テレビでやった時は米粒大のキャラクターがワーキャーと動いていたのが、100インチで見るとどうなるのかと興味を持っていました。
実際投影をしてやってみると、液晶テレビでやっていた時とはガラリと印象が変わりました。小さな画面でやってるときには「いつの間にか原因不明で主人公が死んでしまう」状況で、先に進めるのを諦めていたんですが、大きな画面だと主人公がエイリアンに喰われて死んでいたことがはっきりと分かりました(笑)。少しやる気が出たので数年ぶりに進めてみようと思っています。
あとPS3と言えば、nasne(torne)は筆者自身にとって重要なアイテムになります。液晶テレビ以外にテレビチューナーを擁した機器はnasne以外持ち合わせていないので、自身の環境下で大画面のテレビ映像をライブで見るとなるとnasneに活躍してもらう事になります。今年はオリンピックイヤー。時差12時間がどのように影響するかは現時点では謎ですが、nasneとPS3(またはVaio/PC TV with nasneをインストールしたPC)で臨場感に溢れたオリンピック観戦が出来るはず。
たまたまNBAのオールスターゲームがBSで放映されていたのを視聴したのですが、さながらスポーツバーにいるような感覚に陥りました。
あと、Vaio TV with nasneで、あらかじめ録画してあった某番組を投影。3倍録画なのでAVC(ビットレートは10Mbps前後)ですが、壮大な自然の風景や建築物を映し出す番組はプロジェクターで見ると本当に映えます。
■Amazon Fire TV Stickとの接続
今回モニターで当選したこのHT3050プロジェクターを使用にするにあたって、自身がプレミアムコンテンツを一番簡単に楽しめているのはAmazon Fire TV Stickであることは断言できます。
PCやスマホ、Blu-rayプレイヤー(PS3)もHDMIで接続して投影すればAmazonプライムコンテンツを楽しむことは出来ますが、電源を除くケーブルの取回しや機材の移動や設置場所などを気にしなくて良いのが本当に楽です。
NetFlixやHuluなどに加入していればAmazon FireTV Stickでも見れますし、Chromecastも同様の手軽さはあると思いますが、筆者自身がAmazonプライム以外のサービスに加入していないこともあり、数多くのプレミアムコンテンツを楽しめるのは現状AmazonプライムビデオのみなのでAmazon FireTV Stickが大活躍しています。
映像は720pでビットレートもさほど高い印象は受けないので画質重視とは言えませんが、こういったHDMIドングル型の映像受像機がプロジェクターの利用価値、存在価値、そして利用頻度を高めてくれるなぁと感じます。
■Chromecastとの接続
個人的に愛用している使い勝手の良いHDMIドングル機器、Chromecast。映像ソースを引っ張るのにはスマホやPCが必要なので、Amazon FireTV Stickよりは少し手順は増えますが、加入しているサービスによってはプロジェクターとの相性も抜群になり得るものという印象です。
YouTube やGoogle Playムービーの映像をChromecastにキャストしたり、その他サブスクリプション型の映像サービスもキャスト出来ます。
映画「ゼロ・グラビティ」を投影してみました。やはりというか、SF物は大画面で見ると画面への引き込まれ具合が全然違いますね。
LollipopにしたNexus 7(2012)をChromecastで画面をキャストし、Amazonプライムビデオを視聴してみました。動作がモッサリしてしまうのは致し方ありませんが、映像が始まれば動作は安定します。
■HT3050大活躍
このモニター企画に当選して、一番「ありがたい!」と思ったのが、HT3050を使って、友人家族達と行ったスキー旅行映像を使って自宅で上映会が出来たことでした。
総勢10名を超える来客を6畳間に押し込める形になってしまいましたが、30分程度に編集したブルーレイ映像をみんなで楽しく見ることが出来ました。
映画やドラマを見るというのがメインの使い方になりますが、こういったプライベートコンテンツをみんなでわいわい、しかも大画面で共有出来るというのも、プロジェクターの醍醐味の一つだと、身を持って体験しました。
■最後に
機材やコンテンツを含めて、一昔前では考えられないほど安価に、高精細なプレミアムコンテンツを大画面で楽しむ事が出来るようになりました。上を見ればキリがありませんが、機能や仕様を割り切れば10万円以内で100インチを超えるシアターは十分作れます。
あくまで個人的な意見ですが、今使用している液晶テレビと今後購入するであろう4Kテレビの、ちょうど狭間をこのHT3050が埋めてくれているなと感じてます。4Kはもう少しコンテンツ(放送やパッケージ)が整ってからでも遅くないのでは…と考えていますので、ここから数年はHT3050を使って大画面で映像を楽しむ事にしようと思ってます。
今年、来年あたりからヘッドマウントディスプレイのラインナップが充実し、映像の消費スタイルに新しい風が吹きそうな感じがしていますが、複数の人たちと映像体験を共有するという意味ではプロジェクターでの映像投影はまだまだ主流です。
映像の投影と言っても、プレミアムコンテンツやパーソナルコンテンツを見るだけではなく、町内会の集まりでプレゼンテーションに使ってみたり、習い事や教室で電子黒板のような使い方も出来たりと、自身を取り巻く環境でいろんなシチュエーションで使えるなと思っています。
今回は時間の関係で間に合いませんでしたが、プロジェクションマッピングにも大きな興味を持っており、(あくまで趣味の範疇で)どういうものが出来るのか、時間を見つけて実現してみたいと思っています。
良い機会を与えて頂きましたBenQ様、Phile-web様に感謝を申し上げます。ありがとうございます。