AKG「N20U」レビュー：iOS/Androidどちらでも使えるリモコン付きイヤホンの使い勝手を試す

続いてハイレゾ対応スマホ「Xperia Z5 Premium」を使って、外出先での音楽再生をチェックしてみた。

トロンハイム・ソロイスツ楽団とニーダロス大聖堂少女合唱団の「MAGNIFICAT/Et misericordia」（キム・アンドレ・アルネセン作曲）では、声の微細なニュアンスが立体的に浮かび上がる。特にハイトーンの伸びやかな印象が鮮烈だ。アルミ製ハウジングの後ろ側に設けられた「ベンチレーション・システム」により、サイズを超えた広々とした空間が描写できるところもこのイヤホンの良さだと思う。教会で録音された本作独特の響き感がきれいに蘇る。

ベンチレーションが設けられているからといって、本体から音漏れしたり、反対に外の音が飛び込んできてリスニングを邪魔するようなこともなく、騒音に囲まれがちな地下鉄の車内やカフェなどの場所で使っても、感情を揺さぶる音楽に落ち着いて身を浸すことができた。ロックやEDM系の楽曲ではシャープなのにボリュームもある低域の打ち込みが体の芯を突いてくる。

最後に、本体に付属するセミハードケースは、とてもコンパクトなのに内側のポケットに付属の航空機用変換プラグや予備のイヤーチップを収納しておけるのがとても便利に感じられたことも付け加えておこう。

得意な音楽ジャンルを選ばないバランスの良さとハンドリングの軽快さが同居した、コスパの観点からも納得のベスト・イン・クラスと呼びたいポータブルイヤホンだ。