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【特別企画】最新DAPと組み合わせて徹底解析

Dynamic Motion「DM200H」を聴く - “世界初”の同軸2ウェイ・ハイブリッド型イヤホン

公開日 2016/07/15 10:00 岩井 喬
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Dynamic Motionから登場した、“世界初”の同軸2ウェイ構造採用のハイブリッド型イヤホン「DM200H」を岩井喬氏がレビュー。本機が採用した新機構の優位性からそのサウンドの特長までを解説していく。

Dynamic Motion「DM200H」 ¥OPEN(予想実売価格29,500円前後)

世界初の完全同軸2ウェイ構造によるハイブリット型イヤホン

今年の春先、Dynamic Motionの本社およびベトナム工場でのレポートをお届けした折、開発中の新モデルとして「DM200H」「DM300H」の存在をお伝えしたが、そのうちDM200Hがいよいよ国内で発売開始となった。今回はこのDM200Hの詳細レポートをお届けしたい。

DM200Hは、同社が得意とするダイナミック型ドライバーにBA型ドライバーを組み合わせた特許技術「Bulls Eye Driver」を搭載する“同軸2ウェイ”構造によるハイブリッド型イヤホンだ。

Bulls Eye Driverは、ウーファーを担当するφ11mmダイナミック型リングドライバーに設けられた中央部の穴へ、高域を担当するBA型ドライバーを置くという革新的な完全同軸構造を採用している。同軸2ウェイによる、BA+ダイナミックのハイブリッド型イヤホンは、世界初になるという。

DM200Hのハウジング内部。特許技術である完全同軸2ウェイ。ハイブリッドドライバー「Bulls Eye Driver」を採用

同軸2ウェイ構成によってタイムアライメントを揃えたことで、DM200Hは優れた音像定位、音場感を実現している。ハウジングの設計には人間工学に加えて、コンピューターによる空気の流れのシミュレーションも用いられたとのこと。また、ハウジング素材にアルミを採用することで、不用共振も抑制している。

「Bulls Eye Driver」の断面図。ダイナミックドライバーの中央にBAドライバーを配置している

ケーブル部は、Dynamic Motionを取り扱うサエクとのコラボにより開発。ケーブル導体の中央にケブラー繊維を配して、導通特性の向上と共に、強度も増したことで耐久性も高めている。

イヤーチップは通常のシリコンタイプ(XS、S、M、Lの4サイズ)に加えて、低反発タイプのComplyも同梱されているので、最適なフィット感を追求できるだろう。さらに同梱品にはゆとりのある適度な大きさのソフトケースと航空機用アダプター、ケーブルクリップも用意されており、使い勝手の点も良好だ。

同軸2ウェイ・ハイブリッドだからこそ可能なワイドレンジと空間再現

DM200Hは、ハイレゾ領域にも対応したワイドレンジ設計で、BA型ドライバー由来の音抜けの良いストレートな中高域と、ふわっと音像を包み込むような弾力のあるしなやかな低域が特長である。

さらに素晴らしいのは、カナル型とは思えない空間性の高さだ。各ユニットの干渉がない同軸方式ならではの音の素直さだけでなく、BA型ドライバーが繰り出す透明度の高い音場と、位相表現の的確な2ウェイ方式によるS/Nに優れた奥行きあるサウンドを生み出している。

Dynamic Motion「DM200H」の機構的な特長は、そのサウンドにしっかりと現れている

ドラムはスネアが抜け良く空間性豊かに立ち上がり、その余韻も明晰だ。キックドラムとベースは、低域を担うダイナミックドライバーならではのナチュラルな質感と密度感を再現。クリーンギターやボーカル、シンセ、シンバルなどBAが主に担当する高域系の描写は、抜け良くストレートに届く。そのバランス感は、例えばライブハウスのスタック式PAシステムで聴いているかのような、リッチな音の張り出しが魅力だ。

Dynamic Motionという会社はその名も示す通り、ダイナミック型へのこだわりがあってこそというイメージを持っているので、BA型ドライバーを組み込んだハイブリッド2ウェイを開発するというコメントを聞いたときは今一つピンと来るものがなかった。

しかし実際にそのサウンドを聴いてみると、お互いのメリットを最大限尊重した絶妙なバランスで融合しており、ダイナミック型を知るが故、その優位点である鳴りっぷりの良い中低域と密度感、そして苦手な点である立ち上がりが早く音離れの良い高域をどうカバーするか、その回答の一つとしてのハイブリッド型なのだということが理解できた。

次ページ「AK70」と組み合わせて各ジャンルとの相性も検証

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