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【特別企画】純正アダプターとも比較試聴

手持ちイヤホンでiPhone7でも高音質再生!ラディウスのLightning DACアンプをレビュー

公開日 2016/11/30 10:00 高橋 敦
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「AL-LCH81」の音質を純正アダプターと比較検証

HP-NHR31は高音はカチッとクリアに。低音はボリューム感をちょい盛り。「なんかいい音かも…」とかではなく、「ボーカルくっきりした!ベースかっこいい!」みたいに、わかりやすい音のよさを提供してくれるイヤホンだ。

そのイヤホンをまずアップル純正アダプタと組み合わせて聴いてみると、高音の強め方にしても低音の盛り上げ方にしても、本来よりも目立ちすぎる印象。シンバルがシャリシャリしすぎたり、バスドラムのアタックが硬く感じたりする。

ラディウスの人気イヤホンをMMCX端子によるリケーブル対応にし、新チューニングで音質も向上させたダイナミック型イヤホン「HP-NHR31」


まずは純正のLightningアダプターと組み合わせ。リモコンがないので操作は都度iPhoneを取り出して行うことになる
では「AL-LCH81」との組み合わせだと ――?

高音のシャリは目立ちにくくなり、本来の「カチッとクリア」さが生き返る。シンバルも聴きやすくて明瞭。低音も改善。アタックが硬すぎることもない。そしてより大きなポイントは低音のボリューム感に締まりが加わることだ。


具体例を挙げていこう。相対性理論「たまたまニュータウン (2DK session)」の冒頭は、バスドラム、ハイハットシンバル、ベースで構成されている。まず一定のリズムを刻むハイハットシンバルで高域の感触を確認。音に硬質な芯が通り、リズムの刻みがよりカチッと明確になる。そして金属的すぎるシャリ、あるいはジャリっとした刺さりや質感は控えてくれる。よいところを際立たせ、変なところでやりすぎない

中高域のクリアさということでは、冒頭に後から入ってくるギターの空間エフェクトもポイント。コーラスやディレイによって音が折り重ねられる、その重層の立体感がクリアに見えてくる。

バスドラムとベースは低音楽器。特に打楽器であるバスドラムには「低音のアタックの表現の難しさ」というオーディオ的な課題がある。この組み合わせではそこが自然に再生できている。

またこちらの要素はベースの方でわかりやすいが、音像はほどよく大柄でボリュームがある。だがそれでいて、ボワンと緩い膨らみ方ではなく、大柄なりの締まりもある。ただ太っているのではなく筋肉と脂肪をバランスよく備えた肉体、といった印象だ。それがぐいぐい進むので、ロックのドライブ感の表現もしっかり楽しめる。ここはAL-LCH81のポータブル「アンプ」としての力、イヤホンのドライバーをしっかり制御する力によるものだろう。

イントロが終わればボーカルの登場だが、ここの印象はシンバルについてのそれとおおよそ重なる。シャープでクリアだ。

ところで、音質について紹介させていただいたこの文章。実はそのままイヤホン「HP-NHR31」の音質の紹介とも思ってもらってもよい。今回の主役ポタアン「AL-LCH81」は、接続するイヤホンの実力を引き出してくれるモデルだからだ。小さくてシンプルな使い勝手ながら、ポタアンに求められる性能をしっかりと備えているモデルだと言えるだろう。



「AL-LCH81」を使えば、iPhone 7でも手持ちのイヤホンを使い続けることができる。そしてさらに、もしもそのお気に入りのイヤホンがちょいとしたものであったなら、以前のiPhoneのイヤホン端子に挿していたときよりよい音になってくれるし、iPhone単体では絶対に叶えることのできない“ハイレゾ対応プレーヤー化”まで実現してくれるのだ。

ラディウスはそもそもアップルコンピュータの創業メンバーである技術主幹のバレル・スミス氏、セールス・マーケティング役員アラン・ロスマン氏によって設立された会社。そんなこともあってか、アップル製品と親和性の高い意欲的なモデルを世に送り出してきている。

イヤホン端子廃止をよりよい音を手に入れるチャンスと捉える。そんな方に、ぜひAL-LCH81を試していただければと思う。


(企画協力:ラディウス株式会社)

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