<連載:折原一也の“いまシュン!”ビジュアルプロダクト>
どれを買うべき? パナソニックのUltra HD Blu-rayプレーヤー/レコーダー4モデル画質比較
チャプター1から映像の艶やかさは現れるが、グレインの表現もナチュラル。チャプター8スーパーマンのマントのカラー、チャプター11の閃光の質感の表現でもUltra HD Blu-rayとしてスタンダードな画質といったところ。
続いて視聴した「DMR-UBZ1」は、チャプター1をひと目観た時点で映像のクリアネス、輝きのヌケの良さがが一枚上手で、パナソニックのBDプレーヤーのUBZ9000系の画質を彷彿とさせる重厚な映像表現と表現したい。元の映像の質感がナチュラルなチャプター8、チャプター11の高コントラストな映像でもディテールが鮮明に現れた。
Ultra HD Blu-rayプレーヤーとしてエントリーモデルとなる「DMP-UB90」は、チャプター1の様々なシーンを見ても、上位機と比べるとやはり質感と階調の表現は少々甘め。チャプター8の映像の表現はナチュラル、チャプター8はコントラストはダイナミックだが、細部の階調表現までは出しきれないといった具合だ。
最後にUltra HD Blu-rayプレーヤーとしてのハイエンド「DMP-UB900」は、チャプター1から画面全体の精細感、鮮鋭感をストレートに引き出すイメージ。チャプター1でも少年の顔色の肌色の表現も丁寧な階調で引き出すし、チャプター8の国会のシーンを見てもスーパーマンの肌や衣装の色ヌケの良さが現れる。ノイズもシャープにグレインを効かせて来るイメージだ。
■投資してUHD BD環境を整える価値のある時代に
横並びで4台のUltra HD Blu-ray再生機を見比べると、普段から画質評価をしている立場からすると、有意な画質差が現れた。
最も重厚で質感ある描写力だったのが、最古参ながら価格面で最もハイエンドの「UBZ1」、信号をストレートに表現する高画質を実感できたのが「DMP-UB900」で、2機種はいずれも優秀だ。
これらに比べ「DMP-UB90」「DMR-UBZ2020」が画面全体のヌケの良さで差が付いたのは、「4Kリアルクロマプロセッサ」の“plus”の差だろう。ただし上位機と比べるとこな評価となるが、もちろんUltra HD Blu-ray再生機として十分な能力は備えている。なおUB90とUBZ2020の違いはわずかなので、プレーヤーかレコーダー、どちらが好みかで選ぶと良さそうだ。
最後に取材時のちょっとした余談になるが、それぞれのUltra HD Blu-ray再生機とVIERA TH-65DX950との接続はHDMIによる4K/24pの4:4:4/36bitで行った。実は1台目のUBZ2020の視聴を開始した直後、画質に違和感を覚え、HDMIの接続設定を確認したところHDMI接続の設定が4:2:0になっていた。
以降、すべての機種で視聴前に接続設定を確認して4:4:4/36bitで評価したが、4K/HDRのUltra HD Blu-rayの画質を語る上で、薄型テレビとの接続は4K/24pの4:4:4/36bitで接続できることが画質比較のスタートラインとなったことを改めて思い知らされた。
BDの時代でも、パナソニック製レコーダーなど一部ハイエンドのプレーヤーが4:4:4/36bitで伝送することで、再生画質を引き上げていたが、これが基準となると、他のプレーヤーへの要求水準も上がってくる。
最高画質を追求するAVファンにとって、Ultra HD Blu-rayに投資し、環境を整える価値のある時代となったと言えるだろう。