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TIDALのMQAストリーミングを再生可能

「Audirvana Plus 3」を早速試す。新機能MQAデコーダーの出力制限も検証

公開日 2017/03/14 11:48 土方久明
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さっそく、Audirvana Plus 3によるソフトウェアMQAデコードを試してみる。Brooklyn DACはMQAデコーダーを搭載しているが、これは使用せずに通常のUSB-DACとして使用し、Audirvana Plus側のMQAデコーダーを使用する。Audirvana Plus 3の設定としては「preference」から接続するDACを指定したのち、「No MQA device detected」の項目において「Not MQA device」を選択する。

「Not MQA device」を選択すれば、MQAファイルはAudirvana Plus 3内でソフトウェアデコードされる

前述のようにTIDALは日本でサービスが展開されていないが、今回は筆者が海外出張中に取得したアカウントを使用した。Audirvana Plus 3上でTIDALのアカウントを認証すると、左カラムにTIDALのメニューが表示される。これを選択し、画面上部メニューから「Masters」を選択すると、MQAで配信されているアルバムが一覧表示される。

ちなみにTIDAL MASTERSのラインナップはかなり充実している。今季のグラミーで最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバムを受賞した、ビヨンセ『レモネード』をはじめとする新譜、ジャズであればジョン・コルトレーンやマイルス・デイヴィス。ロックやポップスは、デビット・ボウイ、マドンナ、エンヤなど、ワーナー系列のビッグアーティストの音源が目白押しである。

TIDAL MASTERSには往年のジャズ名盤、オーネット・コールマンやジョン・コルトレーンなどのジャズジャイアントのアルバムも多数ある

さらに気がついたことがある。TIDAL MASTERS登場時、「配信フォーマットは、96kHz/24bitを中心とする」とアナウンスされていたが、実際に確認してみるとMQA 192kHz/24bitで配信されている音源もかなりある。2Lレーベルの作品は352.8kHz/24bitで配信されている。さらに、同一タイトルながら異なるサンプリングレートが用意されているMQA配信アルバムも発見した。

例えばマイルス・デイヴィスの「Toto」は、44.1kHz16bitのバージョンちがいが2タイトルに加えて、MQA 96kHz/24bitと192kHz/16bitの合計4種類が聴ける

試聴については、イギリスの女性ボーカリスト、ルーマー『This Girl's In Love』(88.2MHz/24bit MQA)を聴いた。44.1kHz/16bit FLACのフォーマット版もあったので聴き比べてみたのだが、MQAの方が聴感上の情報量が多く感じる。さらにイントロのピアノが立体的で、ボーカルが生々しい。MQAの特徴とも言える生々しい質感再現にも感心した。

TIDAL MASTERSのルーマー「This Girl's In Love」を再生したところ。Audirvana Plus 3の画面上にはMQAフォーマットを表すアイコンと、音源のサンプリング周波数/ビットレートが表示される


こちらはBrooklynの表示。Audirvanaと同様に88.2kHz/24bitが表示された。Audirvana Plus 3内でデコード処理を行うように設定しているので、MQAロゴは点灯していない

次ページ352.8kHz/24bitのMQA音源も!

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