HOME > レビュー > サエクの新フラグシップSPケーブル、“STRATOSPHERE”「SP-10」を藤岡誠が聴く

独自のスーパーストラタム構造を採用

サエクの新フラグシップSPケーブル、“STRATOSPHERE”「SP-10」を藤岡誠が聴く

公開日 2017/03/22 10:00 藤岡 誠
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
SP-10の構造は、同社従来のストラタム構造(径の異なった導体で中心部と外周部を構成)を進化させた「スーパーストラタム構造」を採用。具体的には中心部導体(中・低域)を2sqの同芯撚り線として外周をフッ素樹脂で絶縁。その絶縁された外周を覆うように並行して、それぞれがやはりフッ素樹脂で絶縁された0.19sqの単線11本が外周部導体(高域)を構成するという、独自の同軸状の導体構造だ。

SP-10のケーブル構造図

その上で、中心部と外周部の導体の面積比がほぼ同じというオーディオ的整合性も魅力だ。内部介在は絹。シースは制動材入りのポリオレフィン。端子はYラグ型とバナナ型の2種類があり、何れもSAECのオリジナル金メッキ仕上げだ。その結果、SP-10はPC-Triple C導体の可能性に加え、構造面からもその魅力を一層に惹き出しているのがポイントだ。

ワイドバンド&フラットレスポンス、空間再現性も高い

試聴は自宅で行った。聴こえは、スピーカーシステムの能力に当然ながら委ねられるが、SP-10が突出したワイドバンド&フラットレスポンスを備えていることを確認できた。さらに帯域内に雑味や固有のクセがなく、SN比も高い。空間再現性も優秀だ。

Yラグ仕様モデルも用意している

Fレンジ両端の損失感がなく、エナジーバランスとワイドバンドな聴こえは殊更に素晴らしい!これによってハイエンドユーザー層の要求に十分な役割を果たすだろう。サエクの最上機種に相応しい完成度と言える。

なお、開発コンセプトが共通の興味深いバイワイヤリング用も近日中に発表予定されているから注目されたい。

(藤岡誠)

前へ 1 2

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE