【解説】「iOS 11」でついにFLACをネイティブサポート！ その意味するところとは？

■AirPlay 2ではバッファ容量が増加。映像との同期精度向上も期待

前回のレポートでは、同時に複数のデバイスへオーディオストリームを出力できる「マルチルームストリーミング」の対応が目玉で、サポートするコーデックの追加やサンプリング周波数／ビット深度の拡張は行われていない、という主旨で「AirPlay 2」を紹介したが、2点ほど補足しておきたい。

1つは、バッファリング機能の改善。現行のAirPlayや他のワイヤレススピーカー（ex. Bluetooth）は、せいぜい数秒程度しかオーディオデータをバッファーできず、ネットワークの状態によっては音飛びの原因となっていたが、AirPlay 2ではバッファー可能な時間が数分程度にまで延びる。

バッファの容量が大きいことを指してか、開発者向けセッションでは「（iPhoneからAirPlayデバイスへのストリーミングが）リアルタイムより速い」という表現が使われていた。再生/停止などの曲操作も、バッファレベルとは同期しないしくみにより、瞬時に実行されるという。ユーザビリティという点では、進化しているといえるだろう。

もう1つは、映像との同期だ。ネットワーク経由で音声／映像を転送するという仕様上、そのままでは遅延の発生を余儀なくされるが、前述したバッファ容量の拡大と同期システムの拡充を受けて、iOSデバイス上の映像とスピーカーからの音がシンクロするという。具体的な精度／遅延時間についての言及はなかったが、スピーカーからの音声出力が「リアルタイムより速い」ほどなのだから、精度は期待していいのではないか。対応製品の登場に期待しよう。