2.4GHz帯ワイヤレス+Bluetoothに両対応
ワイヤレスサラウンドにBT+ハイレゾも。「1台3役」のオーディオテクニカ「ATH-DWL770」を試す
■有線接続でハイレゾ再生、その実力は?
最後に、編集長愛用のプレーヤー・AK320に、付属のヘッドホンケーブルを接続し、ハイレゾ音源を試聴する。ヘッドホンケーブルを「ATH-DWL770」に繋ぐだけで自動的に本体の電源が切れ、普通のヘッドホンとして使える仕組みだ。
風間:ワイヤレスの音からさらにワイドレンジさが強まって、特に高音の伸びが良くなります。金物の音までシャキっと聴こえて、試聴に使ったCorneliusの「SENSUOUS」だと、冒頭のトライアングルのクリアさが凄いですね。
―ワイヤレスに比べると、やはりこちらのほうが音質はいい?
風間:ワイヤレスだとそもそもハイレゾ音源の伝送に対応していませんからね。とはいえ、2.4GHzデジタルワイヤレスやaptXやAACコーデックのBluetoothでは低音の量が若干少なくなるという印象があり、人によってはこのバランスの方が好みかもしれません。なにより、使い勝手はワイヤレスが断然勝っています。それぞれ一長一短あって、好きな繋ぎ方ができるのが何より良いところかと思います。
―家ではテレビやコンポでワイヤレス、外ではスマホや音楽プレーヤーでワイヤレス。有線接続にすれば音質の追求もできる。大抵のニーズには応えてくれそうですね
風間:まさに1台3役、何でもできるオールインワンのワイヤレスヘッドホンですね。特に、2種類のワイヤレス方式を採用しているところが使い方の幅を広げていると思います。例えば、外出時にスマホでVODやYouTubeを見始め、家に帰ったら大画面のテレビやパソコンで続きを見る、音声は「DWL770」のスイッチを切り替えるだけ、なんて使い方ができます。バッテリーも半日近く持つし、見終わるまで充電が必要になることもないでしょう。最近の動画・音楽配信サービスとの相性はバツグンではないでしょうか。
■サラウンド機能も搭載、「どこでも」「何とでも」使える多用途さ
2種類のワイヤレスと高音質の有線接続、様々な使い道が思い浮かぶ「ATH-DWL770」。その多用途さに加え、サラウンド機能も兼ねそなえている所も見逃せない。
今までサラウンド機能といえば、屋内向けの大型ヘッドホンやゲーム・映画などエンターテイメント向けヘッドホンに採用されることが多く、ポータブルサイズや音楽鑑賞を視野に入れたヘッドホンにおいて選択肢はほとんどなかった。「ATH-DWL770」は、そんな「サラウンドヘッドホンといえば屋内用」「サラウンドヘッドホンといえば音質は二の次」などという先入観をも覆す存在だ。
屋内にいてはテレビやコンポ、屋外に出てはスマホや音楽プレーヤーと、1台のヘッドホンを様々に使いまわして高音質を楽しめる快適さ、そしてサラウンドの臨場感をぜひ体感してほしい。