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ユーザーの要望に応えて登場

あの “Shupreme” が手に入りやすく − ゾノトーン「7NAC-Shupreme LE」実力チェック

公開日 2017/07/28 10:22 井上千岳
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「オーディオアクセサリー銘機賞2011」で栄えあるグランプリを受賞、ゾノトーンの匠の技「ピュア&エネルギーへのあくなき挑戦」を形にしたShupremeシリーズ。オーディオ評論家諸氏からも絶賛を受けた、比類のないその至高のオリジナル導体構成はそのままに、ユーザーから数多く寄せられた要望に応えるかたちで、長尺に対応、取り回し性も高めた別バージョンといえるインターコネクトケーブル「7NAC-Shupreme LE」が誕生した。その際立つ描写性の魅力と表現力を探ることとしよう。

最高峰“Shupreme”に加わったバリエーションモデル「7NAC-Shupreme LE」


最高峰の設計技術の妙味をそのまま活かして簡略化

ゾノトーンから注目のインターコネクトケーブル「7NAC-Shupreme LE」が発売された。型番からも分かるように、最高峰シリーズ「7NAC-Shupreme1」の別バージョンである。Shupreme1は5種の導体を使用したハイブリッド8芯で、中空パイプ介在によるエアー制振構造の最高峰モデルだが、最外周に特殊鋼製スプリングの独立シールドを備えている。このため作れる製品の長さに制約があり、ユーザーから要望があっても2m以上ではコストがかかりすぎて対応が難しかったそうだ。

そこで、このスプリングシールドを思い切って外し、長尺への対応を可能にするとともに、価格も手頃な範囲まで降ろして新たなモデルとした。これがLEバージョンである。したがって、ケーブル本体の構造や素材は変わっていない。

7NAC-Shupreme LEはXLRケーブルもラインナップしており、その端子はノイトリック製プロ用新製品に金メッキを施した特製のもの

ちなみに少しだけ復習しておくと、導体は超高純度7NCu、高純度銅特殊合金、PCOCC、純銀コートOFC、高純度無酸素銅。これら5種類の線材を、線径を変えてゾノトーン独自の黄金比による比率で組み合わせ、4種類の芯線に形成した上で絶縁中空パイプをコアにして、その周囲に各2本計8本を巻きつけている。DMHCという独自の構造である。

起伏に富む陰影の濃さなどを継承した多彩な表現

7NAC-Shupreme1自体、エネルギーの大きな、起伏に富んだ陰影の濃い再現性だが、7NAC-Shupreme LEも基本的な音調に変化はない。本体が同じなのだから当然と言えば当然だが、そっくり相似形である。特に音の際が深く、彫りの深い凹凸を持っていることがそうだ。

ピアノではタッチの太さと肉質感の厚みが、上下に伸びやかな質感で引き出される。高域の端まで涼やかにつながっているのが、やや違いと言えば言える。Shupreme 1はある意味で大柄だが、Shupreme LEではそれがもう少しスリムになったかと思えるところがある。いずれにしても、ずっしりとした把握だ。

室内楽は弦楽器の艶と粘りを、きめ細かな潤いで描き出している。レスポンスのバランスが良く、エネルギーが均一で強調感のない平坦な鳴り方だ。その点では、Shupreme1より若々しい感じがある。ディテールがむしろ鮮明に感じられるのは、そのせいかもしれない。流れが良く滑らかだ。

オーケストラは力感の高さと瞬発的な爆発力が、峻烈なスケールの大きさを描き出している。低音弦もよく伸びて、手触りにいい意味での軽さもある。質感がきめ細かく緻密なのである。豊かな量感の中に細かな音が明滅して、表現がとても多彩だ。スケールと力をたっぷり備えながら大味にならないのは、そのためと言っていい。

ジャズは全てがちょうどよく整って、たいへん心地好い。トロンボーンは厚手で立ち上がりもパッと明るいが、当たりは柔らかく濁りがない。ピアノも生き生きとタッチが軽快である。ウッドベースやドラムの弾みのよさ、曖昧さのない輪郭など、どこも「こう出てほしい」という音そのままである。鮮やかでシャープだが少しもうるさくないのは、歪みや汚れがないからだ。

好評最新モデルの魅力を手軽に活かせる待望の製品

Royal Spiritシリーズの流れを引く、ゾノトーン初のジャンパーケーブル「ZJP-RS1」も紹介したい。本体はRoyal Spiritの芯線と同様で、導体は超高純度7NクラスCu、高機能純銅線HiFC、高純度無酸素銅線PCUHD、高純度無酸素銅OFCの4種類。これらをハイブリッドの8芯とし、天然綿糸の周囲に配置している。端末は精密加工によるオリジナル24金メッキYラグ、またはバナナプラグである。

ハイブリッド8芯線を採用したRoyal Spiritの流れを汲む「ZJP-RS1」

全帯域の通りや鮮度が向上、立体的で活気と厚みも増す

スピーカー付属のジャンパー線と取り換えてみると、明らかに明瞭度が上がる。低域の透明度が特に増し、全帯域で信号の通りが良くなる印象である。ピアノの低音部がくっきりとして、響きの抜けが良く、鮮度が上がる。室内楽は細かな部分の凹凸がはっきりするため、弦楽器の艶と粘りがいっそう際立っている。ハーモニーに立体感があるし、肉質感が高く引き締まってしかも厚い。

ケーブルは柔軟で、スピーカー端子への接続を無理なく行うことができる

オーケストラは雄大だが、音数が増えるためか、密度が高まって中身の詰まった弾力の強さを感じる。弱音にもきちんと肉がついているイメージである。ジャズも鮮度が高い。キックドラムやウッドベースがいっそう弾み、よく動き、トロンボーンは活気に富んで溌剌としている。音数と鮮度が変わるジャンパーケーブルである。



8芯・5種ハイブリッド・ハイエンド・インターコネクトケーブル
7NAC-Shupreme LE
・RCA ¥125,000/1.0mペア(税抜)
・XLR ¥135,000/1.0mペア(税抜)

●導体:超高純度7NCu、高純度銅特殊合金、PCOCC、純銀コートOFC、高純度無酸素銅●構造:ハイブリッド独立8芯を絶縁パイプの周囲に配置。4芯を集合アイソレート●導体サイズ:2.5スケア×2(4芯×2=計8芯)●シース:鉛レス、カドミレスのエコ処理新PVC(RoHS対応)●外装ジャケット:強靱なナイロン編組●コア絶縁体:高純度ポリエチレン●シールド:厚手アルミラップ+高密度軟銅線編組(2重シールド)●介在:中空PEパイプ(エアー絶縁)●外径:10oφ●端子:RCA→精密一体加工(チャックロック式)、銀メッキ+ロジウムメッキ接点、XLR→ノイトリック製プロ用新製品に金メッキを施した特製 ※1.0m以上は0.5m間隔で特注可



ゾノトーン待望のジャンパーケーブル
ZJP-RS1
・¥34,000/0.15m、Y-Y、4本組(税抜)
・¥34,000/0.15m、B-B、4本組(税抜)

●導体:超高純度7NクラスCu、高機能純銅線HiFC、高純度無酸素銅線PCUHD、高純度無酸素銅OFC●導体サイズ:5.0スケア●絶縁体:高純度ポリエチレン●外径:7.0mmφ●端子:精密加工オリジナル24金メッキYラグ、またはバナナプラグ。Yラグ先端サイズ=内径8.0mm/外径14.0mm


*当記事は「季刊AudioAccessory 165号」から転載したものです。季刊AudioAccessoryのご購入はこちらから

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