[PR] ドルビーアトモス/DTS:Xにも対応
AVアンプにも負けない? 驚きの高音質、ソニー渾身の最上位サウンドバー「HT-ST5000」
磁性流体スピーカーの採用は2013年発売の「HT-ST7」からはじまったが、HT-ST9で同軸2ウェイ化され、今回はさらに進歩を遂げている。フロント7chのドライバーは全て振動体にグラスファイバーを使用。センター用ユニットとL/R用は基本同じだが、よく見るとトゥイーター裏のリフレクターの位置が異なっている。
イネーブル用ユニットの振動体は発泡マイカ。初搭載にあたってたくさんの試作品を作り、サンフランシスコのドルビー本社に機材だけでも飛行機で十往復するほど検証を重ねた。そしてその結果、グラスファイバーと発泡マイカの組み合わせが一番高い評価を得たことから採用を決めたという。
バー本体のエンクロージャーはアコースティックサスペンション型。密閉型の一種で、本機では7ユニットすべての間がブレーシングで仕切られている。別筐体のスーパーウーファーはΣ型磁気回路搭載の180mmユニットを搭載、200mm×300mmパッシブラジエーターを組み合わせて低域をさらに伸長する。
ここまでは音質の土台だが、表情豊かな音場表現を生むキーテクノロジーが、ソニー独自の“S-Force PROフロントサラウンド”だ。コアを成すのが波面制御技術で、近接配置された複数のスピーカー同士が音の干渉を生むことを利用し、左右の耳に到達する音の時間差をコントロールし、音場創成に役立てるDSP技術である。
アルミ製フロントグリルを外すと、フロントL/Rは両端に配置されているが、映像音響を司るセンター、サラウンドL/R、サラウンドバックL/Rの5基のユニットが中央で一列に密集している。この配列を奇異に感じる方もいるだろうが、音の干渉を音場の自由自在な広がりへ役立てる、いわば逆転の発想がこの配列なのだ。
発表会で強い感銘を受けたHT-ST5000と、音元出版の視聴室で再会を果たした。組み合わせたテレビは、ソニー液晶テレビのフラグシップモデル「KJ-65Z9D」だ。
Ultra HD Blu-rayのドルビーアトモス採用作品を再生してみよう。最近、35年ぶりに続編が公開された『ブレードランナー ファイナル・カット』。見始めて真っ先に、強烈に印象づけられるのが、「面」で押してくる力強い音圧感だ。複数ドライバーを同時に駆動しているわけだが、口径65mmでこのエネルギッシュな音圧というのは信じられない。波面制御技術が役立っているのだ。もしプレゼンテーションで大型のダミースピーカーを設置し、本機を隠したら、参加者はまんまと騙されることだろう。
次ページオブジェクトオーディオからUSBまで、一貫して鮮明かつ骨太で表情豊か