連載:オーディオワンショット
アキュフェーズ「’17年の注目新製品」を総ざらい ー モノパワー「A-250」からカートリッジ「AC-6」まで
■ステレオ・プリアンプ「C-2450」
これまでの「C-2420」(680,000円)の後継となるコントロールセンター(プリアンプ)で6月から発売が開始されている。
2機種の上級型に準じた技術内容、例えば独自のAAVA方式音量調音量調整回路は「C-2850」(1,280,000円)のそれを受け継ぎ、SN比が前作に比べ1dBアップしている。電源部は左右ch完全独立で充実。有効で多彩な機能も装備しコストパフォーマンスの高さが魅力だ。別売のアナログ・ディスク入力ボード「AD-2850」(220,000円・税抜)の装着も可能。なお、「オーディオ銘機賞2018」では銀賞を受賞している。
■プリメインアンプ「E-650」
アキュフェーズの最高級型プリメインアンプの新作。高級セパレートアンプで培われた回路技術を凝縮して採り込んでいる。
例えば、プリアンプ部はフルバランス構成でC-3850(1,800,000円)と同等の音量調整方式“Balanced AAVA”を採用。これは同社のプリメイン型では初の採用だ。
パワーアンプ部はMOSFETの3パラレルプッシュプルの純A級動作で30W/ch(8Ω)、60W/ch(4Ω)、120W/ch(2Ω)を発生。このデータは前作の同じだがSN比がアップ。入力からスピーカー出力まで完全バランス伝送・増幅が行われる。価格は50,000円の上昇だが、実際に聴くに及べば価格上昇分は十二分に吸収している。これを評価して本機は「オーディオ銘機賞2018」で銀賞を獲得している。
なお、E-650はラインレベル入力専用だが背面部に2つのスロットがあり、11月に発売されるオプションのアナログ・ディスク入力ボード「AD-50」(60,000円)とUSB端子つきデジタル入力ボード「DAC-50」(80,000円)を挿入することができる。AD-50はMC/MMに対応。DAC-50は384kHz/32bitまでのPCM、11.2896MHzまでのDSDに対応。再生中はサンプリング周波数が表示される。
■MCカートリッジ「AC-6」
最後になるが、アキュフェーズの2017年の新製品にはMCカートリッジがある。1979年に発売された初代「AC-1」から数えて第5世代目の「AC-6」(370,000円)がそれだ。
本機は「オーディオ銘機賞2018」にノミネートしなかったこともあって、ほとんど話題にならなかったが優れた製品。もちろん、カートリッジ専門メーカーに委託生産した製品だが、今回はこれまで以上にターゲットをハイエンドユーザー層に絞ったMCカートリッジ専門メーカーからのOEMだ。
チタン削り出しで表面をイオンプレーティング処理したベース部とアルミ削りだしボディの筺体。カンチレバーは無垢ボロン。針先はセミ・ラインコンタクト(3μm×30μm)。磁気回路はネオジム・マグネットで構成。発電コイルはφ50μmのOFC線材。内部インピーダンスは1.8Ω(DCR)。針圧は2g中心である。
◇
以上が2017年のアキュフェーズ新製品である。その多くがグレードアップモデルだが、意外なほど新しい視点と“聴点”でチェックすることができたし、製品特別賞の「DF-65」に至ってはオーディオファイル/マニアだったら注目度が大きく、ピュアオーディオ市場の新しい先鞭となればいいと私は思っている。
また、「AC-6」の発売も同社の懐の深さを見せているわけで興味深い。これら製品によって、2017年のアキュフェーズは充実した新年を迎えることだろう。
なお、各機種の詳細な内容については、同社のHP、カタログなどに詳しいからチェックすればいい。
(藤岡誠)
これまでの「C-2420」(680,000円)の後継となるコントロールセンター(プリアンプ)で6月から発売が開始されている。
2機種の上級型に準じた技術内容、例えば独自のAAVA方式音量調音量調整回路は「C-2850」(1,280,000円)のそれを受け継ぎ、SN比が前作に比べ1dBアップしている。電源部は左右ch完全独立で充実。有効で多彩な機能も装備しコストパフォーマンスの高さが魅力だ。別売のアナログ・ディスク入力ボード「AD-2850」(220,000円・税抜)の装着も可能。なお、「オーディオ銘機賞2018」では銀賞を受賞している。
■プリメインアンプ「E-650」
アキュフェーズの最高級型プリメインアンプの新作。高級セパレートアンプで培われた回路技術を凝縮して採り込んでいる。
例えば、プリアンプ部はフルバランス構成でC-3850(1,800,000円)と同等の音量調整方式“Balanced AAVA”を採用。これは同社のプリメイン型では初の採用だ。
パワーアンプ部はMOSFETの3パラレルプッシュプルの純A級動作で30W/ch(8Ω)、60W/ch(4Ω)、120W/ch(2Ω)を発生。このデータは前作の同じだがSN比がアップ。入力からスピーカー出力まで完全バランス伝送・増幅が行われる。価格は50,000円の上昇だが、実際に聴くに及べば価格上昇分は十二分に吸収している。これを評価して本機は「オーディオ銘機賞2018」で銀賞を獲得している。
なお、E-650はラインレベル入力専用だが背面部に2つのスロットがあり、11月に発売されるオプションのアナログ・ディスク入力ボード「AD-50」(60,000円)とUSB端子つきデジタル入力ボード「DAC-50」(80,000円)を挿入することができる。AD-50はMC/MMに対応。DAC-50は384kHz/32bitまでのPCM、11.2896MHzまでのDSDに対応。再生中はサンプリング周波数が表示される。
■MCカートリッジ「AC-6」
最後になるが、アキュフェーズの2017年の新製品にはMCカートリッジがある。1979年に発売された初代「AC-1」から数えて第5世代目の「AC-6」(370,000円)がそれだ。
本機は「オーディオ銘機賞2018」にノミネートしなかったこともあって、ほとんど話題にならなかったが優れた製品。もちろん、カートリッジ専門メーカーに委託生産した製品だが、今回はこれまで以上にターゲットをハイエンドユーザー層に絞ったMCカートリッジ専門メーカーからのOEMだ。
チタン削り出しで表面をイオンプレーティング処理したベース部とアルミ削りだしボディの筺体。カンチレバーは無垢ボロン。針先はセミ・ラインコンタクト(3μm×30μm)。磁気回路はネオジム・マグネットで構成。発電コイルはφ50μmのOFC線材。内部インピーダンスは1.8Ω(DCR)。針圧は2g中心である。
◇
以上が2017年のアキュフェーズ新製品である。その多くがグレードアップモデルだが、意外なほど新しい視点と“聴点”でチェックすることができたし、製品特別賞の「DF-65」に至ってはオーディオファイル/マニアだったら注目度が大きく、ピュアオーディオ市場の新しい先鞭となればいいと私は思っている。
また、「AC-6」の発売も同社の懐の深さを見せているわけで興味深い。これら製品によって、2017年のアキュフェーズは充実した新年を迎えることだろう。
なお、各機種の詳細な内容については、同社のHP、カタログなどに詳しいからチェックすればいい。
(藤岡誠)