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近距離磁気誘導「NFMI」採用

大ヒット中の完全ワイヤレスイヤホン、NuForce「BE Free8」実力検証

公開日 2017/12/18 10:31 折原一也
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オーディオブランドならではのバランスと情報量に優れたサウンド

試聴は手持ちのiPhone 7とペアリングして行った。実際にBE Free8のサウンドを聴き込んでみると、据え置きのオーディオブランドも展開するNuForceらしい“高品位サウンド”を実感できる。

据え置きのオーディオ製品も展開するブランドらしい、さすがの高音質サウンドを実現している

RADWIMPSの『前前前世 (movie ver.) 』では、エレキギターのダイナミックな音と共に、モニター系イヤホンを彷彿とさせる締まりある情報量志向のベースラインが聴こえ、バスドラムの音をフォーカスさせた上で空間志向で展開する。制動を効かせた低音は音圧感があるため、現代的なロックの音源にもマッチする。

ボーカルのクリアネスと楽器を空間の中で自然に展開するバランスも見事だ。Suchmosの『YMM』を聴いても、楽曲の特徴であるアタック感のある低音を、質感と共にその音情報まで見通す解像感を引き出す。

映画『ラ・ラ・ランド』サントラから『アナザー・デイ・オブ・サン』を聴くと、ジャズ音源の生音らしい楽器の質感を引き出してくれる。ウッドベースはたっぷり余韻を持つ鳴りだが、ジャズ音源を編成するスケール感は特に自然に引き出す。

カラヤン指揮の『ヴィヴァルディ:四季 - 春 第1楽章:アレグロ』では、弦楽器の丁寧な音の鳴りと調和を美しく鳴らす。音の分離感と見通しに優れ、音源の個々の音が粒立ち良く展開する様子は、完全ワイヤレスだけでなく、通常のワイヤレスイヤホンでもなかなか到達しない水準だ。

付属する2種類のSpinFit製イヤーピースのサウンドの違いも触れておこう。BE Free8用に開発した超薄型フランジは、音がダイレクトに届くイメージで躍動感があり、高域まで伸びやか。通常のSpinFit製は特にフィット感が高く、音の密度が増すタイプだ。装着感も含めどちらを使うかは好み次第だが、僕はいろいろと試聴して試した上で、通常タイプを好んで使用した。

またBE Free8はaptXコーデックにも対応している。手持ちのオンキヨー“GRANBEAT”にも接続し、同じ楽曲のサウンドを確認してみると、音のクオリティの高さをそのままに、AACから一段音の情報量が増したサウンドが再生される。

取り出しやすく、持ち運びも便利

特に中域の音の密度感ある情報の多さが特徴で、低音については量感があるだけでなく、低音の中の音情報をしっかり引き出してくれる。映画『ラ・ラ・ランド』サントラの『アナザー・デイ・オブ・サン』を聴いた際のピアノの音の質感の表現、中域のゴージャズな鳴りは、さすがはaptXコーデックという完成度だ。

近距離磁気誘導「NFMI」で接続することもあり、音の遅延についてはiPhoneと
AACで接続した際でも比較的少ない。さらにaptXコーデックでの接続では、完全ワイヤレスイヤホンではトップクラスの遅延の低さを実現している。動画やゲームといったアプリで使う際には、通信方式のメリットが発揮される形だ。またaptX LLにも対応しているため、今後対応製品が増えてくるとさらに低遅延かつ高音質で楽しむことができるだろう。



BE Free8を使い込んでみると、人気の要因はユーザビリティーと機能、そして何より音の良さという、本質的な価値が改めて評価された結果だと分かる。激戦の完全ワイヤレスイヤホンの中でも、NuForceの「BE Free8」は、オーディオファンが選ぶ納得のヒットモデルである事が実感できるだろう。

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