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【特別企画】本格オーディオブランドならではの音作り

ポータブル+防水、音にもこだわり抜いたJBLのスマートスピーカー「LINK 20/10」レビュー

公開日 2017/12/22 10:00 折原一也
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ワイヤレススピーカーで磨かれたJBLの高品位なサウンド

では実際に「JBL LINK 20」「JBL LINK 10」を導入して使ってみよう。セットアップの流れは一般的なスマートスピーカーと同様で、本体の電源を入れ、スマホ(AndroidだけでなくiPhoneも対応)のGoogleHomeアプリ経由でWi-Fiを登録する。これでスピーカー単体でもWi-Fi接続が行えるようになり、音声アシスタントも利用可能になる。

本体背面に電源ボタンとマイクのミュートオン/オフボタンを装備

音楽を聴くための定額音楽配信サービスは「Spotify」「Google Play Music」「AWA」に対応しており、アプリ側から登録しておけば、後はスマートスピーカーだけで音楽を聴けるようになる。

セットアップを済ませてスマートスピーカーに声をかける際には「オーケー、グーグル」か、「ねえ、グーグル」で呼びかける。音楽を流す際には「○○を流して」などとアーティストや曲名を言えば、すぐに反応して音楽を流してくれる。

普段から聴き込んでいる楽曲をLINK 20にリクエストしてみる。映画『ラ・ラ・ランド』のサウンドトラックにある『アナザー・デイ・オブ・ザ・サン』も、「アナザー・デイ・オブ・ザ・サンを流して」と曲名を言うだけで、一発で選曲に成功した。

普通の会話くらいの速度で声を掛けてもしっかり反応する

実際のサウンドを聴いてみると、スマートスピーカーでもやはりサウンドは“JBL流”。ピアノの質感は生音らしさを巧みに引き出すし、ミッドには適度に実体感を持たせつつ、ボーカルも自然な響きの中で聴かせる。シンバルの金属音も一定の主張を持たせる一方、ウッドベースの低音は量感と締まりあるサウンドのバランスもJBLらしい絶妙なチューンだ。

部屋全体を満たすサウンドとして、楽器とコーラスも空気感たっぷりに作り上げており、心地よく聴くルームオーディオとしての水準をしっかりクリアしている。

サカナクションの『新宝島』では、電子音の高域まで心地よく伸びやかなサウンドで、ボーカルも含め音空間を巧みに作り上げる。Suchmosの『YMM』はシャープな低音を適度な量感で鳴らし、リズムの刻みは一定のタイトさも確保。ゆったりと音の広がるバランスで、音楽の空気感の再現性に優れていることが分かる。

洋楽のダンス系ミュージックとは基本的に相性が良く、テイラースイフト『Shake It Off』はバスドラムの音の響きと空気感、ハンドクラップも印象的に響く。DaftPunkの『Get Lucky』も低音のビートがタイトで安定感があった。サイズ的は前述のとおり、JBLのCHARGEシリーズに近いが、そのダイナミックなサウンドをベースとして、ルームオーディオ志向でまとめたモデルという印象だ。

部屋の様々な場所に置いて試聴。広い空間を音楽で満たす十分なパワーがある

ひと回り小さい弟モデルであるLINK 10は、サウンドバランスとしては中域をより強化している。『アナザー・デイ・オブ・ザ・サン』を聴いてみると、低域を抑える一方で、ボーカル帯域のクリアネスはLINK 20以上。Suchmosの『YMM』を聴いても、音空間の広がりが感じられ、ゆったりと音楽を部屋を満たす様が心地よい。

テイラースイフト『Shake It Off』のような女性ボーカル曲では、声の帯域をソリッドに描き出す。コストパフォーマンスを考え合わせると、ボーカルメインで聴くならLINK 10の方がよいかもしれない。LINK 20に迫力は譲るが、低音の再生能力も十分だ。さすがは手慣れた本格ブランドのチューニングといったところ。

もちろん、音楽リスニング以外の用途についてもGoogleアシスタントの提供する全機能を利用可能だ。「ニュースを聞かせて」と声をかければNHKラジオの定時ニュースが流れるし、「サッカー日本代表の試合結果は?」と尋ねれば、試合結果も音声で教えてくれる。そのGoogleアシスタントの声も、非常にクリアで聞き取りやすい。

「JBL LINK 20」「JBL LINK 10」に実際に触れて感じるのは、JBLが培ってきたワイヤレススピーカーの製品づくりが随所に生かされているということだ。

持ち歩くのに最適なサイズ感、ボタン操作のわかりやすさ、そしてJBLらしいチューニングが施されたサウンドは、スマートスピーカーとして最大の魅力となっている。各社が製品を展開しているスマートスピーカーだが、しっかりと吟味した上で、ほかにはない特徴を備え、本格オーディオブランドが作り込んだこの2モデルもぜひ検討してみてほしい。

(特別企画 協力:ハーマンインターナショナル)

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