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組み立てながらケースをチェック
それでは各製品のポイントをチェックしていこう。まずケース側のポイントは、組み立ての様子を追いつつ、写真を見ながら確認してもらうのがわかりやすいと思う。
上側のケースに、左下のラズパイボード、右下のDACボードを組み込む。全体として「おおよそカードサイズ」のコンパクトさ 早速ケースのポイント!厚みのある銅板とそれに貼るシールが付属しているがこれは……
ラズパイボードの上、DACボードとの間にこれを挟むことで、ラズパイ側からDAC側に放射されるノイズをシールド。シールは念のための絶縁用 ということでラズパイボードの上にシールドプレートを挟んでDACボードを固定。なおここまでもこれ以降も組み立て作業に必要なのは普通のドライバーと指先だけ
横から確認。下からラズパイボード、シールドプレート、DACボード ケースはこんな感じの分割構成。シャーシはアルミ削り出しの肉厚なものとなっており、対ノイズ・対振動の他、「接続したケーブルの重みに負けにくい設置性」も確保
先に組み上げておいたラズパイ+DACボードをスライドさせたりして滑り込ませるような感じでケースに収め、底面からねじ止め。そして端子パネルをはめ込み…… 天板を装着して全体がしっかり組まれているかを確認したらケース各部をねじ止めして……完成!
例えば端子パネルの凹凸もプラグのゴツいオーディオグレードケーブルにも対応できるようにとの配慮から。「オーディオ用」ケースならではのポイントだ ラズパイボードに装備されているmicroSDスロットへの外部からのアクセスも快適!ここの形状処理もポイント
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組み立て前に戻って「DACボード」をチェック
次に時間を「組み立て前」に巻き戻して、DACボードの方を見ていこう。
DACチップにはBurrBrown PCM5122を採用している。海上氏によると、DACチップの選択にあたっては、音質面での評価はもちろん、「安定して動作するオープンソースのドライバーソフトウェアの存在」も重要なポイントだったとのこと。
ラズパイシステムは主にLinuxを用いて動作させることになる。その環境でDACチップを動作させるにはその環境向けのドライバーが必要であり、その充実度が重要。その点からのPCM5122というわけだ。
なお、ラズパイボードとDACボードは拡張ボード用端子で接続され、伝送方式はI2S。詳細は割愛するがこれによって、USB接続よりも生に近いデジタルオーディオ伝送が可能となる。ここもラズパイオーディオの強みだ。
そのI2S伝送とDACを合わせての最大スペックとしては384kHz/32bit。ただしその全てを引き出せるかはOS等との兼ね合い次第となる。
DACチップ、PCM5122。最新チップ!とかではないが、オープンソースの世界ではある程度「枯れた」ハードウェアの方が力を発揮しやすいことも多々ある この拡張ボード端子GPIOでの接続を利用してI2S伝送を実現