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キャリブレーションの第一人者が紹介

日本でもブレーク間近? “基礎の基礎” からわかる「映像キャリブレーション」解説

公開日 2018/08/13 07:00 鴻池賢三
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キャリブレーション、今後の展開は?

筆者はキャリブレーションの世界に足を踏み入れて10年以上になる。映像装置の評価は、まず「土台を整える」のが重要と考えているからだ。一般ユーザーに対しては世界で当たり前になっている「キャリブレーション」の啓蒙活動を、メーカーに対してはキャリブレーション機能の搭載と、より低い費用で行える仕組みを提案し続けてきた。

実際、映像機器は海外でキャリブレーション機能の搭載要望が多く、近年、日本モデルでも利用できる製品が増えて来たのは喜ばしい。JVCのプロジェクター、パナソニックのテレビ、LGのテレビは既に取り組んでいて、最新の最上位モデルはCalMANのオートキャリブレーションにも対応している。

費用を抑えることについては、測定用センサーにカメラ(スマホは難しいとしても、コンパクトデジタルカメラ)、測定用パターンはレコーダー/プレーヤーあるいはテレビ内部で生成するなども技術的には可能だろう。

近い将来、手間や費用が気にならないレベルまで抑えられ、キャリブレーションが当たり前になれば、制作者の意図が家庭でも忠実に再現され、ひいては映像文化のさらなる向上に繋がればと願っている。

Spectracal社長のMartin Fishman氏とも話す機会があったが、今後は、全ての要素をテレビに内蔵する方向でも開発を検討しているとのことで、こうした動きにも期待したい。キャリブレーションは趣味ではなく「当たり前」であるべきだからだ。

今後は、コンテンツのクオリティーにこだわりを持つNetfllixが主導権を持つ可能性があり、事態は急速に進展するかもしれない。

(鴻池賢三)

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