環境配慮素材で“水に浮く”スピーカー
自然に優しく、音も優秀! House of MarleyのBluetoothスピーカー「NO BOUNDS」レビュー
音が鳴った瞬間、「お!いいな」と思わず声に出してしまった。筆者は近年数多くのBluetoothスピーカーを聞いてきたが、一言でいうならNO BOUNDS SPORTの音は透明感がありナチュラル、そして聴きごたえがあるのだ。ボーカルは明瞭で、打楽器の音にもグルーブが感じられる。迫力ある重低音だけ追い求めるのではないフラットなバランスが、筆者には好印象だ。
それではJ-Popではどうだろうか? miwaのベストアルバム『miwa THE BEST』をかけてみると、ギターとボーカルのバランスが良く、長時間気持ちよく音楽が聴ける絶妙なチューニングに感心した。また、360度音を放出するので設置場所の自由度も高く、ボリュームを上げても音が崩れにくいのが良い。
■外見以上に音がいい!コンパクトサイズの「NO BOUNDS」
続いてご紹介するのは、円形で平たい小型のBluetoothスピーカー「NO BOUNDS」だ。連続再生時間は最大約10時間を確保。本体を2基ペアリングしてのステレオ再生機能にも対応する。
またNO BOUNDS SPORTも同様だが、マイクを内蔵しているため、Bluetooth接続中はハンズフリー通話ができるし、MacやiPhoneと組み合わせてSiriを利用することも可能だ。
手の上に乗せられるほど小型なボディのNO BOUNDSだが、こちらのデザインもHouse of Marleyらしいデザインが一貫しており、スピーカー面にREWINDファブリックがあしらわれ、側面部はREGRINDシリコン、底面部はコルクとシリコンで構成されている。
そして何よりも嬉しかったのは、外見から予想していた以上に音が良いのだ。試聴にはNO BOUNDS SPORTの時と同じく『Exodus』『miwa THE BEST』を再生したのだが、底面から上部に向けてスピーカーユニットが付いていることと、平たいボディによって設置面との安定性が高いことが功を奏しているのか、音の飛び出しが良く低域の質感表現も明瞭で、バスドラムにもキレがある。小型の割に高域から低域までのレンジも広い。
なお、NO BOUNDSもIP67 の防塵防水能力を持っているのだが、水に入れても平気などころか“水に浮く”設計になっているのもユニークな点。実際に浴室に持ち込んで、水に浮かべながら音楽再生を試してみた。浴室で音質レビューしたのは初めてだが、なかなか楽しい。
浮かべた際の安定感はよく、波を立ててもひっくり返ったりしない。また、浴室のように音が強く響く場所でも、透明感ある高域のおかげでグルーブ感は損なわれなかった。Bluetoothスピーカーを水場に持ち込んで音楽を楽しむ方は多いと聞くが、そういった方々にとっては嬉しい仕様となるだろう。
今回紹介した両モデルには、中高域の聴き心地の良さや、低域の量が自然である点など、音質傾向に一貫性があった。同じシリーズでも音の傾向がまったく違うスピーカーを発売するメーカーも多い中、良い音とは何かということを同じ姿勢で追求していると感じられるサウンドだ。
そしてもちろん、ライフスタイル誌やファッション誌にも掲載されていそうな、素晴らしいプロダクトデザインも魅力である。ボブ・マーリーのファンにはもちろん、デザイン性が高くて良い音を鳴らすBluetoothスピーカーを求めている方には最適なシリーズだろう。
(土方 久明)