【特別企画】同価格帯では引き出せない持ち味
防水対応でさらにコスパアップ! AVIOTのネックバンド型BTイヤホン「WE-D01b」を聴いた
■同価格帯のイヤホンには引き出せない本機だけの見事な持ち味
それではWE-D01bの実力に迫ってみよう。Bluetoothのオーディオコーデックは、音と遅延性能の両面でクオリティに勝るaptXとAACにも対応した。この価格帯のワイヤレスイヤホンとしては珍しく、英断と言うほかない。今回はソニーのXperia XZ2とペアリングして聴いてみた。
内田真礼のアルバム『Drive-in Theater』から「5:00AM」はボーカルの生々しさに息を呑んだ。中高域がとても伸びやかで、抜け味の爽やかさはBluetoothイヤホンの限界を超えている。今までに聴いたことのない音楽の風景を垣間見せてくれる。
声のアウトラインが明瞭に描かれ、やさしいふくよかさにも恵まれている。パーカッションの異なる楽器の音色も濃く描き分けられて楽しい。唸りをあげるエレキベースの熱量も体の芯にまで伝わってきた。
本機にはSpinFitのイヤーピースも付属する。実に太っ腹なパッケージだ。プリセットのシリコンイヤーピースから交換してみると、ボーカルにみずみずしい張りが加わって、ピアノの音色が一段と艶めいてきた。エレキベースの低音も足元が安定して音の彫りが深くなる。
聴く楽曲やリスニング環境によって使い分けながら楽しめそうだ。AVIOTの製品を取り扱うバリュートレードでは、本機は使い込むほどに鳴りっぷりが豊かさを増してくると説明している。ユーザーにとっては嬉しい限りだ。
グルーブ感あふれる東京スカパラダイスオーケストラのバンドサウンドとの相性もとても良かった。アルバム『Paradise Has No Border』の「嘘をつく唇」を聴いてみると、分離感に富む広々とした音場が見渡せる。
カラッとして底抜けに明るいバンドの爽やかな楽器の音色と、片平里菜のしっとりと絡みついてくるような歌声のコントラストがしっかりと立った演奏についのめり込んでしまう。するどい切れ味とフラットなバランス感覚は、恐らく同価格帯のイヤホンには引き出せない、本機だけの見事な持ち味だ。
WE-D01bは、これでもかと言わんばかりにAVIOTらしいこだわりをすべて詰め込んだ、贅沢なワイヤレスイヤホンだ。
最近はiPhoneをはじめ、Xperia XZ3やPixel 3シリーズなど、アナログイヤホン端子を持たない端末が増えている。初めてのワイヤレスイヤホンを探している方に、買って間違いのない選択肢の一つとして、WE-D01bをおすすめしたい。
(山本 敦)