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【特別企画】実際に走って試した

スポーツにも、ふだん使いにも。オーディオテクニカの完全ワイヤレスイヤホン「ATH-SPORT7TW」を試す

公開日 2018/12/03 06:00 山本 敦
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体も徐々に温まってきたので、続いてtofubeatsの『First Album』から「ディスコの神様」に楽曲を切り替えてペースアップしていく。弾力感のあるビートとフレッシュなボーカル。雑味のない音場感の見晴らしの良さは、さすがSONICSPORTシリーズに名前を連ねるイヤホンだけのことはある。シンセサイザーの和音もふわっと軽やかに広がる。滑らかで一体感あふれるグルーヴが体に染み込んで、代わりに体にたまる疲れが解れていく。ダンスミュージックとの相性は絶妙だ。

装着性や機能性だけでなく、オーディオテクニカらしいサウンドを実現しているATH-SPORT7TW。ダンスミュージックとの相性は特に絶妙だと感じた

続いてクイーンのライブアルバム『Queen Rock Montreal』から「We Will Rock You(Fast)」を再生して、限界までペースアップに挑む。にじみ出してきた体の疲れをクリーンなボーカルのハイトーンが洗い流し、熱のこもったダイナミックなドラムスのリズムが背中を押す。目の前には見晴らしの良い雄大なステージの情景が広がり、不思議な高揚感に包まれながら走る。活き活きとした煌びやかなエレキのメロディが、激しいアクティビティと相まって、一本の太く明るい道を足もとに描いて照らしてくれるような感覚を味わえる。


音楽のニュアンスまで再現。ヒアスルー時のサウンドも実用的だ

目標とした距離を無事に走り切って、最後にボーイズ・トゥー・メンのバラード「End Of Road」を選曲して体をクールダウンする。幾層にも重なるコーラスのハーモニーが混じり合って、フォーカスがボヤけることなくきれいに広がっていく。華やかな雰囲気だ。耳元に心地よい余韻を残しながら、音の粒子が静寂に溶けていくのもいい。ハスキーな声の質感、息づかいやビブラートの表情も自然に浮かび上がらせ、細かいニュアンスの再現力にも長けている。さすがオーディオテクニカのイヤホンだ。ギターやパーカッションのディティールも鮮やかに粒立つ。アクティビティを終え、音楽がまるで冷たい水のように乾いた体に染み渡った。

ヒアスルー機能も実用的。スポーツだけでなく、日常の様々なシーンで活躍してくれるはずだ

通常のシリコン製イヤーチップからComplyの低反発フォームのイヤーチップに切り替えるとフィット感が向上するだけでなく、中高域の透明感はそのままに、低域の音がより引き締まる。通勤電車、賑わうカフェなどで音楽を聴く場合は遮音性も高まるのでおすすめだ。リスニングシーンに応じて賢く使い分けたい。

便利なヒアスルー機能もオン・オフを切り替えることによって音のバランスが崩れることはなかった。外の音にも気を配りながら音楽を聴きたい時には積極的に使っていいと思う。



きっと多くのオーディオテクニカのファンが待ち望んでいた完全ワイヤレスイヤホンだが、そのひとつである「ATH-SPORT7TW」は、SONICSPORTシリーズの名に恥じない満足度の高いモデルに仕上がっていた。スポーツシーンに限らず、カジュアルに音楽を聴きたいシーンに幅広く活躍してくれるだろう。

(山本 敦)

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