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オンイヤー/オーバーイヤーで音の変化も楽しめる

音もルックスも良いワイヤレスヘッドホン、欲張りな願いがMASTER&DYNAMIC「MW50+」なら実現する

公開日 2019/01/24 06:00 草野晃輔
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(1)Bluetooth接続×オンイヤー
まず、Bluetooth接続×オンイヤーで試す。再生した途端に、パンチ力のある低域が耳に飛び込んでくる。音場空間はやや狭く感じられることもあってか、近距離でベースラインが力強くうねる。中高域は濃密で浸透力があるサウンドだ。低域のパワフルさと比べると控え目に思えるかもしれないが、決して弱々しい感じはない。

パンチ力のある低域が特徴

持ち運んで使うことを考慮して、Bluetooth接続については、電車内でも試した。オンイヤーでは音の力強さが功を奏して、ボーカル、コーラスとも騒音に負けずにしっかり味わえた。

(2)Bluetooth接続×オーバーイヤー
次はBluetooth接続×オーバーイヤーだ。Bluetooth接続のまま、イヤーパッドをオーバーイヤーに交換する。音場が一気に広がって、サウンドが一歩離れた自然な距離感で展開される。低域は力強さを帯びつつも押しの強さが控え目になり、中高域とのバランスがフラット。スピーカーで聴いているような感覚だ。

音場が一気に広がり、まるでスピーカーで聴いているよう

解像感も高く、音の立ち上がりがクリアで、キレ味鋭いサウンドを愉しめた。耳を覆うイヤーパッドのおかげで遮音性が高いため、電車内の試聴では騒音に負けず、音のディテールが崩れることはなかった。

(3)有線接続×オンイヤー
電源をオフにして付属のリケーブルでGRANBEATに接続し、有線×オンイヤーで試聴する。耳とイヤーパッドの間にあった布がなくなったかのように、一聴して音がクリアーになったのが分かる。サウンド傾向自体はBluetooth接続×オンイヤーと変わらず、こちらの組み合わせでも力強いサウンドが近距離で耳に届く。

シンバルやハンドクラップなど塊になりやすいサウンドが明瞭になりつつも、押しの強さはそのまま。Bluetooth接続で音の情報が減っていた分、いい意味でマスクされていた音をぐっと引き出したような演出で、少し聴き疲れしやすいかもしれない。

(4)有線接続×オーバーイヤー
最後は有線×オーバーイヤーの組合せ。こちらもベールが一枚剥がれたかのようにサウンドがクリアになる。当然ながら、4パターンの中で最も音場空間が広く、左右に移動する装飾音も定位まではっきり分かる。驚いたのは、他の3通りよりもイントロ部の音の歪みが違和感なく聴けたことだ。制作者の意図通り音を再現できていることの証といえるだろう。

左右に移動する装飾音も定位までくっきり再現する

4パターンの中で最も楽曲の良さを引き出していたと思うのは、(4)有線接続×オーバーイヤー。現代的なフラットサウンドを楽しめた。だが(1)Bluetooth接続×オンイヤーと(2)Bluetooth接続×オーバーイヤーでのサウンドも、ワイヤレス再生にありがちな音の軽さがなく、有線接続と思えるほど濃密なサウンドを再生してくれる。

敢えて違いを付けるなら、力強い低域を味わいたいなら前者、フラットサウンドを求めるなら後者が良いだろう。(3)有線接続×オンイヤーも他の組合せに劣るわけではなく、ロックやプログレなど、ビートの激しい曲では迫力あるサウンドをしっかりと楽しめる。



聴く曲や気分によって音を変化でき、1台で4通りの音を楽しめるMASTER & DYNAMIC「MW50+」。予想実売価格は48,000円前後と、一見「高い」と思う方もいるかも知れない。だが、オンイヤーとオーバーイヤーをいいとこ取りしたサウンドと使い勝手、高級感たっぷりの外観の相乗効果により、コストパフォーマンスは高いといえる。アクティブに外で音楽を聴くもよし、室内でじっくりリスニングを楽しむもよし、ユーザーが求める多くのニーズに応えてくれるヘッドホンだ。

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