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デザイン良し!音良し!"ハイレゾクイーン”井筒香奈江さんもマランツ「M-CR612」に驚いた
すごい! 最上位システムとの値段差をあまり感じさせないクオリティ
スピーカーをB&Wの「705S2」(ペア・税抜336,000円)に換えてM-CR612と接続した。それにしても、尾形氏はM-CR612の本体価格からすると随分と価格の高いスピーカーを選んだものだ……しっかり駆動してくれるのだろうか?
M-CR612は4チャンネル分のアンプを搭載しているが、まずはそのうち2チャンネル分を使う、標準設定のアンプ駆動モード「スタンダード」(左右それぞれのスピーカーを、+/-で接続する一般的な接続方法)で改めて「Songbird」を再生した。
「すごい!」井筒さんから声が出た。「これは音が良いですね。さっきの最上位システムとは価格でいうと10倍くらい違うけど、それを感じさせない音が出てます」と僕も納得する。
尾形氏が最初に”あえて”最上級のシステムで音を効かせた理由が分かった。M-CR612と705S2の組み合わせは、先ほど聴いた上位システムのエッセンスを受け継ぐよう音が良さを持つ。当然、M-CR612も尾形氏が音を決めているので、先ほどのシステムとニュアンスが似ているのだが、この音を聴いて不満が出る人はまずいないと思う。
「M-CR612が上位モデルのスピーカーもしっかり鳴らしていたことが分かっていただけましたでしょうか。実は、先ほど聴いた800 D3と組み合わせることもありますが、なかなかの駆動力で鳴らしてくれるんですよ」と尾形氏は嬉しそうに語る。
■この価格帯のコンポーネントにまさかの搭載。「バイアンプ接続」の実力がすごい
これは全然違う!ミュージシャンにやる気が出た感じ(笑)
しかしM-CR612の音質的な可能性はまだまだ終わりではない。本機は4チャンネル分のアンプを搭載しているから、高域用と低域用にそれぞれ1組ずつスピーカー端子を持つ707 S2であれば、それぞれを1つのアンプで駆動する「バイアンプ」モードを利用できるのだ。尾形氏がリモコンを手に取り本体の設定メニューから手早く「バイアンプ」を選択した。こんな時、フロントパネルに備わる有機ELディスプレイは視認性が良く、快適な操作を後押ししてくれる。
そして改めて、Songbirdを再生する。イントロのピアノの音が出た瞬間、「全然違う」と井筒さんが驚嘆の声を上げる。「これは違うわ」を連呼する井筒さん。尾形氏も「結構違いますね、演奏に感情が出てきました」と納得の表情だ。
「ミュージシャンにやる気が出た音がする!そのくらい変わったわ、機材が変わったように音が良くなります」と井筒さんは大喜び。それにしてもバイアンプ接続により高域と低域の干渉がなくなるメリットは計り知れなない「音に滲みがなくなりましたね。先ほど聞いた800 D3に近い表現になりました」と尾形氏もいうが、「私の使っているロジャースのLS3/5Aも、この接続方法が試せる!」と井筒さんの目が輝いていた。ここから皆がM-CR612の価格を忘れて、音に惹かれながら聴いていた。
■DALI「OBERON1」と組合せ。10万円台のシステムの実力は?
最後はさらに価格をリーズナブルなものに変更。デンマークの人気スピーカーメーカー、DALI(ダリ)のエントリー・ブックシェルフスピーカーの「OBERON1」(ペア・税抜57,000円)とM-CR612を組み合わせた。
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