【特別企画】3年保証でより長く愛用できる
伝説的ヘッドホン、復活。AKG「K701-Y3」のサウンドは今なお魅力的だ
筆者の本格的なオーディオ趣味はヘッドホンから始まった。まず、大学時代の集合住宅暮らしの友として、一念発起して3万円台の開放型ヘッドホンを購入、あまりの音の良さに人生が変わった。続いて、同クラスの密閉型ヘッドホンを購入、開放型と密閉型の違いを含め、ヘッドホンの奥深さに触れた。
その次に欲しいと考えたのが、自分にとって “決定版” となるヘッドホン。筆者が選んだのは、ちょうどその頃発売が予告されていたAKG 「K701」だった。実物を見も聴きもせず、発売から間もなく購入したが、その選択を後悔したことは、今に到るまで一度としてない。
月日は流れ、K701は代理店の移り変わりや後継モデルの登場などにより国内正規品の販売が終了していた。しかし今回、ファンからの根強い人気を受けて、ヒビノが取り扱いを開始。プロフェッショナルな音楽制作用途に向け、ヒビノ独自の1年保証を加えた3年保証モデル「K701-Y3」として展開されることになった。
優れた製品の絶対的な価値は、たとえ時代が変わったところで容易に陳腐化するものではない。今に到るまでK701を愛用してきたいちユーザーとして、K701-Y3の発売と、その原動力となったという “ファンからの根強い人気” は、喜ばしい限りである。
■後のヘッドホンにも大きな影響を及ぼした、高音質を実現する技術の数々
それでは、あらためてK701がどのようなヘッドホンかおさらいしてみたい。K701は、2006年当時のAKGの最新技術が導入された開放型ヘッドホンである。その純粋な再生能力の高さは、音楽制作用というだけでなく音楽鑑賞用としても活かされる。
耐久性も折り紙付きで、現に筆者所有のK701は、イヤーパッドの交換こそ行ったものの13年以上にわたって1度の故障もなく現役であり、耐久性の高さを実証している。今回、K701-Y3として3年保証が付属することで、より一層安心して長期間使い込むことができるだろう。
電気信号への俊敏な反応を実現する、リボン状のワイヤーを使用して小型・軽量化された「フラットワイヤー・ボイスコイル」、2種類の素材を組み合わせた「TWO-LAYERダイヤフラム」、ダイヤフラムの厚みを中心部と外縁部で変え、分割振動を抑制する「バリモーション・テクノロジー」など、K701で採用されている技術は、その後さまざまなAKGのヘッドホンに引き継がれていった。滑らかなベロア素材を使ったイヤーパッドとセルフアジャスト機能採用のヘッドバンドにより、良好な装着感も実現されている。
筆者が所有する初期モデルの「K701」と「K701-Y3」を比べてみると、パッケージデザインとヘッドバンドのこぶ状クッションの有無という違いはあるものの、本質的には同等と言って差し支えないだろう。
■目覚ましい解像感とふくよかな中低域が魅力。縁の深いあのアニメ曲も気持ちよく聴ける
13年以上も聴き続けている筆者にとって、K701はまさに「ヘッドホンのリファレンス」となって久しいが、今あらためて聴き込んでも、K701-Y3の音にはなにかしら不満を覚えるようなところがない。2006年当時にはまだ存在していなかったハイレゾ音源を再生しても、曲に含まれる潤沢な情報量をしっかりと描写できていると感じる。
解像感の高さは目覚ましく、楽器編成が大規模な曲であっても混濁することなく、一音一音が克明に描かれる。パーソナルな空間に極めて明瞭な音が横溢する様は、まさにヘッドホン・リスニングの醍醐味であり、スピーカー再生とはまた別の魅力が間違いなく存在する。
K701-Y3は高度な解像感を備える一方で、決して高域の切れ味一辺倒などではなく、響きの豊かさとふくよかな質感の中低域も特徴といえる。そのおかげで、音源の粗探しをするようなシビアな聴き方、心躍る音楽鑑賞、どちらでも求めるものを叶えてくれる。どのようなジャンルの再生も余裕綽々でこなすが、特に女性ボーカルやアコースティックな楽曲では本機の繊細さや透明感が最大限に活かされ、相性は抜群だ。
さて、このモデルについて語るうえで、2009年に放映されたアニメ『けいおん!』は避けて通れない。というのも、同作の第5話にて、登場キャラクターの秋山澪が装着していたヘッドホンがK701だったのである。結果、K701に付いた愛称はずばり「澪ホン」。
澪のキャラクター人気も相まってK701はアニメファンから大きな注目を集め、高級ヘッドホンという枠内では異例の販売を記録したという。それ以来、筆者もK701を使っていることに関して幾度となく「『けいおん!』好きなの?」とか「澪好きなの?」とか聞かれることになった。当時の筆者としては、女子高生がどんな機器でK701を鳴らしているのか気になったものである。
いずれにせよ、K701、ひいてはAKGというブランドを広く知らしめたという意味で、『けいおん!』の果たした役割は大きかった。放送から10年目を迎える今年も、アニメソングライブイベント「Animelo Summer Live 2019 -Storie-」に声優陣のユニット・放課後ティータイムがサプライズ出演、おおいに会場をわかせたというニュースが記憶に新しい。そんな『けいおん!』の劇中歌の数々を、K701-Y3で聴くのもまた一興。音圧が高く、凝縮された感のある放課後ティータイムの楽曲も、K701-Y3にかかれば容易に解きほぐして気持ちよく聴くことができる。
◇
繰り返しになるが、優れた製品は時代を越えて価値を保ち続ける。高額な製品も数多く登場し、隆盛を極める昨今のヘッドホンジャンルにおいても、K701-Y3の絶対的な音質はなんら魅力を失っていない。22,000円前後という実売価格も、K701-Y3の能力を考えれば、コストパフォーマンスも凄まじい高さと言うほかないだろう。
(企画協力:ヒビノ株式会社)
その次に欲しいと考えたのが、自分にとって “決定版” となるヘッドホン。筆者が選んだのは、ちょうどその頃発売が予告されていたAKG 「K701」だった。実物を見も聴きもせず、発売から間もなく購入したが、その選択を後悔したことは、今に到るまで一度としてない。
月日は流れ、K701は代理店の移り変わりや後継モデルの登場などにより国内正規品の販売が終了していた。しかし今回、ファンからの根強い人気を受けて、ヒビノが取り扱いを開始。プロフェッショナルな音楽制作用途に向け、ヒビノ独自の1年保証を加えた3年保証モデル「K701-Y3」として展開されることになった。
優れた製品の絶対的な価値は、たとえ時代が変わったところで容易に陳腐化するものではない。今に到るまでK701を愛用してきたいちユーザーとして、K701-Y3の発売と、その原動力となったという “ファンからの根強い人気” は、喜ばしい限りである。
■後のヘッドホンにも大きな影響を及ぼした、高音質を実現する技術の数々
それでは、あらためてK701がどのようなヘッドホンかおさらいしてみたい。K701は、2006年当時のAKGの最新技術が導入された開放型ヘッドホンである。その純粋な再生能力の高さは、音楽制作用というだけでなく音楽鑑賞用としても活かされる。
耐久性も折り紙付きで、現に筆者所有のK701は、イヤーパッドの交換こそ行ったものの13年以上にわたって1度の故障もなく現役であり、耐久性の高さを実証している。今回、K701-Y3として3年保証が付属することで、より一層安心して長期間使い込むことができるだろう。
電気信号への俊敏な反応を実現する、リボン状のワイヤーを使用して小型・軽量化された「フラットワイヤー・ボイスコイル」、2種類の素材を組み合わせた「TWO-LAYERダイヤフラム」、ダイヤフラムの厚みを中心部と外縁部で変え、分割振動を抑制する「バリモーション・テクノロジー」など、K701で採用されている技術は、その後さまざまなAKGのヘッドホンに引き継がれていった。滑らかなベロア素材を使ったイヤーパッドとセルフアジャスト機能採用のヘッドバンドにより、良好な装着感も実現されている。
筆者が所有する初期モデルの「K701」と「K701-Y3」を比べてみると、パッケージデザインとヘッドバンドのこぶ状クッションの有無という違いはあるものの、本質的には同等と言って差し支えないだろう。
■目覚ましい解像感とふくよかな中低域が魅力。縁の深いあのアニメ曲も気持ちよく聴ける
13年以上も聴き続けている筆者にとって、K701はまさに「ヘッドホンのリファレンス」となって久しいが、今あらためて聴き込んでも、K701-Y3の音にはなにかしら不満を覚えるようなところがない。2006年当時にはまだ存在していなかったハイレゾ音源を再生しても、曲に含まれる潤沢な情報量をしっかりと描写できていると感じる。
解像感の高さは目覚ましく、楽器編成が大規模な曲であっても混濁することなく、一音一音が克明に描かれる。パーソナルな空間に極めて明瞭な音が横溢する様は、まさにヘッドホン・リスニングの醍醐味であり、スピーカー再生とはまた別の魅力が間違いなく存在する。
K701-Y3は高度な解像感を備える一方で、決して高域の切れ味一辺倒などではなく、響きの豊かさとふくよかな質感の中低域も特徴といえる。そのおかげで、音源の粗探しをするようなシビアな聴き方、心躍る音楽鑑賞、どちらでも求めるものを叶えてくれる。どのようなジャンルの再生も余裕綽々でこなすが、特に女性ボーカルやアコースティックな楽曲では本機の繊細さや透明感が最大限に活かされ、相性は抜群だ。
さて、このモデルについて語るうえで、2009年に放映されたアニメ『けいおん!』は避けて通れない。というのも、同作の第5話にて、登場キャラクターの秋山澪が装着していたヘッドホンがK701だったのである。結果、K701に付いた愛称はずばり「澪ホン」。
澪のキャラクター人気も相まってK701はアニメファンから大きな注目を集め、高級ヘッドホンという枠内では異例の販売を記録したという。それ以来、筆者もK701を使っていることに関して幾度となく「『けいおん!』好きなの?」とか「澪好きなの?」とか聞かれることになった。当時の筆者としては、女子高生がどんな機器でK701を鳴らしているのか気になったものである。
いずれにせよ、K701、ひいてはAKGというブランドを広く知らしめたという意味で、『けいおん!』の果たした役割は大きかった。放送から10年目を迎える今年も、アニメソングライブイベント「Animelo Summer Live 2019 -Storie-」に声優陣のユニット・放課後ティータイムがサプライズ出演、おおいに会場をわかせたというニュースが記憶に新しい。そんな『けいおん!』の劇中歌の数々を、K701-Y3で聴くのもまた一興。音圧が高く、凝縮された感のある放課後ティータイムの楽曲も、K701-Y3にかかれば容易に解きほぐして気持ちよく聴くことができる。
繰り返しになるが、優れた製品は時代を越えて価値を保ち続ける。高額な製品も数多く登場し、隆盛を極める昨今のヘッドホンジャンルにおいても、K701-Y3の絶対的な音質はなんら魅力を失っていない。22,000円前後という実売価格も、K701-Y3の能力を考えれば、コストパフォーマンスも凄まじい高さと言うほかないだろう。
(企画協力:ヒビノ株式会社)