HOME > レビュー > 【AAEx2020受賞】イタリア発ブランド「DMSD」の制振アクセサリー実力徹底検証!

プロの現場生まれで高音質ソフト制作スタジオでも好評

【AAEx2020受賞】イタリア発ブランド「DMSD」の制振アクセサリー実力徹底検証!

公開日 2020/01/30 10:12 岩井 喬
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

DMSD製品それぞれの効果を試聴レポート
■いずれも色づけすることなく、澄んだサウンドを実現する

DMSD 60PRO
まず、インシュレーターの「DMSD 60PRO」をフロア型スピーカーシステムのTAD-M1に用いたが、低域方向の引き締め効果が高く、クラシックの音場はクリアに展開。管弦楽器の旋律も付帯感なく鮮明に浮き立つ。解像度や余韻の階調性も高まり、リアリティあるサウンドである。静けさの表現もより良くなり、リズム隊のアタックも切れ味良く描く。ヴォーカルをはじめとする楽器の定位はシャープさが際立ち、歪み感のないスムーズで音離れ良い表現としている。S/Nも高く、リヴァーブの消え際まで明確につかみ取ることができた。

インシュレーターの「DMSD 60PRO」。耐荷重は4個で180kg。航空グレードのメタルで特殊配合のアンチバイブレーションラバーを挟み込むような構造となっている

DMSD 50
続いてブックシェルフ型スピーカーシステムのパラダイムPERSONA Bへ、小型インシュレーターの「DMSD 50」を用いたが、同製品の重量は14kgなので推奨耐荷重を若干超えるものの、音を聴く限り、その改善効果は十分に認められる。傾向は「60PRO」に準じるが、音場の透明度が向上。管弦楽器の旋律も澄み渡り、鮮やかに描く。低域も引き締め、落ち着き良くまとめてくれる。音像定位もシャープで見やすく、質感もリアルにトレース。低域方向の階調性も細やかで、奥行きも深く見通しが良い。ヴォーカルは肉づきと口元のハリ感をバランス良く表現。スッキリした音伸びの良さと、立体的な音像表現力、弾力良く密度のあるベースを聴かせてくれる。実に生々しく爽やかなサウンドだ。

小型インシュレーターの「DMSD 50」。推奨耐荷重は4個で12kgまでの小型〜中型ニアフィールドモニター専用設計

Decoupling Feet For Turntables
最後に、レコードプレーヤー系アイテムの確認である。ラックスマンのアナログプレーヤー、PD-171Aにターンテーブル/レコードプレーヤー用インシュレーターの「Decoupling Feet For Turntables」をネジ無しで設置したが、音場が整理され、S/N良く、音像はキレ良く浮き上がり、余韻も明確に描写。低域も締まり良くアタックのキレも鮮明で、楽器の前後感も分かりやすくなった。

ネジを外した「Decoupling Feet ForTurntables」。プレーヤーの下に挿入して使用。耐荷重は4個で30kg

Turntable Stabilizer
さらに、ディスクスタビライザーの「Turntable Stabilizer」を追加すると、リズム隊の重心が下がり、ヴォーカルも艶良くスッキリと滑らかに描き出す。個々のパートも分離良くニュアンス細かくまとめ、リアルさがより深まった。

「Turntable Stabilizer」には、同社スピーカー用インシュレーター 「DMSD 60PRO」にも使用されるエアークラフトグレードのマテリアルを使用し、優れた制振技術を持つ

DMSDのアイテムが持つ共通の傾向は、色づけのなさと、中低域方向の制動性の高さ、歪み感のない澄んだサウンド性にある。設置面からの影響を最小限に抑える点でも効果は高く、オーディオアクセサリーとしては比較的リーズナブルに抑えた価格であることも魅力のひとつといえるだろう。


【製品の主な仕様】
【DMSD 60PRO】デカップリング・インシュレーター●耐荷重:180kg/4個●サイズ:約65H×約60φmm
【DMSD 50】デカップリング・インシュレーター●推奨耐荷重:12kg/4個●サイズ:約45H×約50φmm
【Decoupling Feet For Turntables】ターンテーブル/レコードプレーヤー用インシュレーター●推奨耐荷重:30kg/4個●取りつけネジ規格:M6●サイズ:約45mm(取りつけ足含む)、約36mm(取りつけ足含まず)●カラー:レッド、ブラック(国内限定カラー)
【Turntable Stabilizer】ターンテーブル/レコードプレーヤー用ディスクスタビライザー●材質:アルミ二ウム エアークラフトグレード●サイズ:約85φmm●質量:約530g●取り扱い:ミックスウェーブ(株)
本記事は季刊・オーディオアクセサリー vol.174 AUTUMNからの転載です。本誌の詳細および購入はこちらから。

前へ 1 2

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック: