シリーズ最強カメラや大きさなどを総チェック
iPhone 12 Pro Max/iPhone 12 miniレビュー。最大と最小モデル、それぞれの魅力
■歴代iPhoneとサイズを比較。iPhone 12 miniはこんなにコンパクトだ
iPhone 12 miniは、5.4インチのSuper Retina XDR有機ELディスプレイを搭載する、オールスクリーンデザインになってから最小サイズのiPhoneだ。アップルが10月に実施したiPhone 12シリーズの発表会では「世界最小サイズの5Gスマホ」でもあることを強調していた。
実機を見てみると、筆者が想像していたよりもコンパクトだった。こちらも6.1インチのiPhone 12と並べると、その差がよくわかるだろう。また、4月に発売された第2世代のiPhone SE(4.7インチのRetina HDディスプレイを搭載)より本体の縦横サイズが小さい。そして質量も、15gほどiPhone 12 miniの方が軽い。
とはいえ4インチのiPhone 5sと並べると、さすがにiPhone 12 miniのサイズが上回る。それにしてもこうして比べると、見慣れたせいもあるだろうが、やはりオールスクリーンデザインになった最新のiPhoneのデザインのほうが洗練されていると思う。Face IDとTouch IDはどちらが便利か意見が分かれるところだと思うが、単純にプロダクトデザインの好みで見比べると、筆者は「もうホームボタン付きのiPhoneには戻れないな」と思う。
男性の場合、ふだんiPhoneをズボンのポケットに入れて持ち歩く方が多くいると思う。iPhone 12 miniは、すっとポケットから出し入れしやすい。筆者はこのごろ6インチ前後のスマホに慣れていたこともあって、このスムーズなハンドリングにとても感動した。
対するiPhone 12 Pro Maxは、ズボンのポケットでは持て余すほどの大きさだ。これから寒くなる冬場はコートやジャケットのポケットに入れればいいが、薄着のシーズンはどうすれば良いのだろうか。1年を通してiPhone 12 Pro Maxを軽快に持ち歩くベストな方法を、今からよく考えておきたい。
■Dolby Visionの4K/HDR撮影が楽しめる世界最小サイズのビデオカメラ
iPhone 12 miniのメインカメラは、広角・超広角のデュアルレンズ仕様。最大4K/30fpsのDolby Vision対応のHDRビデオ撮影に対応した点を含めて、iPhone 12とカメラの仕様はほぼ共通だ。HDRビデオや写真の出来映えも安定しているし、コンパクトでポケットから素速く取り出せるので、シャッターチャンスも逃さない。
ナイトモードと光学式の手ぶれ補正により、暗い場所でも明るく色鮮やかな写真が撮れる。夜景をよりキレイに撮りたい場合は三脚の利用が効果的だ。なおiPhone 12 Proシリーズとの差分として、LiDARスキャナを利用するナイトモードポートレートにiPhone 12 miniが対応していないことも挙げられるが、通常のポートレートモードは、iPhone 12 miniでも前後のカメラで楽しめる。
3分間のHDRビデオ(4K/30fps)を数回ほど撮りっぱなしにしてみたが、バッテリーのゲージはいずれの場合も1%ほど減った。本体が過剰に熱を持つことはなかった。アップルが公開しているスペックシートを見ると、ビデオ再生を連続して行った場合の基準として、iPhone 12は最大17時間、iPhone 12 miniは最大15時間というスタミナの差があるようだ。限られた時間内でしか検証ができていないため、iPhone 12 miniのバッテリー持続性能はもう少し使い込んでから、機会を改めて報告したいと思う。
■動画視聴で選ぶならMax。miniは音楽プレーヤーとしてもちょうどいいサイズ感
iPhone 12 miniが搭載する、Dolby Vision対応のSuper Retina XDR有機ELディスプレイの精細感は、他のiPhone 12シリーズに引けを取っていない。写真表示では色合いやコントラストのバランスが良く、自然な奥行き方向への立体感がある。筆者の場合、大きい画面の方が映画や電子書籍などのコンテンツが見やすいのでiPhone 12 Pro Maxを選んでしまったが、ポータブルオーディオプレーヤー代わりとして考えた際のサイズ感は、iPhone 12 miniのほうが良い。スマホで音楽再生を中心に楽しむ方には、iPhone 12 miniが向いていると思う。
またiPhone 12 miniも、アップル純正のMagSafeワイヤレス充電器などの新しいMagSafeアクセサリーに対応する。小さくて高性能なiPhoneを基点に、本機と合体してMacBookのようになるディスプレイ付きキーボード、電子楽器、身に着けて生体データが取れるウェアラブルデバイスなど、iPhoneの機能を拡張する独創的なMagSafeアクセサリーが誕生してほしいものだ。
これで5G対応になった今年の4つのiPhone 12シリーズが出そろうことになる。どれも楽しみ甲斐があるモデルであることは間違いない。