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『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』4D上映を比較!4DX/MX4D、観るならどっちが良い?
■MX4Dにしかない、5色ストロボが鬼滅の“呼吸法”を演出
4D上映のひとつめ。まずはTOHOシネマズ系が主に導入している「MX4D」である。米国MediaMation社が開発したシステムで、公式には11種の効果が紹介されている。4Dの効果の数え方は、動くシートの機能をひとつずつ数えるかどうかでも違うし、2種以上の効果を組み合わせて新しい呼称を付けることで増えることもある。
《MX4Dの効果例》
1) シート(前後・左右・上下)
2) ウインド/エアーブラスト(頭部・顔への空気噴射)
3) バックポーカー(背中をつつく)
4) ネックティクラー(首元に空気噴射)
5) セント(香り)
6) フォグ(霧)
7) LEDストロボ(白・赤・青・緑・橙の5色)
8) シートホッパー(尻の突き上げ)
9) ウォーターブラスト(水しぶき)
10) レッグティクラー(足元に触れる噴射)
11) ランブラー(地響き振動)
後述する「4DX」で同じ数え方をすると、その効果は17種類あり、数だけでは4DXの圧勝のように見えるが、作品によって効果のセッティングは異なり、実際には相性がある。
『鬼滅の刃』では鬼退治をするため、登場する鬼殺隊(きさつたい)のメンバーが、“呼吸法”と呼ばれる操身術を持っている。本作では「水の呼吸」や「炎の呼吸」などが出てくるのだが、「MX4D」では独自効果として、左右の壁上部に並ぶLEDストロボライトを最大活用している。白・赤・青・橙・緑に色が変わる。「4DX」にはない(白のみ)。
もうこれだけで「MX4D」のアドバンテージが高いと言える。主人公・竈門炭治郎(かまどたんじろう)が日輪刀を斬りつけるときに発する「水の呼吸」の型名に合わせて、ブルーのLEDが発光し、これに「動くシート」と首元への空気噴射「ネックティクラー」が連動して、闘いを盛り上げる。
煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう)の「炎」や、我妻善逸(あがつまぜんいつ)も「雷」なので橙のLEDが使われる。ヒノカミ神楽も同様。禰豆子(ねずこ)が、縄を焼き切るときには赤いLEDが連動している。
ただしLEDストロボは、左右の壁面に3つ並んでおり、俯瞰して観られる座席ポジション(中段〜後列)を選ばないと分かりにくい。
そもそもレポートのためとはいえ、LEDの色を確認している時点で、筆者の視線は少なからずスクリーンを凝視していない。つまり作品の通常版を鑑賞済みだからこそできる遊びであり、同じ作品を複数回観ることがナンセンスと考える人には向かない。
■4DXの魅力は“水”だが、今回は最新バージョンを選ぶこと
もうひとつの4D上映は、韓国CJ 4DPLEX社が開発した「4DX」である。今回はユナイテッドシネマ豊洲で鑑賞した。こちらの効果も公式には同じ11種のアイコンで紹介しているが、「MX4D」にはない、水や雨、雪などの表現が豊富で数え方によっては以下のようにもなる。
《4DXの効果例》
1) シート(前後・左右・上下)
2) エアーブラスト(噴射)は前席背部にある
3) ネックティクラー(首元に噴射)
4) ウインド(左右の壁上部にファンがある)
5) ウォーター/レイン(前席から頭上に噴霧する水、水量調整も可能)
6) ウォーター/ミスト(顔へ噴霧する水)
7) セント(香りは前席背部にある)
8) バブル(館内をただようシャボン玉)
9) フォグ(霧)はスクリーン前に煙が出る。ときにフォグが残り、映像を邪魔してしまうことも。
10) LEDストロボ白色1色(左右の壁上部。雷などを表現)
11) スノウ/雪(スクリーン前に泡が舞う)
12) レインストーム/嵐(左右ウインドとウォーターの組み合わせ)
13) ウォームエア(シート首元から温風が出て、爆発や熱風を表現。一部導入館のみ)
以下はシート機能として装備されているため、別々にカウントされていない
14) バックポーカー(背中をつつく)
15) シートホッパー(尻の突き上げ)
16) レッグティクラー(足元に触れる噴射)
17) ランブラー(地響き振動)
また(13)「ウォームエア」は、比較的新しい装備なので、4DXでも装備されていない映画館がある。今回、個人的な“作品愛”が足りないばかりに、何も考えずにユナイテッドシネマ豊洲のチケット争奪戦に臨んでしまったため、後悔先に立たず。豊洲は「ウォームエア」非装備であった。
おそらく「炎柱」煉獄杏寿郎の攻撃や、杏寿郎の無意識の世界では、熱風が首元を熱くさせるのではないだろうか。後日、再確認したい。ちなみにユナイテッドシネマの「ウォームエア」導入劇場は、「としまえん、お台場、松戸、新座、豊橋、大津、キャナルシティ、福岡ももち、熊本、浦添」である。東京・池袋のグランドシネマサンシャインもある。