マルチチャンネルの“頭外定位音場”をヘッドホンで再現
ビクター「EXOFIELD THEATER」を編集部記者が体験!“スピーカーみたいに聴こえるヘッドホン”の魅力とは?
JVCケンウッドがVictorブランドで展開しているワイヤレスシアターシステム“EXOFIELD THEATER”「XP-EXT1」。ヘッドホンなのにまるでマルチチャンネルスピーカーで音を聴いているような体験ができる同製品を、編集部記者が使ってみた。
■ヘッドホンなのにスピーカーのような音場を、しかもマルチチャンネルで。
本機はいわゆるバーチャルサラウンドヘッドホンのようなイメージだが、一般的なそれと大きく異なるのは、まるでスピーカーで聴いているような音場で音声を再生できるという点。同社独自の頭外定位音場処理技術「EXOFIELD(エクソフィールド)」を用いることによって、実際にマルチチャンネルスピーカーを部屋に配置して映画を観ているような感覚を、ヘッドホンで味わえるのだ。
昨今のステイホームな状況もあり自宅で映画などを楽しむ頻度が上がっている人も多いのではないかと思うが、しかしながら日本の住宅事情ではスピーカーでの爆音再生はなかなか難しい。そうなるとヘッドホンの出番が増えることにつながるわけだが、本機を使えば、スピーカーと同じような音場をヘッドホンでも楽しめるのが魅力だ。
本機は最大7.1.4chの音声信号にまで対応。ドルビーアトモスやDTS:Xといった、いわゆるオブジェクトオーディオにも対応する。さらに、テレビ番組の2チャンネル音声や5.1ch音源を7.1.4chにアップミックスして再生することも可能だ。
EXOFIELD技術では、まず最初に個人の聴覚特性を測定。頭部の大きさや形、耳の形などは当然ながら人によって違いがあり、それらによって聴覚特性も異なってくるわけだが、EXOFIELDではそうした個人ごとの特性に最適化した音場にしてくれる。
しかも、今回のXP-EXT1ではスマホアプリで測定および最適化処理が可能なので、非常に手軽。実際に使ってみても特に戸惑うことなく、かんたんに測定と最適化を完了できた。なお、最適化データは4件まで保存しておけるので、自分だけでなく家族のデータもキープしておくなどといった使い方ができる。
製品はヘッドホン部とプロセッサー部から構成され、プロセッサーとヘッドホン間はワイヤレス。2.4GHz/5GHzのデュアルバンドデジタルワイヤレス伝送を採用し、周囲の環境に合わせて音が途切れにくい伝送帯域を自動選択する。
プロセッサー部は3系統のHDMI入力/1系統の光デジタル入力/1系統のアナログ入力を搭載。eARC対応のHDMI出力も1系統搭載し、4Kパススルーにも対応する。
実際の使用にあたっては、プロセッサー部をテレビやBDレコーダー/レコーダーなどと有線接続し、そこからの信号をワイヤレスヘッドホンで楽しむというスタイルとなる。初回のみ、プロセッサーとヘッドホンを付属ケーブルで接続して聴覚特性を測定する工程が必要だ。
セットアップはまず、プロセッサーとヘッドホンの電源を入れ、聴覚特性測定のために両者を付属ケーブルで接続。また、これとは別途で専用アプリ「EXOFIELD THEATER」(Android/iOS両対応)をスマートフォンにインストールしておく。
そして、プロセッサーの「SOUND MODE/PAIRING」を長押しするとスマホとのBluetooth接続待機状態になるので、スマホ側から本機を選択してペアリング。アプリの「START MACHING」をタップし、以降はアプリの指示に従っていけばよい。何回か流れるテスト信号を聴き終わると、その測定結果に基づいてアプリが音場を最適化し、そのデータをプロセッサー側に転送・保存してくれる。前述したようにとても手軽なので戸惑うようなことはほぼなかった。
そしていよいよ、XP-EXT1の効果を体験。まずUltra HD Blu-rayの4K映画鑑賞から始めてみたが、音場が広がっているのが一聴してわかる。一方で、これみよがしに過剰な頭外定位感をアピールするのではなく、あくまでも自然な頭外定位音場を演出するという印象だ。
『ボヘミアン・ラプソディ』や『グレイテスト・ショーマン』などの音楽モノでは、観客の拍手や歓声がヘッドホンでの再生よりもしっかりと遠くから聴こえてくる。特に、高さ方向への音場が広がったことで、野外ステージや天井の高い会場での演奏であることの臨場感が増す。
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の冒頭シーンでは、双頭のトカゲが地面を這って移動する様子もリアルに描写。その後、捕まったマックスが間隙をついて砦内を逃げ回る際に、崖から落ちてしまった追手の断末魔が遠ざかっていくシーンでも本機の効果を実感した。
続いて、IMAX ENHANCEDのデモディスクを再生。スペースシャトルの発射映像では、ロケットエンジン噴射による振動で操縦室内の計器類がカタカタと鳴るのだが、XP-EXT1で聴くと音がしっかりと背後から聴こえてきて、本当に自分の背中くらいの高さで鳴っているように感じられる。
そのほか、テレビ放送されたバスケットボール「Bリーグ」の試合中継映像も再生してみたが、頭外定位の音声で聴くと、ブースター(ファン)の拍手や声援がより自然に感じられ、まるで自分も会場にいるかのような感覚になる。ただ、実況と解説音声は若干遠くなるので、このあたりは好みによるだろうか。
また、ワイヤレスでこのクオリティを味わえるのもいい。作品鑑賞中に自由に体勢を変えたり、ドリンクを取りにキッチンへ移動したりしてもスイートスポットで音を聴き続けられる。子供がまだ小さく家の中を暴れまわるため家庭内でリアルなマルチチャンネル環境構築が難しい記者にとって、かなりありがたいアイテムになりそうだと感じる取材だった。
■ヘッドホンなのにスピーカーのような音場を、しかもマルチチャンネルで。
本機はいわゆるバーチャルサラウンドヘッドホンのようなイメージだが、一般的なそれと大きく異なるのは、まるでスピーカーで聴いているような音場で音声を再生できるという点。同社独自の頭外定位音場処理技術「EXOFIELD(エクソフィールド)」を用いることによって、実際にマルチチャンネルスピーカーを部屋に配置して映画を観ているような感覚を、ヘッドホンで味わえるのだ。
昨今のステイホームな状況もあり自宅で映画などを楽しむ頻度が上がっている人も多いのではないかと思うが、しかしながら日本の住宅事情ではスピーカーでの爆音再生はなかなか難しい。そうなるとヘッドホンの出番が増えることにつながるわけだが、本機を使えば、スピーカーと同じような音場をヘッドホンでも楽しめるのが魅力だ。
本機は最大7.1.4chの音声信号にまで対応。ドルビーアトモスやDTS:Xといった、いわゆるオブジェクトオーディオにも対応する。さらに、テレビ番組の2チャンネル音声や5.1ch音源を7.1.4chにアップミックスして再生することも可能だ。
EXOFIELD技術では、まず最初に個人の聴覚特性を測定。頭部の大きさや形、耳の形などは当然ながら人によって違いがあり、それらによって聴覚特性も異なってくるわけだが、EXOFIELDではそうした個人ごとの特性に最適化した音場にしてくれる。
しかも、今回のXP-EXT1ではスマホアプリで測定および最適化処理が可能なので、非常に手軽。実際に使ってみても特に戸惑うことなく、かんたんに測定と最適化を完了できた。なお、最適化データは4件まで保存しておけるので、自分だけでなく家族のデータもキープしておくなどといった使い方ができる。
製品はヘッドホン部とプロセッサー部から構成され、プロセッサーとヘッドホン間はワイヤレス。2.4GHz/5GHzのデュアルバンドデジタルワイヤレス伝送を採用し、周囲の環境に合わせて音が途切れにくい伝送帯域を自動選択する。
プロセッサー部は3系統のHDMI入力/1系統の光デジタル入力/1系統のアナログ入力を搭載。eARC対応のHDMI出力も1系統搭載し、4Kパススルーにも対応する。
実際の使用にあたっては、プロセッサー部をテレビやBDレコーダー/レコーダーなどと有線接続し、そこからの信号をワイヤレスヘッドホンで楽しむというスタイルとなる。初回のみ、プロセッサーとヘッドホンを付属ケーブルで接続して聴覚特性を測定する工程が必要だ。
セットアップはまず、プロセッサーとヘッドホンの電源を入れ、聴覚特性測定のために両者を付属ケーブルで接続。また、これとは別途で専用アプリ「EXOFIELD THEATER」(Android/iOS両対応)をスマートフォンにインストールしておく。
そして、プロセッサーの「SOUND MODE/PAIRING」を長押しするとスマホとのBluetooth接続待機状態になるので、スマホ側から本機を選択してペアリング。アプリの「START MACHING」をタップし、以降はアプリの指示に従っていけばよい。何回か流れるテスト信号を聴き終わると、その測定結果に基づいてアプリが音場を最適化し、そのデータをプロセッサー側に転送・保存してくれる。前述したようにとても手軽なので戸惑うようなことはほぼなかった。
そしていよいよ、XP-EXT1の効果を体験。まずUltra HD Blu-rayの4K映画鑑賞から始めてみたが、音場が広がっているのが一聴してわかる。一方で、これみよがしに過剰な頭外定位感をアピールするのではなく、あくまでも自然な頭外定位音場を演出するという印象だ。
『ボヘミアン・ラプソディ』や『グレイテスト・ショーマン』などの音楽モノでは、観客の拍手や歓声がヘッドホンでの再生よりもしっかりと遠くから聴こえてくる。特に、高さ方向への音場が広がったことで、野外ステージや天井の高い会場での演奏であることの臨場感が増す。
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の冒頭シーンでは、双頭のトカゲが地面を這って移動する様子もリアルに描写。その後、捕まったマックスが間隙をついて砦内を逃げ回る際に、崖から落ちてしまった追手の断末魔が遠ざかっていくシーンでも本機の効果を実感した。
続いて、IMAX ENHANCEDのデモディスクを再生。スペースシャトルの発射映像では、ロケットエンジン噴射による振動で操縦室内の計器類がカタカタと鳴るのだが、XP-EXT1で聴くと音がしっかりと背後から聴こえてきて、本当に自分の背中くらいの高さで鳴っているように感じられる。
そのほか、テレビ放送されたバスケットボール「Bリーグ」の試合中継映像も再生してみたが、頭外定位の音声で聴くと、ブースター(ファン)の拍手や声援がより自然に感じられ、まるで自分も会場にいるかのような感覚になる。ただ、実況と解説音声は若干遠くなるので、このあたりは好みによるだろうか。
また、ワイヤレスでこのクオリティを味わえるのもいい。作品鑑賞中に自由に体勢を変えたり、ドリンクを取りにキッチンへ移動したりしてもスイートスポットで音を聴き続けられる。子供がまだ小さく家の中を暴れまわるため家庭内でリアルなマルチチャンネル環境構築が難しい記者にとって、かなりありがたいアイテムになりそうだと感じる取材だった。