従来の音場との違いは?
“スピーカーみたいに聴こえるヘッドホン”に新しい音場追加! ビクター「EXOFIELD THEATER」を比較試聴
映画館のような体を包み込む360度サラウンドをバーチャルで体験できるサラウンドヘッドホンが人気だ。さらにその中でも、実際にマルチチャンネルスピーカーで聴いているかのような音場を体験できることで高評価を得ているのが、ビクター“EXOFIELD THEATER”「XP-EXT1」。このたび本機がファームウェアアップデートされ、新しい音場「THEATER ROOM2」が使用可能になった。さっそく、アップデートの概要と新しい音場によるサラウンド効果を解説していこう。
XP-EXT1は、独自の頭外定位音場処理技術「EXOFIELD」を使い、一般的なサラウンドヘッドホンとは一線を画す高品位な再生を実現するシステム。製品はトランスミッターと専用のワイヤレスヘッドホンで構成されるが、使用前にヘッドホン内蔵のマイクで一人一人の音の伝わり方の特性を測定する。その計測結果を元に、スマートフォンアプリ内のデータベースからベストマッチの特性データを選択し、ヘッドホンにフィードバックして再生を行う仕組みになっている。水平方向360度に加えDolby AtmosやDTS-Xなどの7.1.4chサウンドもバーチャルで表現しつつ、アキュレイトなサウンドステージと定位を実現する。
今回のアップデートは、ファームウェアバージョン1.0.4による。内容は、先述した新しい音場「THEATER ROOM2」の追加で、センター定位するセリフの明瞭度の向上および低域の出力バランスが最適化されることと、全体的に音調がよりクリアでメリハリの利いた方向に変化することが事前にアナウンスされた。
アップデート方法は、スマホ/タブレットにインストールする専用アプリ「EXOFIELD THEATER」を最新バージョンへアップデート後、アプリと連携させた機材側のアップデートを実施すればよい。おおむね15分前後で終了する。
本システムの機材構成と接続方法は一般的なワイヤレスサラウンドヘッドホンと一緒で、本体ユニット(プロセッサーユニット)とヘッドホンからなる。ブルーレイプレーヤーやApple TV 4Kなどのソース機器とプロセッサーユニットをHDMIケーブルで接続して、さらにプロセッサーユニットとテレビ/プロジェクターを同じようにHDMIケーブルで結べば良い。今回は筆者の自宅ビジュアルシステムに設置されているJVCのネイティブ4Kプロジェクター「DLA-V9R」と組み合わせて試した。
まずは、付属のセットアップケーブルでプロセッサーユニットとヘッドホンを接続(測定作業時は有線接続する必要がある)して測定を終了させる。
試聴ソースは、精密かつ迫力のあるサラウンドデザインが施された「アリータ:バトル・エンジェル」(Apple TV)と「ジョン・ウィリアムズ ・ライヴ・イン・ウィーン」(ブルーレイディスク)」をチョイス。音声フォーマットはどちらもドルビーアトモスに対応している。
最初は既存の音場である「THEATER ROOM1」からチェックした。アリータは、一聴してワイドレンジで環境音の情報が多く、ヘッドホンを含めたシステム全体の性能を認識できた。
そして何よりも、高品位なマルチスピーカー環境を彷彿とさせる、品位の高いサラウンドが本システム最大の魅力!モーターボール会場のスタジアムのシーンでは、360度および高さ方向から歓声が聞こえてくる。ジョン・ウィリアムズは、オーケストラを構成する各楽器が明瞭に分離するし、録音会場であるムジークフェラインザールの持つ音の響きや立体感もわかる。改めて本システムによるヘッドホンによるサラウンド品質の高さを実感した。
次にアプリを操作して、新しい音場であるTHEATER ROOM2に変更。改めて2作品を視聴したが、その差は予想以上に大きかった。アリータ:バトル・エンジェルは、低域の迫力が増す事で爆発音の迫力が増し、主人公のアリータと敵のバトルスーツがぶつかり合う音もより派手になる。またアナウンスされた通りセリフが明瞭になり、環境音の中でのセリフがより分離されて聞こえてくるのも嬉しい。ジョン・ウィリアムズは低域の量感が増す事で、オーケストラのスケールが増長する。
2つの音場を比較すると、THEATER ROOM1は忠実志向のサラウンドで高く評価できる。そして今回のアップデートで使用可能となったTHEATER ROOM2では、よりインタラクティブ性が高い音作りに変化するので、ソースによっては大きく没入感が上がる。もし筆者が友達や家族に本ヘッドホンを紹介するならTHEATER ROOM2を選択すると思う。
高品位なテレビやプロジェクターを使ってホームシアターを楽しむとき、住宅近隣の環境に配慮して、夜間は音を絞らなくてはいけないジレンマを抱えている人も多いだろう。本製品は、その問題をすばらしい音質とともに解決してくれる。
ビクターは以前からヘッドホン/イヤホンの品質が良く、筆者もスタジオモニターのMX-100をリファレンスとして使用している。それらの経験が生かされた音の良さや、遮音性と装着感の高さも本機の大きな魅力だ。そして何より、本格的なシアタールームで聴いているようなマルチチャンネルスピーカー環境がもたらす、立体的なサウンドステージと明瞭な音場と定位をバーチャルで具現化している事は高く評価したい。
今回は試せなかったが、新しい音場をサラウンド対応のゲームなどで使用した場合、爆発音を含む環境音の迫力が増し、よりその世界に没入できるだろう。JVCケンウッドが展開する各ブランドの製品は、筆者の使用するプロジェクターも含め、購入後にもファームウェアアップデートで機能が追加されていくことが1つのアドバンテージとなるが、今回も本製品のユーザーにとって大きな価値のあるアップデートと言える。
XP-EXT1は、独自の頭外定位音場処理技術「EXOFIELD」を使い、一般的なサラウンドヘッドホンとは一線を画す高品位な再生を実現するシステム。製品はトランスミッターと専用のワイヤレスヘッドホンで構成されるが、使用前にヘッドホン内蔵のマイクで一人一人の音の伝わり方の特性を測定する。その計測結果を元に、スマートフォンアプリ内のデータベースからベストマッチの特性データを選択し、ヘッドホンにフィードバックして再生を行う仕組みになっている。水平方向360度に加えDolby AtmosやDTS-Xなどの7.1.4chサウンドもバーチャルで表現しつつ、アキュレイトなサウンドステージと定位を実現する。
今回のアップデートは、ファームウェアバージョン1.0.4による。内容は、先述した新しい音場「THEATER ROOM2」の追加で、センター定位するセリフの明瞭度の向上および低域の出力バランスが最適化されることと、全体的に音調がよりクリアでメリハリの利いた方向に変化することが事前にアナウンスされた。
アップデート方法は、スマホ/タブレットにインストールする専用アプリ「EXOFIELD THEATER」を最新バージョンへアップデート後、アプリと連携させた機材側のアップデートを実施すればよい。おおむね15分前後で終了する。
本システムの機材構成と接続方法は一般的なワイヤレスサラウンドヘッドホンと一緒で、本体ユニット(プロセッサーユニット)とヘッドホンからなる。ブルーレイプレーヤーやApple TV 4Kなどのソース機器とプロセッサーユニットをHDMIケーブルで接続して、さらにプロセッサーユニットとテレビ/プロジェクターを同じようにHDMIケーブルで結べば良い。今回は筆者の自宅ビジュアルシステムに設置されているJVCのネイティブ4Kプロジェクター「DLA-V9R」と組み合わせて試した。
まずは、付属のセットアップケーブルでプロセッサーユニットとヘッドホンを接続(測定作業時は有線接続する必要がある)して測定を終了させる。
試聴ソースは、精密かつ迫力のあるサラウンドデザインが施された「アリータ:バトル・エンジェル」(Apple TV)と「ジョン・ウィリアムズ ・ライヴ・イン・ウィーン」(ブルーレイディスク)」をチョイス。音声フォーマットはどちらもドルビーアトモスに対応している。
最初は既存の音場である「THEATER ROOM1」からチェックした。アリータは、一聴してワイドレンジで環境音の情報が多く、ヘッドホンを含めたシステム全体の性能を認識できた。
そして何よりも、高品位なマルチスピーカー環境を彷彿とさせる、品位の高いサラウンドが本システム最大の魅力!モーターボール会場のスタジアムのシーンでは、360度および高さ方向から歓声が聞こえてくる。ジョン・ウィリアムズは、オーケストラを構成する各楽器が明瞭に分離するし、録音会場であるムジークフェラインザールの持つ音の響きや立体感もわかる。改めて本システムによるヘッドホンによるサラウンド品質の高さを実感した。
次にアプリを操作して、新しい音場であるTHEATER ROOM2に変更。改めて2作品を視聴したが、その差は予想以上に大きかった。アリータ:バトル・エンジェルは、低域の迫力が増す事で爆発音の迫力が増し、主人公のアリータと敵のバトルスーツがぶつかり合う音もより派手になる。またアナウンスされた通りセリフが明瞭になり、環境音の中でのセリフがより分離されて聞こえてくるのも嬉しい。ジョン・ウィリアムズは低域の量感が増す事で、オーケストラのスケールが増長する。
2つの音場を比較すると、THEATER ROOM1は忠実志向のサラウンドで高く評価できる。そして今回のアップデートで使用可能となったTHEATER ROOM2では、よりインタラクティブ性が高い音作りに変化するので、ソースによっては大きく没入感が上がる。もし筆者が友達や家族に本ヘッドホンを紹介するならTHEATER ROOM2を選択すると思う。
高品位なテレビやプロジェクターを使ってホームシアターを楽しむとき、住宅近隣の環境に配慮して、夜間は音を絞らなくてはいけないジレンマを抱えている人も多いだろう。本製品は、その問題をすばらしい音質とともに解決してくれる。
ビクターは以前からヘッドホン/イヤホンの品質が良く、筆者もスタジオモニターのMX-100をリファレンスとして使用している。それらの経験が生かされた音の良さや、遮音性と装着感の高さも本機の大きな魅力だ。そして何より、本格的なシアタールームで聴いているようなマルチチャンネルスピーカー環境がもたらす、立体的なサウンドステージと明瞭な音場と定位をバーチャルで具現化している事は高く評価したい。
今回は試せなかったが、新しい音場をサラウンド対応のゲームなどで使用した場合、爆発音を含む環境音の迫力が増し、よりその世界に没入できるだろう。JVCケンウッドが展開する各ブランドの製品は、筆者の使用するプロジェクターも含め、購入後にもファームウェアアップデートで機能が追加されていくことが1つのアドバンテージとなるが、今回も本製品のユーザーにとって大きな価値のあるアップデートと言える。