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感性を刺激する音。V-MODAのNCワイヤレスヘッドホン「M-200 ANC」は6万円台の期待を裏切らない

公開日 2021/04/08 07:00 草野 晃輔
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イヤーパッドは、表皮に肌への当たりがソフトなPUレザーを採用。中のクッションはコシがありつつも柔らかく、装着時の肌への密着度が高い。さらに、側頭部の形状に合わせてパッドの後頭部側を厚くすることで、パッド内部に広い空間を確保。これが「臨場感のある音を生み出す」のだそうだ。

パッドは後頭部側が厚くなっており、空間を確保することで臨場感あるサウンドを実現できるという

幅広のヘッドバンドもフェイクレザーで覆われており、手になじむ。内側に肉厚のクッションを備え、装着時に頭全体を柔らかく支持するため、安定するだけでなく、320gという重さを感じさせない。ハンガー部分は金属製。イヤーカップをヘッドバンド内部に畳んで収められるようヒンジが付いている。このヒンジも堅牢で、多少ねじってもグラつくことはなかった。

Bluetoothは高音質で低遅延のaptX HDコーデックに対応し、ANCがオンの状態で最大20時間の再生が可能だ。付属品は新しくなったロゴをあしらったハードケース、長さ120mmの有線接続用3.5mmステレオミニケーブル、航空機用アダプター、充電ケーブルなどがある。

ノイキャンはナチュラルで、音楽に影響を与えないチューニング

では、本機の実力を検証していこう。今回はBluetooth接続をiPhone 12 miniで、有線接続はAstell&KernのDAP「A&ultima SP1000」で試聴した。

本機の操作は至ってシンプルだ。操作ボタンは右側のハウジングにあり、プレートを正面に見て上の側面にボリュームと再生や一時停止、音声アシスタントの呼び出しなどに対応する「マルチ・ファンクションボタン」がある。

下の側面は、中央に有線接続用の3.5mmステレオミニ端子、左に電源ボタンと充電用のUSB-C端子、右側にANCボタンが並ぶ。左側のハウジングは、見た目には分からないが下側面の中央に外音を取り込む「ボイスイン機能」のセンサーが内蔵されていて、左手でここを覆うことで機能がオンになり、取り込んだ外音がドライバーから流れる仕組みだ。

左ハウジングにはセンサーが内蔵されており、手で覆うことで瞬間的にANCをオフにできる

ANCをオンにすると、スッと周囲のノイズが小さくなる。騒音を完全にシャットアウトするタイプというよりは、周りの気配が分かる程度に抑えたタイプだ。音楽が流れていない状態ではわずかに聴こえる騒音が、小音量でも音楽が再生されれば全く聴こえなくなる。ANCの効き具合は専用アプリ「V-MODA HEADPHONE EDITOR」から10段階に調整可能で、試しに1(最少)から10(最大)まで順番に切替えてみたのだが、変化が極めてナチュラルで、音楽の再生音への影響は皆無だ。

再生をオフにして切替えると、外音が小さくなっていくのが分かり、確かにANCの効き具合が変わっていたことがわかる。ANCが強力なあまり、再生音が影響を受けてしまうモデルも少なくないが、本機は再生音の質を重視し、ANCと騒音、両方の影響をできるだけ受けないようバランスを取ったチューニングが施されている。

また、アプリにはイコライザー機能があり、「Rock」「Pop」「Podcast」「Hip-Hop」「Jazz」と全5種類のプリセットEQが登録されている。さらに、これらをベースに5バンドを手動で調整できる「Manual」があり、好みに応じて調整が可能だ。今回はフラットなサウンドを確かめるため、イコライザーはオフにして試聴した。

専用アプリ「V-MODA HEADPHONE EDITOR」からANCのレベルや音質の調整が可能

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