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【PR】DJの感性と楽器メーカーの表現力が融合

6万円越えも“納得”の感動サウンド。V-MODAのNCヘッドホン「M-200 ANC」レビュー

公開日 2021/04/10 07:00 草野 晃輔
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DJ的な感性と楽器メーカーの表現力が融合したエモーショナルサウンド

ANCをオンにした状態で楽曲をプレイ。肝心のサウンドはというと、感性を刺激するエモーショナルさが際立っている。全体的にシャープでスピード感に溢れており、低域は芯が太く音圧がある。ぐいぐい体の芯まで浸透していくようだ。空間も広く、臨場感たっぷり。スッと音楽の世界に惹き込まれる。どんな部分がエモーショナルなのか、それは曲ごとに受ける印象がガラッと変わることにある。

フェイクレザーのヘッドバンドは内側に肉厚クッションを備え、装着時に安定するとともに重さを感じさせない

YOASOBIの「怪物」では、音の距離感が絶妙だ。イントロでは音圧のある低域の中にキレのあるボーカルが浮かび上がる。サビでは曲のスピード感が増し、ボーカルの存在感がさらにくっきり浮かび上がる。この曲は打ち込み制作だと分かっているが、音のスポットが的確に変わり、生で演奏を聴いているような感覚に陥った。

女性ボーカルからもう一曲、あいみょんの「桜が降る夜は」を再生。ミドルテンポの楽曲だが、ドラムやベースの音の瞬発力が高くリズミカル。他のヘッドホンで聴いたときは、もう少し単調な印象だっただけに、ここまでグルーブがうねる楽曲だったのかと驚かされた。

音像が明瞭なモニター調ではあるが、ボーカルを中心とした中高域はタイトすぎず、適度な潤いがある。キレ味と潤いという矛盾した要素をさらっと高いレベルで両立しており、本機が並々ならぬ表現力を備えていることを確信した。

そしてやはり、本機はEDMとの相性は抜群。マーティン・ギャリックスの「Animals」は、低域のうねりが凄まじい。音が立体的で、頭内に浸透してくる。クラブで音を浴びて聴いているような感覚だ。エド・シーランの「Shape of You」も同様で、一聴するだけだと音が塊に感じられる低域に、いろいろな表情があることが分かる。

もちろん、ジャズやクラシックも高い表現力で再生してくれる。上原ひろみの「MOVE」はドラム、ベース、ピアノがスピード感を持って絡み合うのだが、一つひとつの音がクリアで空間も広い。生演奏を聴いているかのようなスリリングさを味わえる。

クーベリック指揮、ベルリン・フィル演奏の『ドヴォルザーク:交響曲第9番 新世界より』では、EDMで見せたタイトさは影を潜め、ゆったりした曲調では繊細かつ大らかに、盛り上がる部分では雄大かつ迫力を持って描ききる。この振れ幅ある表現が可能なのは、極めて高い表現力を有しているからこそだろう。

曲によって印象をガラリと変え、心を刺激するエモーショナルなサウンドを聴かせてくれる

続いて有線接続で試聴。電源をオンにしたままケーブルを接続すると、入力が切り替わる。ANCも併用可能だ。電源がオフであれば充電がなくても再生できるので、状況に応じてフレキシブルに使い分けられるのが便利だ。今回はBluetooth接続との違いを調べるため、ANCをオンにして試聴した。

サウンドは一聴してハイレゾだと分かるほど表現力がアップ。Bluetooth接続からさらに一枚薄いベールを取り去ったようだ。音の粒がいっそう明瞭になり、音場はいちだんと広くなる。ブルーノ・マーズの「24K Magic」は、芯のありつつも適度にタイトなベースがうねる。音圧も高めでグルーブ感が心地よい。コーラスも音の拡がりが素晴らしく、頭が音で包まれるよう。

Yesの「Roundabout」は、バスドラやハイハットなどリズム楽器にキレがあり、縦ノリしたくなる。音圧も高めでグルーブ感が心地よい。他にもJ-POPやジャズ、クラシックなどを聴いたが、総じて感じられたのはラグジュアリー感だ。Bluetooth接続よりも余力を持って再生しているようで、サウンドが整理され品格が高まっているのだ。



V-MODAのM-200 ANCは、良質な楽器の如く、聴く者の心や感情を刺激するエモーショナルなサウンドが最大の持ち味だ。DJの音への感性と楽器メーカーの高い表現力が見事に融合したからこそ実現できたもので、おいそれと他社が追随できるものではない。

実売予想価格は税込66,000円前後と高価格帯になるが、それも納得できる。なぜなら、表面上の音質でなく「心から音楽を楽しみたい」という人の期待を決して裏切らない、無二のモデルだからだ。感性を刺激するエモーショナル・サウンドは、聴いてこそ理解できるもの。ぜひ一度M-200 ANCの音をご自身の耳で、そして好きな楽曲で試してほしい。

(協力:ローランド)

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