【特別企画】編集部記者が自宅で試してみた
使って納得!マランツの薄型AVアンプ「NR1711」は“リビングシアター”の救世主だった
迫力を派手に演出するような音の味付けというよりも、元々のコンテンツが持つ音を自然に引き出すような印象で、ボリュームを上げていっても音に飽和感がない。2chステレオだけでのホームシアターもかなり魅力的だ。
アクション映画の爆発シーンなどでは正直少し物足りなくなることもあるが、そんなときは別途サブウーファーを買い足せばいい。とはいえ、サブウーファー無しも悪くない。重低音が部屋に響きすぎないので、家族が寝静まったあと、ひとりで映画を楽しみたいときには2chだけのほうがかえって都合がいいかもしれない。
■Alexa連携で音楽再生も快適
Amazon Alexa内蔵である点も、記者にとって魅力を感じるポイント。普段からAmazon Echo Show 5を使ってテレビなどを音声操作しているので、そのシステムへ、NR1711をスマートに組み込むことができた。
特に子供たちにウケが良かったのが、「アレクサ、リビングで音楽をかけて」の掛け声で、NR1711(とOBERON 5)からAmazon Musicの音楽を再生できること。小型なEcho Show 5の内蔵スピーカーとは、文字通り段違いの音質は、子供にとってもインパクトが大きかったようだ。
この使い方では、テレビ画面に楽曲の歌詞が表示されるのも嬉しい。大画面でしっかり歌詞を確認しながらお気に入りの音楽を楽しめる。念のため、別の部屋で使っているEcho Dotからも試してみたが、もちろんこちらでも歌詞が表示された。ディスプレイを搭載しないEcho Dotが画面付きに変身したと言うこともできそうだ。
なお、音楽配信サービスはロスレスのAmazon Music HDにも対応。AWAやSpotifyなどもサポートすることに加え、それらのサービスをマランツ独自のスマートフォンアプリ「HEOS」で操作することもできる。
さらに言えば、パソコンやNAS、USBメモリーからは最大5.6MHz DSDまでの音楽ファイル再生に対応。AirPlay 2やBluetoothにも対応しており、ホームシアター用途だけでなく、音楽再生用途で考えてもかなり充実した機能を持つ、 “使える” モデルだ。
■驚くほどのコストパフォーマンスの高さ
そもそも、マランツは2ch再生にもかなり注力しているブランドだ。以前にお届けした記事でオーディオ評論家の生形三郎氏もNR1711のステレオ再生能力を高く評価しているし、2ch専用という異色モデル「NR1200」を展開している点もその証拠と言える。
つまり「将来的にマルチチャンネルも狙いたいけど、いきなりは難しいな…」という記者のようなケースに、NR1711はうってつけなモデルなのだ。もちろん、最初からマルチチャンネルをしっかり組みたいという方にもオススメできる。
定価は99,000円(税込)だが、発売から少々時間が経ったこともあって、少し価格がこなれてきている販売店も見受けられる。この価格でこの音質と使い勝手は、驚くほどのコストパフォーマンスの高さと言える。テレビの音のグレードアップにも、本格的なホームシアターにも、オーディオ再生をメインにした使い方にも、大いに活躍してくれるだろう。ぜひチェックしてみてほしい一台だ。
(協力:ディーアンドエムホールディングス)