【PR】音づくり体制変わり“山内流”が随所に光る
デノンのエントリーAVアンプ「AVR-X1700H」は最新かつ“上位機越え”の実力、機能も音質も躍進した
■サウンドマスターのこだわりが光る、山内流音質チューニング
アンプの内容面はどう変わったか。マクロなところとして、音質チューニングの体制の変化がある。これまでのデノン製AVアンプの音決めは、同社のサウンドマスター山内慎一氏と高橋佑規氏による共同作業で行われていた。近年は高橋氏がチューンし山内氏がチェックする体制だったが、高橋氏は設計に専念する立場になり、本機からは山内氏ひとりが音質チューニングを担当するかたちになったという。したがって本機には、山内流の手法が随所に見られる。
まず、パワートランジスタはパーツから共同開発したもので、トランジスタ内部のケーブルの太さ、種類、パターンの設計まで電子部品メーカーと共同研究。その結果、山内氏の考える滑らかな音を表現出来たという。
デジタル電源の基板構成も一新し、コンデンサーをエルナー製に変更。回路全般に渡りインピーダンスを下げた。ここはエンジニアの設計を活かしながら、山内流チューニングを施したという。。ほかにも今までやっていなかった全体の作り込み、たとえばS/Nが良くなるようなワイヤーの分け方や取り回しなど、山内氏が試聴を繰り返して設定。パーツを固定する小さなビスや緩衝材も、逐一試聴しながら時間をかけて選んでいったそうだ。
コンデンサーも耐圧、容量を変更した。一般的には耐圧を上げることが多いが、パワー感が出る一方で粗さも出る。山内氏は逆に耐圧を下げた。音の滑らかさのほうを重視したのである。
結果、AVR-X1600Hから個数にして70以上の電気系統部品、30の非電気系部品を交換したという。この価格帯だとパーツにコストをかけられない。しかし、ノウハウと知恵と耳と時間を費やすことで、地道に音質の改善に取り組んだわけである。
■「70%ルール」のもと、エントリーながら開放的なサラウンド音声を実現
デノンのAVアンプの不文律に「70%ルール」がある。例えば2ch再生時の定格出力が100Wなら、5ch再生時は70Wまで保証する、というように、2chの定格出力の70%を5ch再生時でも保証しなければいけない、というものだ。
マルチチャンネルアンプには欠かせないもので、基板のパターン、トランスやコンデンサーの低インピーダンス化など工夫の積み重ねで実現するが、X1700Hでは改めて徹底して取り組んだ。消費電力が上がってしまうが、出力段のパワートランジスタのアイドリング時の電流量を増やして高調波歪を下げている。小音量時の高音の伸びが良くなるのである。
また今回、DACチップを別ブランドのものに変更。チップの中にオペアンプ始め必要な機能が入っているが、そのまま使うと大きな負荷がかかり、本来出せる性能を落として動作させることになる。そこでX1700への採用にあたり、外部オペアンプを使うことでDACチップの負荷を減らし、最大性能を出せる工夫をした。そうした積み重ねで、開放感があり躍動的なサラウンド音場を掌中にしたわけである。
次ページ2クラス上の機種に迫るほど、音質で大きな変貌を遂げた