最上位のEZ-950をハンドリング
ケンウッドのポータブルナビ「ココデス」を試す。カーナビやスマホとは違う魅力とは?
高速道路に入ればインターチェンジやサービスエリアの情報を画面右側でリスト表示。このリストは順を追ってスクロールすることができる上に、サービスエリアにあるガソリンのブランドも表示されるので、お気に入りのブランドを選んで休憩することも可能だ。高速道路の利用料金は自動的に計算されて、高速道路を下りる際に利用料金を音声で案内する。この辺りにも使いやすさを感じさせる。
一方で公園や河川は色を使うものの、表現は全体にモノトーンな印象を受ける。3D表示したときの建物にはテクスチャーも貼られていないのだ。とはいえ、建物の一つひとつを表示する市街地図表示では道幅も反映され、一方通行の表示もあってカーナビとしての実用性に不足があるわけではない。むしろ、スッキリとした地図表示を好む人にはこれが見やすさとして感じるかも知れない。
操作の基本はタッチパネルを活用する。「静電容量式タッチパネル」機能を備えたことで、スマホのように画面上を直接ピンチイン/アウトして地図のスケールを変えたり、フリックすることで地図をスクロールできる。操作した際の反応も良好で、入力してもストレスはまったく感じない。
ただ、画面左下にある「Menu」を選んでも周辺施設の検索や、地図の表示切替を設定するるのみ。目的地検索や利用条件を設定するには本体上部に物理スイッチを押し、メインメニューを表示しててからの操作となる。最初は少し戸惑うかもしれないが、使ってみれば使い勝手としてはこの物理キーの方が確実性があって使いやすい。
■9型ビッグサイズを手軽に満喫できるポータブル型ナビ
安心・安全をサポートする機能としては、高速道路のサービス/パーキングエリアでの「逆走注意告知」や、時速30キロの速度規制を実施している「ゾーン30エリア表示」に対応した。ただ、前者は画面上で案内を表示するだけで、ゾーン30エリアも地図上に色を違えて表示するだけなので、注意喚起としては画面上でしっかり確認する必要がある。
また、「ココデス」は交通情報である「VICS」機能は全機種とも搭載していない。この件についてケンウッドの企画担当者は「ターゲッであるユーザー層を踏まえると、VICSへのニーズはそれほど高くないと判断した」からと説明する。実は、VICSを受信するにはFMチューナーを搭載する必要があり、さらにユーザーは直接負担しないものの、出荷ごとにVICSの課金もある。低価格を実現するにはこの省略もやむを得ない判断だったわけだ。
本機は9型というビッグサイズであるため、ダッシュボード上に取り付けた「ココデス」の存在感は抜群だ。地デジにはシリーズ中、唯一フルセグでの受信を可能にしていて(ほかはワンセグ)、その高画質ぶりをあますことなく体感できる。解像度はVGAレベルなので地デジ本来の解像度は出せていないが、それでも車内で映像を見るには十分なクォリティだ。そのほか、SDカードを介した映像(MP4)や音楽(MP3)、静止画(JPEG)の再生にも対応し、ナビ画面との同時表示にも対応している。
「ココデス」シリーズは、今回取材した9型画面モデル「EZ-950」のほか、7型画面の「EZ-750」、5型の「EZ-550」の3機種ともすでに店頭展開中。
ダッシュボード上に載せて、シガーライターソケットから電源を取るだけですぐに使える。まさに本機はナビからAV機能までを手軽に大画面で楽しめる最適な一台と言えるだろう。