PRフラグシップ完全ワイヤレス第3世代機
音もANCも“王者の貫禄”。ゼンハイザー「MOMENTUM True Wireless 3」レビュー
■サウンドは鮮明かつ情報量豊富。聴き込むほどに熱量があふれ出す
MOMENTUM True Wireless 3のサウンドをチェックする。aptX Adaptiveに対応するソニー「Xperia 1 III」をリファレンスとして、前モデルのMOMENTUM True Wireless 2を比較のために用意した。
最初にスマホに保存した96kHz/24bitのハイレゾ音源から試聴した。Jane Monheitのアルバム『The Heart Of The Matter』から「Sing」は、ボーカルとアコースティック楽器のバンドによる小編成のセッション。空間が驚くほどに広く澄み渡る。
広大な音場に飛び込み、ボーカルや楽器の音に一歩近づいて聴くような臨場感。解像度がとても高く、声や楽器は音のニュアンスが立体的に浮かび上がる。アコースティックギターの音色がとても艶やかだ。ボーカルの輪郭はMOMENTUM True Wireless 2よりも鮮明に捉えられるような手応えを得た。
そして低音の透明度が上がった。上原ひろみのアルバム『SPARK』から「Wonderland」を聴くと、低音の質が変わったことがよくわかる。ピアノは打ち込みが鋭くタイト。倍音成分の華やかさも極まった。パーカッションの鮮やかな包囲感にも飲み込まれそうだ。
奥底から鋭く立ち上がるドラムス、ベースの低音が冴え渡る。ピアノのメロディが激しく熱を帯びながら躍動する。アンサンブルを構成する楽器の前後の位置関係がとてもクリアに見渡せる。情報量がとにかく豊富だ。
MOMENTUM True Wireless 2は、スムーズで温かみあふれるサウンドが心地よく魅力的だ。他のイヤホンからは得がたい楽しさがある。
ところが新しいMOMENTUM True Wireless 3では、キャラクターがよりシャープでクールな印象に変化している。新たに追加された独立チップの効果が、明確にサウンドに現れていることが感じられる。ボーカルや楽器の音色から少し硬質な印象を受けるかもしれないが、聴き込むほどに熱量があふれ出てくるようだ。これから多くの音楽ファンの心を打つに違いない。
■ANCも外音取り込みも強力かつ自然、そして “スマート” に
ANC機能、トランスペアレントモードの効果も新旧モデルの間で比べた。消音効果はMOMENTUM True Wireless 3がとても高い。街中で試してみると、そばで交わされる会話の声がすっと消えて、音楽を再生すると深い静寂に包まれる。
強調しておきたいのは、コンテンツの音のバランスがANCによって崩されることがないことだ。ノイズキャンセリング独特のプレッシャーも感じられない。同様にトランスペアレントモードをオンにすると、音楽のバランスを崩すことなく環境音がきれいに抜けてくる。はじめから耳にイヤホンなどなかったかのような、自然な外音のリスニング感だ。
アダプティブノイズキャンセリング機能による消音効果のコントロールも、環境に合わせて素速く的確に働く。静かな裏通りから、車通りの多い街道に出てもコンテンツのサウンドバランスが破綻しない。同じ感覚の静寂をキープしてくれる。ANCの強弱をマニュアルで切り換えていた頃は、ユーザーが面倒を強いられていたのだと、あらためて思い知らされた。MOMENTUM True Wireless 3のANC機能はとてもスマートだ。
なお、MOMENTUM True Wireless 3は低音再生の力強さが増したことから、トランスペアレントモードをオンにした時にも音全体の重心が下がり、聞こえ方が安定している。この効果は音楽や動画再生のみならず、ハンズフリー通話の際にもプラスになっている。
まさに王者の貫禄。ゼンハイザーの完全ワイヤレスイヤホンが第3世代でたどり着いた頂点から、あなたが理想とする音楽と人生の楽しみ方を見つけてほしい。
(企画協力:Sonova Consumer Hearing Japan)