PR独自ソフトウェアで性能を解放
“音楽表現”に新風が吹く、音質調整アプリ「ジェネシス」が叶えるかつてないオーディオ体験
SPLの国際エンドーサーを務める音楽家が率いる、新たなブランドGENESIS SOUND TECHNOLOGY(ジェネシス)。ついにヘッドホン「Infinity」シリーズと、アプリ「EarEffect」がベールを脱ぐ。その概要を評論家、海上忍氏が解説する。
音源の過半がデジタルという現在、「音」はソフトウェアと無関係ではいられない。たとえば、ファイル/ストリームベースのデジタル信号をアナログ波形に変換する処理(デコード)はソフトウェアによるものだし、ICに任意のソフトウェアを実装して各種機能を実現するFPGAのようなデバイスも存在する。ソフトウェアが音を、音質を決めるといっても過言ではない。
「EarEffect」は、その点に注目した特許出願中のサウンドチューニングソフトウェアだ。当初はWindows版としてリリースされた後、順次iOS/Android向けのスマホアプリとして販売する、というスケジュールで登場を予定しているそうだが、本質はそれぞれの音楽ジャンルに向けたEQやステレオイメージ、コンプレッションといったオーディオアルゴリズムそのもの。それらアルゴリズムが理解しやすいプリセットというかたちで提示され、エンドユーザーはそれを選ぶだけで望む音、プロの音楽家がデザインした高音質を入手できるのだ。
EarEffectの企画・開発を進めるのは、新進気鋭のヘッドホンブランド「GENESIS SOUND TECHNOLOGY(ジェネシス)」。ヨーロッパの音楽市場で躍進を続け、ここ日本ではSPLJapanの経営で知られるA&Mグループにより設立された。ジェネシスは、ドイツSPL国際公式エンドーサーとしても活躍するマスタリングエンジニア・古屋博敏氏をはじめとする音楽制作のプロ集団であり、EarEffectにも彼らの高度なノウハウが注ぎ込まれる。イコライジングだけでなく、コンプレッションやマスタリングの技術も含まれているのだ。
EarEffectはシステムバックグラウンドで動作するアプリとして提供され、ユーザーはファイル再生や音楽ストリーミング、ネット動画やゲームといったアプリと組み合わせてその機能を利用することになる。
音楽ストリーミングを例にいえば、SpotifyやApple Musicといったサービス(アプリ)の再生音がEarEffectのプリセットを適用されたうえで、イヤホン/ヘッドホンからサウンドチューニングされた音として出力されるというわけだ。
彼らが第一弾プロダクトとして用意したのは、EarEffectと、有線タイプの密閉型リスニングヘッドホン「Infinity -Luxury Gold-」だ。つまり、EarEffectを効かせた状態でInfinityを使うことが、ジェネシスが提案する現時点でベストなリスニング環境ということになる。
ただし、EarEffectはInfinity専用ではない。2022年5月現在、城下工業のSound Warriorやカーオーディオメーカー製品(後日発表予定)など、50種近くのモデル向けにプリセットを提供する予定で、毎月実施されるアップデートにより機種ごとのプリセット(ジャンル別)を追加するという。ユーザーはそれらを800円/月の定額料金で無制限に利用できるというから、多数のイヤホン・ヘッドホンを所有するポータブルオーディオファンにとってはメリットが大きい。
EarEffectのウェブページでは、記事末のリストに挙げたイヤホン/ヘッドホン別の体験動画がYouTubeにサンプル公開されている。そのイヤホン/ヘッドホンを使い試聴せよという意味ではなく、その機種に適用されたプロファイルの効果と傾向を実感してほしいという主旨だが、これでEarEffectというアプリおよびサウンドチューニングの意図が浮かび上がってくる。
たとえば「Metal Rock Mode」は、サウンドステージの見通しが改善される一方で重心が下がるような印象になる。しかし、機種ごとのサンプルを聴き比べれば「塩梅」は一律ではなく、それらには微妙な違いが感じ取れる。
たとえば、ゼンハイザー「HD 650」は音場の重心がぐっと下がるが、同じくゼンハイザーの「IE 100 PRO」では、それは小幅に留まる。オーバーヘッド/開放型とインイヤー/カナル型でさじ加減が異なるのは当然のことで、それがプロファイルとして型を成しているわけだ。
Infinity は、いわゆるオーディオファイル向けヘッドホンとは一線を画すテイストだ。最終的に搭載を決めた40mmドライバーは、「これありき」というサウンドを心に決めてオーディションに臨んだそうで、確かに俊敏さを感じる。ただし、レスポンスの速さと帯域の広さはモニターライクでありつつも、過剰な定位や音場表現は抑制気味という印象で、EarEffectとの組み合わせで実力を発揮する製品なのだということがわかる。
ヘッドホンというハードウェアだけでなくソフトウェアの力も借りて「音」を再現しようという試みは、古くからあるようで新しいもの。EarEffect、そしてジェネシスの高音質へのあくなき挑戦に、ぜひ注目してほしい。
<体験動画がサンプル公開されているイヤホン/ヘッドホン>
Audio-Technica ATH-M50/Audio-Technica ATH-MVL2 IM
Audio-Technica ATH-SQ1TW/Apple AirPods Pro
Beats by Dr.Dre Beats Fit Pro/Beats by Dr.Dre Beats Studio Buds
beyerdynamic DT 770 PRO 80Ω/beyerdynamic DT 770 PRO 250Ω
beyerdynamic DT 990 PRO/final ZE3000
HEDD HEDDphone/Marshall EMBERTON
Sennheiser HD650/Sennheiser IE 100 PRO
Sennheiser MOMENTUM True Wireless 2
Sennheiser MOMENTUM 3 Wireless
SONY WF-XB700/SONY WF-SP800N
SONY WF-1000XM4/SONY WH-1000XM4
Sound Warrior SW-HP10LIVE/Sound Warrior SW-HP10s
Sound Warrior SW-HP20/Sound Warrior SW-HP100
TAGO STUDIO T3-01/Technics EAH-AZ60
本記事は「プレミアムヘッドホンガイドマガジンVOL.18 2022 SUMMER」からの転載です。
(協力:A&Mグループ株式会社)
クリエイター集団が挑む、かつてないオーディオ体験
音源の過半がデジタルという現在、「音」はソフトウェアと無関係ではいられない。たとえば、ファイル/ストリームベースのデジタル信号をアナログ波形に変換する処理(デコード)はソフトウェアによるものだし、ICに任意のソフトウェアを実装して各種機能を実現するFPGAのようなデバイスも存在する。ソフトウェアが音を、音質を決めるといっても過言ではない。
「EarEffect」は、その点に注目した特許出願中のサウンドチューニングソフトウェアだ。当初はWindows版としてリリースされた後、順次iOS/Android向けのスマホアプリとして販売する、というスケジュールで登場を予定しているそうだが、本質はそれぞれの音楽ジャンルに向けたEQやステレオイメージ、コンプレッションといったオーディオアルゴリズムそのもの。それらアルゴリズムが理解しやすいプリセットというかたちで提示され、エンドユーザーはそれを選ぶだけで望む音、プロの音楽家がデザインした高音質を入手できるのだ。
EarEffectの企画・開発を進めるのは、新進気鋭のヘッドホンブランド「GENESIS SOUND TECHNOLOGY(ジェネシス)」。ヨーロッパの音楽市場で躍進を続け、ここ日本ではSPLJapanの経営で知られるA&Mグループにより設立された。ジェネシスは、ドイツSPL国際公式エンドーサーとしても活躍するマスタリングエンジニア・古屋博敏氏をはじめとする音楽制作のプロ集団であり、EarEffectにも彼らの高度なノウハウが注ぎ込まれる。イコライジングだけでなく、コンプレッションやマスタリングの技術も含まれているのだ。
EarEffectはシステムバックグラウンドで動作するアプリとして提供され、ユーザーはファイル再生や音楽ストリーミング、ネット動画やゲームといったアプリと組み合わせてその機能を利用することになる。
音楽ストリーミングを例にいえば、SpotifyやApple Musicといったサービス(アプリ)の再生音がEarEffectのプリセットを適用されたうえで、イヤホン/ヘッドホンからサウンドチューニングされた音として出力されるというわけだ。
ソフトとハードを同時発表、その狙いは?
彼らが第一弾プロダクトとして用意したのは、EarEffectと、有線タイプの密閉型リスニングヘッドホン「Infinity -Luxury Gold-」だ。つまり、EarEffectを効かせた状態でInfinityを使うことが、ジェネシスが提案する現時点でベストなリスニング環境ということになる。
ただし、EarEffectはInfinity専用ではない。2022年5月現在、城下工業のSound Warriorやカーオーディオメーカー製品(後日発表予定)など、50種近くのモデル向けにプリセットを提供する予定で、毎月実施されるアップデートにより機種ごとのプリセット(ジャンル別)を追加するという。ユーザーはそれらを800円/月の定額料金で無制限に利用できるというから、多数のイヤホン・ヘッドホンを所有するポータブルオーディオファンにとってはメリットが大きい。
EarEffectのウェブページでは、記事末のリストに挙げたイヤホン/ヘッドホン別の体験動画がYouTubeにサンプル公開されている。そのイヤホン/ヘッドホンを使い試聴せよという意味ではなく、その機種に適用されたプロファイルの効果と傾向を実感してほしいという主旨だが、これでEarEffectというアプリおよびサウンドチューニングの意図が浮かび上がってくる。
たとえば「Metal Rock Mode」は、サウンドステージの見通しが改善される一方で重心が下がるような印象になる。しかし、機種ごとのサンプルを聴き比べれば「塩梅」は一律ではなく、それらには微妙な違いが感じ取れる。
たとえば、ゼンハイザー「HD 650」は音場の重心がぐっと下がるが、同じくゼンハイザーの「IE 100 PRO」では、それは小幅に留まる。オーバーヘッド/開放型とインイヤー/カナル型でさじ加減が異なるのは当然のことで、それがプロファイルとして型を成しているわけだ。
アプリとの組み合わせで真価を発揮するヘッドホン
Infinity は、いわゆるオーディオファイル向けヘッドホンとは一線を画すテイストだ。最終的に搭載を決めた40mmドライバーは、「これありき」というサウンドを心に決めてオーディションに臨んだそうで、確かに俊敏さを感じる。ただし、レスポンスの速さと帯域の広さはモニターライクでありつつも、過剰な定位や音場表現は抑制気味という印象で、EarEffectとの組み合わせで実力を発揮する製品なのだということがわかる。
ヘッドホンというハードウェアだけでなくソフトウェアの力も借りて「音」を再現しようという試みは、古くからあるようで新しいもの。EarEffect、そしてジェネシスの高音質へのあくなき挑戦に、ぜひ注目してほしい。
<体験動画がサンプル公開されているイヤホン/ヘッドホン>
Audio-Technica ATH-M50/Audio-Technica ATH-MVL2 IM
Audio-Technica ATH-SQ1TW/Apple AirPods Pro
Beats by Dr.Dre Beats Fit Pro/Beats by Dr.Dre Beats Studio Buds
beyerdynamic DT 770 PRO 80Ω/beyerdynamic DT 770 PRO 250Ω
beyerdynamic DT 990 PRO/final ZE3000
HEDD HEDDphone/Marshall EMBERTON
Sennheiser HD650/Sennheiser IE 100 PRO
Sennheiser MOMENTUM True Wireless 2
Sennheiser MOMENTUM 3 Wireless
SONY WF-XB700/SONY WF-SP800N
SONY WF-1000XM4/SONY WH-1000XM4
Sound Warrior SW-HP10LIVE/Sound Warrior SW-HP10s
Sound Warrior SW-HP20/Sound Warrior SW-HP100
TAGO STUDIO T3-01/Technics EAH-AZ60
本記事は「プレミアムヘッドホンガイドマガジンVOL.18 2022 SUMMER」からの転載です。
(協力:A&Mグループ株式会社)