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[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域【第268回】

祝AirPods Pro“うどん”継続!装着しやすく操作性◎「スティック型」完全ワイヤレスを私は推します!

公開日 2022/10/01 07:00 高橋 敦
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諸君、私はうどんが好きだ!

食べ物の話ではなく完全ワイヤレスイヤホンにおいて、「うどん型」とも言われている「スティック型」スタイルの話だ。先日発売開始された第2世代のAirPods Proも、事前には形状変更の噂もあったが、発表されてみれば無事にそのスタイルが継続された。喜ばしい。

うどんでいてくれてありがとうAirPods Pro 第2世代

そこで今回は、祝AirPods Pro 第2世代もうどん継続!ということで、うどん型=スティック型完全ワイヤレスイヤホンの魅力、利点などを改めてお伝えしたい。そのスタイルを採用する製品が途絶えないのは、うどん型ならではのメリットがあるからこそ、そしてそれを好むユーザーがいるからこそなのだ。

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「うどん」の歴史



まずは「うどん」の歴史を確認しておこう。

うどんの発祥は「遣唐使が中国の麺の製法を持ち帰ってきた」など諸説あり定かではないが、完全ワイヤレスイヤホンにおける「うどん型」という表現の起源は、ほぼ間違いなく初代AirPodsだ。

これは「うどん」(本物)

初代AirPods。イヤホン部から伸びるステムと呼ばれる部分の見た目が「うどん型」の起源と考えられる

当時からAppleイヤホンを象徴するカラーであった “白” と、当時の完全ワイヤレスイヤホンでは珍しかった “スティック付き” の形状。それが合わさったルックスが「うどんw」的なニュアンスで呼ばれ始めた。

ポイントとしては、AirPods登場時におけるスティック型の珍しさはあくまでも「当時の完全ワイヤレスイヤホンとしては珍しかった」だけ、ということ。イヤホンの歴史を遡ればスティック型こそ主流だった時期もある。それこそ「Appleの白いイヤホン」イメージを定着させた有線のEarPodsもスティック型だが、殊更に「うどん」扱いはされていなかった。

つまりスティック付きという形状自体は、イヤホンに長く採用され、普通に受け入れられ続けてきた、珍しくも何ともないものなのだ。

しかし「完全ワイヤレス黎明期」の一瞬においては採用例が少なかったこと、そこにApple初の完全ワイヤレスイヤホンという大きなインパクトと共に登場したAirPodsが「スティック&ホワイト」で登場したことで、さも新奇なものであるかのような印象が生み出され、「うどん」呼びが定着したのだろう。

そしてやがて、うどん表現の由来として大きな意味があったはずのホワイト要素の重要性は薄れ、スティック型全般が「うどん型」とされることさえ増えてきた……というのが、「うどん型」の誕生から現在に至るまでの大まかなストーリーだ。

ちなみにそのスティック部分には他に、「ステム」という呼び方もある。だがイヤホン分野では「カナル型イヤホンでイヤーピースを取り付けるノズル部分」も同じくステムと呼ばれることもある。本記事ではその重なりを避けるため、「ステム」ではなく「スティック」の呼び方を用いて説明する。

うどん型の利点は接続!バッテリー!通話!というのは昔の話



さて、その「うどん型」。「うどんw」的なニュアンスで呼ばれつつも、今日まで標準的なスタイルの一つとして採用され続け、定着している。うどん型にはメーカーやユーザーにとって無視できないメリットや魅力が何かしらあり、だからこそ廃れないわけだ。

スティック型の利点として、完全ワイヤレスイヤホン黎明期によく言われていたのは以下の3点だ。

 ● スティック部分をアンテナにすることで、左右イヤホンの間の遮蔽物である頭部を回り込む形に電波を出しやすくなり、左右イヤホンの接続安定性を高められる。
 ● スティック部分にバッテリーを搭載することで使用時間を長くできる。
 ● スティック部分の先にマイクを搭載することで口元を狙いやすくなり通話品質を向上させられる。


しかし、これらは黎明期ならではの課題への対処手段だったと言える。

現在においては、「左右同時伝送の一般化」「省電力性の向上」「マイク性能や通話音声処理技術の向上」といった技術の進歩によって、それぞれ解消。この課題をクリアし、性能を高めることは、今やスティック型でなくとも普通に可能だ。

そのため今となっては、接続性やバッテリー、通話品質を、メーカーがスティック型にする理由、ユーザーがスティック型を選ぶ理由にするのは弱い。

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