PR通常の映画鑑賞と何が違う?
IMAX Enhancedで「最高峰のシアター体験」を自宅でも。そのメリットや導入方法を解説
没入感だけではない、「製作者の意図」まで感じられる再現性
ではIMAX Enhancedで得られる体験は、どのようなものなのだろうか。今回、DTS Japanの試聴室で実際に体験できたので、その模様をお伝えしたい。なお試聴室は、オフィスビル内とはいえ本格スタジオ級で、テレビは83インチの有機EL “BRAVIA”「XRJ-83A90J」、オーディオはIMAXのシステムでも見られるセンターハイトを擁するリアル7.2.5chシステムである。
まずは配信映像における、画角の違いを比較した。配信では同じコンテンツを、通常のシネマスコープ版と、IMAX Enhanced版の両方で視聴できる場合がある。映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(Disney+)から、荒野の戦闘シーンを確認。シネマスコープでは長い帽子の上端がカットされてしまうが、IMAX Enhanced版では、ほぼ全長が収まっている。
これは単純だが、画角によって「見える」あるいは「見えない」が分かりやすい例だ。また視聴を続けていると、空の高さに違いがあり、映像から受ける印象が異なることに気づく。これは単に画角によって、「見える」あるいは「見えない」部分があるという話では終わらない。暗く曇った空という情景が、このシーンの陰鬱さを伝えるのに重要な役割を果たしているとすると、空の面積の広さは、まさに “ディレクターズインテンション” を受け取る観点で重要だと実感した。
次に、IMAX製作のドキュメンタリー作品『ジャーニー・トゥ・ザ・サウスパシフィック』(UHD BD)を鑑賞。65mmフィルムで撮影された、IMAX映像の神髄に触れられる作品で、83インチのテレビいっぱいに映し出される水中シーンは、まさにダイビング気分を味わえる没入感が圧巻。水圧をも感じる程である。
映像の画角が上下に広いおかげで、視聴者が視点を変えると、海底も水面も自在に見ることができ、VR的な楽しみ方もできる。見上げた水面のきらめきは印象的で、高輝度テレビによるHDRのアドバンテージが活き、フィルムのグレインを適度に残したナチュラルで解像度の高い映像は心地よい。発色やコントラストも、IMAXシアターの記憶が蘇る絶妙さで、コンテンツ製作からディスプレイ表示まで一貫してコントロールされる、IMAX Enhancedの恩恵を感じた。
最後に、サウンドを映画『ジュマンジ/ネクスト・レベル』(UHD BD)で確認。砂漠でダチョウの群に襲われるシーンは、大群が地面を蹴る地響きがリアルだ。重低音は量感が抑えられてブーミーにならず、さらに方向や移動感も明瞭。もちろん、視聴空間やシステムのセットアップにもよるが、こうした立体感重視の表現はIMAXの得意とするところで、IMAX Enhancedコンテンツとしてマスタリングされた意図が、実際の効果として体感できた。